On a bench ブログ

ようこそ、当ブログへ。ジローと申します。
 毎日毎日、たくさんのCDやLPを聴いて過ごしております。

聴いたCD Jazz Unit : Jazz Unit

2023年03月13日 | ジャズ(グループ、複数名義、オムニバス 等)

 

 STEVEN SNYDER (p) OLA BJERDING (b) ANDREW EBERHARD (ds) Guests: Randy Brecker (tp,flh) Jesper Thilo (ts)

 これは、けっこう前に買ったアルバムで、なぜかけっこう聴いてしまうアルバム。

 基本的に「前もっての情報一切なし + ジャケ頼り」で安めのCDを拾うのが習性の自分としては、ジャケットの印象でかなりトガった演奏を期待して買ったCDだったのだが、それが結果的には半分当たりで半分外れ。

 この盤、基本的にあまり知名度のない面子のピアノトリオで、後半は大物ゲストがゲストに加わるというパターンなのだが、前半3曲はわりと期待通りの硬質な感じのピアノトリオが展開。特に1,3曲目はアグレッシヴな曲調でもあって、こちらとしてもかなりノッて聴いていたのだが、4曲目のゲスト(ランディ・ブレッカー)が入り始めると、急に普通の大人しめの演奏に。

 それでも、悪い演奏というわけでもないので結局最後まで聴いてしまっていたのだが、トータルとしては若干消化不良な感じで聴き終わっていたのだった。

 それで、しばらくして忘れた頃に聴き返すということを何度か繰り返していたのだが、今回は真面目に解説を読んで、自分がかなり色々とこの盤について誤解していたことが判明。

 まずひとつに、この「Jazz Unit」は普通にピアニストがリーダーのピアノトリオというものでは全くなかった。

 というか、この「Jazz Unit」はスウェーデンの、しかもその南部の「ブレーキンゲ」という地方が企画したアンサンブルで、どういうことかというと、スウェーデンには各地方に割り当てられる芸術や音楽に対する交付金みたいな制度があって、この県ではそのお金を使って基金を作り、ジャズの普及を目的としてこの「Jazz Unit」を作り、そこに今回ならランディ・ブレッカーやジャスパー・シロなどの著名プレーヤーを呼んで、様々なアンサンブルをやって地元の音楽家を援助、育成したりしている、ということらしい。

 なので、ここで聴かれる「Jazz Unit」は恐らくこの時期での面子に過ぎないということらしく、その中心人物は、唯一地元出身であるベーシスト。ほかのピアノとドラムスの2人はアメリカ人で、3人はアメリカの大学で知り合っていたということらしい。

 ということで、実はこのグループはこの後にもCDを何枚か出しているみたいだが、その面子は全然変わっているみたい。

 う~ん、実は、このCDの前半3曲の演奏で、自分はこのピアニストがかなりの有名ピアニストで、当然このトリオもレギュラー・トリオだろうし、そのリーダーだと思い込みつつあったので、その点でも間違ってしまっていた。

 まあ、でも・・・、結局こうして自分は何度もこのCDを聴き返しているわけだし、後半の落ち着いた演奏も悪くはないので、全然文句はないんですけどね。

 でも、このトリオによる、このどう猛そうな犬のジャケットからの印象通りの、アグレッシヴでトガったジャズを、丸々1枚聴きたかったなあ、という思いがどうしてもよぎっていまう、CDでもありますね、やっぱり。

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聴いたCD The Modern Jazz Quartet with Jimmy Giuffre / At Music Inn

2021年11月04日 | ジャズ(グループ、複数名義、オムニバス 等)

 

 
 Milt Jackson(vib) Percy Heath(b)  Connie Kay(ds)  John Lewis(p) Jimmy Giuffre(cl)
 
 ぬ~~、何だこのカッコよさは! これは尋常じゃないですよ!
 
 ずっと食わず嫌いだったMJQ。しかし最近ミルト・ジャクソンの参加盤などを少しずつ聴き始めて、やっとMJQ本体にも手を伸ばしつつあるところんだけど、しかしこれが、いきなり序盤からこんなカッコいい盤に出会ってしまうとは。
 
 それにしても、何なんでしょう、この音数の少なさは。そもそも、ベースもドラムスもほぼバッキングとかしてないし(リズム的には別に変拍子とか特別なことは何もしていないんだけど)。
 それでいて、それぞれのプレーヤーが単音中心に、まるで重力のない雲の上で洗練の極みのような対話をしているかのような。
 
 MJQって、よく室内楽的と言われるけど、でもこれまで聴いた「ジャンゴ」とかは、それほどそんな風にも感じていなかったのだが、しかしこれは完全に室内楽的というか、むしろそれを超えているというか。
 
 で、メンバーの中では、ジョン・ルイスが恐らくクラシックの素養があるということでフーガやバロック的な楽想を取り入れていると思うんだけど、普段のジャズなら全く歓迎できないそんなクラシック的要素も、ここまで洗練されてしまうと認めざるを得ない、というか完全にグウの音も出ないレベル。
 
 実際、この盤で一番カッコいいと思うのは、例えばジョン・ルイスとミルト・ジャクソン、あるいはジミー・ジュフリーが彼らだけでささやくような対話をしていて、そこに静かに寄り添うようにドラムスやベースが入ってくる瞬間。
 それも、ふつうの四つ打ちとかは少なくて、まるで点描みたいにそれぞれが呼応しているような感じ。
 
 いやあ、この軽みというか、むしろ「重さ」を超越した境地というか。
 
 これで、本当に初期の盤だったんでしょうか。
 
Oh, Bess, Oh, Where's My Bess
 
The Modern Jazz Quartet with Jimmy Giuffre - Serenade
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聴いたCD Art Blakey & The Jazz Messengers : Just Coolin'

2021年10月08日 | ジャズ(グループ、複数名義、オムニバス 等)

 

 Lee Morgan(tp) Hank Mobley(ts) Bobby Timmons(p) Jymie Merrit(b) Art Blakey(ds)

 先月あたりから続いているハンク・モブレーのマイブーム。

 実はこないだ、モブレーのリーダー・アルバムを何枚か聴いている中で、ドラムスがアート・ブレイキーだとウルサイと思うことがある、みたいなことを生意気にも書いてしまったんだけど、しかし今度はジャズ・メッセンジャーズということで、主客逆みたいなパターン。

 しかも、今回初めて知ったんだけど、モブレーはグループに2回も参加していたらしい。

 ただ、その2回がいずれもジャズ・メッセンジャーズにとってはやや地味な時期だったらしいというのが個人的にちょっとアレなんだけど、でも聴く前からイジけちゃいけないと思って聴いてみたのがこのアルバム。

 本作は先日このブログに感想を書いた『Workout』より2年前、1959年の2度目の参加時期の録音にあたるんだけど、しかしこれが録音もけっこういいし、リー・モーガンはカッコいいし、この時期音楽監督みたいな役割も担っていたというモブレーのオリジナルも含む曲が、例えば「モーニン」みたいにはキャッチーすぎずにカッコいい曲が多く(『クローズ・ユア・アイズ』が以前から知っていて、すごく好きな曲。モブレーの曲じゃないけど)、また音色でも鋭いリー・モーガンとそれよりちょっと翳りがあるモブレーの取り合わせが個人的にすごく絶妙な温度というか。

 リー・モーガンとの取り合わせがすごく良いと思う一方、結局モーガンのほうが目立ってしまうという点がちょっと悲しくはあるんだけど、でも、やっぱりぼくにはモブレーくらいの波長がちょうどいい、というような気がするんですよね。

Art Blakey & The Jazz Messengers - Close Your Eyes

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YouTube動画 BIMHUIS TV | Mudita

2021年07月26日 | ジャズ(グループ、複数名義、オムニバス 等)

 これは、ツイッター(もともと音楽とは無関係でやっていて、今ではもっぱら情報収集用)のTLで流れてきた「Mudita」というグループによる動画。

 素晴らしい! 

BIMHUIS TV | Mudita

 Sanne Rambags (vo)  Koen Smits (tp)  Sjoerd van Eijck (p)

 ぼくは日頃、ヴォーカルが苦手と言ってロクに聴かないものだから、一人ではこんな素晴らしい動画が存在していても、絶対気付けなかった(感謝!)。

 最初、この冷ややかで清らかな世界は北欧なのかなと思ったんだけど、どうやら彼らはオランダ人っぽくて、この BIMHUIS TV (初めて知った)というのもアムステルダムにあるみたい。

 それにしても、このステージの質の高さに、おじさんとしてはたじろがざるを得ないというか。こんなステージが今や、YouTubeでボタンひとつポチッとしただけで見れますか。

 そして、このヴォーカルの Sanne Rambags は1994年生まれ、ということはまだ20代。日本でいえば平成生まれで、日本のテレビでたまにアイドルとかを見て「味もそっけもないな」と見下していた世代が、ここではもうこんなにすごいオーラをまとって活躍しているんですね。

 そして、さっき BIMHUIS TV の他の動画のラインアップを見てみたら、日頃からCDで聴いているプレーヤーたちがうじゃうじゃ出演しているし。これじゃあ、わざわざお金出して音だけのCD買っていくのがバカらしくなっちゃうよ。

 ただ・・・、そうはいっても、自分はまだLPレコードやCDの完結性というか、それがはっきり物として存在していて、一旦生産されてしまえば発売番号やタイトルで「これ」と指し示すことができるということから、どうしても逃れられないんだよなあ。

 この動画だって、BIMHUIS TV が明日にでも消したとしたら、それで見れなくなっちゃうわけだし。

 それをどうしても不安定性として捉えてしまって、自分という一人の人間が消化できるよりはるかに大量のコンテンツが、今や知らない間にいつのまにか現れ、手の届かないところでいつのまにか消えていくという世界になってしまったということを承認することが、いつまで経ってもできないのですよ、まったく。

 いや、でも今はそんなことより、 Sanne Rambags の美しい歌声を知ったことの喜びのほうが、ずっと大きいでしょうか。

Rotterdamse vrouwen in de jazz: Sanne Rambags

 

↓( 彼らのグループ、「Mudita」のファースト・アルバムだそうです)

 

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聴いたCD Kalman Olah & Mini Schulz : Sketches From Cello Suites

2021年06月07日 | ジャズ(グループ、複数名義、オムニバス 等)

 

 Kalman Olah(p) Mini Schulz(b)

 今日はこんなCDを聴いてみた。

 ハンガリー人ピアニスト、カルマン・オラーとドイツ人ベーシスト、ミニ・シュルツのデュオによる、バッハの『無伴奏チェロ組曲』のアレンジ集です。

 こういう、クラシックを元ネタにしたジャズって、有名な「〇〇・プレイ・バッハ」みたいなものを初めとして昔からたくさんあると思うのだが、しかしその温度感(といえばいいのか)はさまざまで、いわゆるスムース・ジャズっぽいものから、素材としてクラシックは用いるが演奏ではしっかりとインタープレイをやるタイプ、それから楽器を変えただけでほぼ原曲そのまま(あるいはキース・ジャレットのように本当にバッハをそのまま楽譜通りに弾くとか)、というのまで千差万別だと思うんだけど、ぼくは個人的にスムース・ジャズっぽいものはあまり聴かないので、こういう盤を見つけた時は、その辺の臭いを嗅ぎ分けることが大事(と思っている(笑))。

 で、このCDは、最初見つけた時、ジャケットを見ただけの勝手な推測では、かなり原曲を尊重した形でベースが抒情的に『無伴奏』を演奏して、ピアノはどちらかというと伴奏的な感じになるのかなと思ったんだけど、フタを開けてみると両者かなり対等な感じで、楽曲によってはアレンジも大きめだし、即興の部分もかなり多め。

 出だしの1曲目にベースがあの有名な第一番のプレリュードをそのまま演奏し出した時は一瞬警戒してしまったけど、大枠はしっかりデザインされていて室内楽的な雰囲気が強めとはいえ、原曲を尊重しすぎたりということもなくジャズらしい雰囲気もしっかり出せているし、甘くもなく真摯すぎたりもなく、その辺のバランス感もすごくよく考えられている、という感じ。

 で、2人の演奏者のうち、中心になっているのはピアノのカルマン・オラーのようなのだが、この人はジャズ・ピアニストとして活躍する一方、クラシックの素養もあってバッハやバルトーク、ドビュッシーなどをジャズ的にアプローチするよう試みを続けている人だそうで、このミニ・シュルツというベーシストと組んでのバッハも、『ゴルトベルク変奏曲』に続いてこれが2作目なのだとか。

 気がつくと、ぼくが昔好きだったレーベルの「M・Aレコーディング」にも録音があって、実はこのCDはもともと韓国のレーベルの製品なのだが、それを輸入・発売して日本語の解説内でカルマン・オラーにインタビューしているのもその「M・Aレコーディング」主宰のタッド・ガフィンクルだ、ということが判明。

 そして、この盤では出していないが、カルマン・オラーはロマ人とハンガリー人の血が混ざった人種の出身であるのらしく、他の場ではそういう地元の音楽(ジプシー音楽とハンガリー音楽が融合したロムングル音楽というものらしい)を前面に出した演奏もやっているのだとか。ラカトシュなどと共演歴もあるそうです。

Kálmán Oláh & Mini Schulz : Sketches from Bach Cello Suites - No4. Bourrée

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聴いたCD Poly Quartet : Perfumed Dreams

2021年01月27日 | ジャズ(グループ、複数名義、オムニバス 等)

 

 Andreas Polyzogopoulos(tp,effects) Kostas Yaxoglou(p) Vasilis Stefanopoulos(b) Sotiris Ntouvas(ds)

 これは、完全に拾い物といった感じの1枚。

 日頃、休みの日に足繫くディスクユニオンに通っていると、特価品のコーナーに未知のCDがいろいろと落ちていることがあって、自分の性格上、そういうのをついちょこちょこ拾ってしまうんだけど(だから部屋の中が足の踏み場もなくなってしまう)、中にはほとんど期待もしなかった盤が、聴いてみるとびっくりするくらい良かった、ということがある。

 これもまさにそんな1枚で、こんな地味なジャケ、普通の値段じゃまず絶対に拾っていなかったと思うし、2,3日前にCDの山から出てきた時には、買った時の記憶すらよく思い出せなかった。

 しかし、そんな盤がいざ聴いてみると冒頭から素晴らしく、あっという間に引き込まれてしまったのだからよく分からないというか、こういうことがたまにあるから、結局また安い盤をたくさん買い込んでしまうのだというか(笑)。

 で、この盤。珍しく全員ギリシャ人という面子のジャズで、編成はトランペット・リーダーのカルテットなんだけど、基本的な雰囲気は陰影があってストイックな感じ。

 それで、トランペットはミュートで吹いていることが多いんだけど、まずそれがすごく繊細で表情豊かだし、またしっかり吹くところでは曇り空に陽光が射すようにのびやかなところもあって、そしてエフェクトも使っているけどその使い方も全然イヤミがなく、この Andreas Polyzogopoulos というトランペッター、すごく素晴らしい。

 そして、曲調もストイック一辺倒でなく気づくとけっこう幅が広くてしっかりと地に足がついている感じで、またギリシャ・ジャズということで、個人的に自分が日頃好きなアメリカの地方都市ジャズのような鄙びた感じが若干漂う中、しかしメンバーがそれぞれ多国籍なグループで活躍していたというだけに、ローカルさの負の面というようなものを全く感じさせない。

 あと、録音ではドラムスの細かい太鼓の音がよく聴こえる点も個人的にうれしいところ。基本的に、この曇り空に薄日の射しているような雰囲気が、本当に素晴らしいです。

 そして、余談だけど、この Andreas Polyzogopoulos の HP を見ると、この Poly Quartet を含めリーダー作は多くないのだが参加盤はかなりの数に及んでいて、そのどれもが全く見たこともないジャケットであることに、ちょっと心がときめいてしまった(例えば、不意に自分の知らないレーベルを見つけて、そのHPで未知のCDの情報がたくさん出てきた時なんかも、すごくワクワクしてしまう)。

 ただ、その約半数がギリシャ語表記で、つまりはギリシャ国内盤らしいことが、入手という意味ではかなりハードルは高いんだけど。でもしかし、ジャズだけに限ってみても、きっと世界には数えきれないほどの音盤が存在しているんだなあ。

Maar

Perfumed Dreams

Sofia

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聴いたCD Eric Watson & Lauer Christof : Road Movies

2020年11月13日 | ジャズ(グループ、複数名義、オムニバス 等)

 

 ERIC WATSON(p) CHRISTOF LAUER(ts) CLAUDE TCHAMITCHIAN(b) CHRISTOPHE MARGIET(ds)

 これは、古いCDをちょっと整理していたら、久しぶりに発掘されて出てきた盤。

 で、改めて聴いてみたらかなりカッコよくて、買った当時にもそう思ったことを思い出したんだけど、でもそれにしては当ブログに感想を書いた記憶もないし、もう10年以上(?)忘れていたというのがどうもよく分からない。

 で、これ、以前「Act」レーベルをよく聴いていた時に拾っていたもので、ピアノとテナーの2人名義。それで、ピアノの ERIC WATSON はフランスで活躍するアメリカ人、ベースとドラムスの2人はフランス人と、ドイツの盤としてはけっこう多国籍な面子の構成。

 演奏はすごくストレートというか、本当に道路を猛スピードで走っているようなエネルギッシュな印象。また、全体にちょっとダークな感じも漂っていて、何と言うかハードボイルドっぽい雰囲気が漂うロード・ムービーといったほうがいいかも。

 ただ、音自体は良くも悪くも「ゴリゴリ感」が強いというか、一音一音がはっきりしている分、ニュアンスには乏しいかなあとは思うところがあるんだけど、でも曲調は気づくとけっこう幅もあるし、実を言うと、その「ゴリゴリ感」がいかにもヨーロッパっぽい感じがして(アメリカの黒人のエモーショナルな世界とは対極というか)、その点こそが今回なぜか頭から離れなくなって何回も聴いてしまった。

 たまに、こういう感じの音を聴いてみるのもいいかも。

↓(下は、なぜかジャケットが違うけど、このアルバムの1曲目です)

Road Movies

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聴いたCD Framework-Chris Bates Jay Epstein Chris Olson

2019年05月09日 | ジャズ(グループ、複数名義、オムニバス 等)
Framework-Chris Bates Jay Epstein Chris Olson
CD Baby
CD Baby

 Chris Bates(b) Jay Epstein(ds) Chris Olsen(g)

 これは、以前買っていたCDの聴き直し。

 ギタートリオで、3人連名になっているけど、やっぱりドラムスの Jay Epstein が実質的にはリーダー格なのかな。

 で、これ、買ったのはもう5年前くらいになるのか。それから2,3回は聴いていたと思うんだけど、これまでは全く耳に入らず。ただ、つまらないのと耳に入らないのでは全然違うので、しばらくしたらまた聴いてみようと、一旦保留していた。

(というか、今この部屋にあるCDの全体の何割かは、そんな ”1度聴いてはみたが、まだよく分からない” CDじゃないかと思ったりする。自分にとって音楽を聴くこととは、そういう分からないものを、少しずつ分かっていこうとする作業なのかも、とも思ったり)。

 で、この盤。今回やっと気づいてみると、これはぼくが秘かに愛好している(と勝手に言っているだけだが)、アメリカの地方ジャズ。ネット情報によると、このユニット(ユニット名が”Framework”)はミネアポリスに拠点を持つらしく、録音も地元のカレッジの学生が行ったらしいんだけど、やはりNYなどの大都市とは違って、どこか寂しくて色調も暗め。特に、ギターのちょっとけだるい感じが良い。

 そして、写真で見ると比較的若いギターとベース2人を率いる、彼らより一回りくらいベテランに見える Jay Epstein の、シンバル中心の細かくて微かな”(あえてカタカナで書くと)チリチリ”、”シャーン”という、力感を排除したようなプレイも、ある種の陶酔を感じるというか。

 実際、この Jay Epstein は、シンバルにはかなりこだわりを持っているようで、CDの中の説明にも単に「ドラムス」とは書かずに、 「plays Bosphorus Cymbals and Ellis Drums」と、わざわざシンバルのメーカーを独立して記している。

 で、一体どんなシンバルなのかと思って検索してみると、 Bosphorus ってどうやらあの「ボスフォラス海峡」の「ボスフォラス」らしくて、つまりはトルコのイスタンブール製のシンバルらしいと、全く予想もしないような情報が出てきてしまった。それにしても、何でトルコとシンバルなの? もしかして、あのトルコの軍楽とかの伝統が、今もそんなところに息づいたりしているわけ?

 いやあ、もともとドラムスなんてまだ全然無知なままでアレなんだけど、シンバルひとつにもそんな世界が広がっていたのかと、ちょっと驚いてしまった。

 そして、今の時代、もしやと思いついて、Youtubeで ”Bosphorus Cymbals” と検索してみると、すぐに試奏とか製造過程の様子も含めていろいろな動画が出てきて、それをうっかり見始めたら、深夜でもう眠たかったのに、あっという間に1時間以上たってしまった。

 いやあ、現代の情報力ってホントにスゴイ! というか、同時にちょっと恐ろしくも感じてしまいました。

↓ (下は、Youtubeで見つけた、アルバム収録曲のひとつです)

FRAMEWORK, Tipsy

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聴いたCD ラーガ・バップ・トリオ:ラーガ・バップ・トリオ

2019年04月17日 | ジャズ(グループ、複数名義、オムニバス 等)
ラガ・バップ・トリオ
スティーヴ・スミス,プラサンナ,ジョージ・ブルックス
キングレコード

 Steve Smith(ds) George Brooks(ts,as) Prasanna(g)

 これは、けっこう前に聴いていたCD。その時ブログに感想を書いたつもりだったんだけど、どうやら忘れていたみたい。

 で、これ、実は図書館で借りていたCDで、それもその日あまり借りたいCDがなくて、迷いに迷って最後に選んだ1枚だった。いやあ、自称インド音楽好きのぼくとしては、昔からこういうフュージョン的なものがどうしても抵抗があって、これまでほとんど聴いたことがなかったのだった。それにこのCD、ジャケットもあまりイケているように見えなかったし。

 でも、迷った末に借りていざ帰って聴いてみると、これがけっこう耳に入ってくる。編成としては、ベース・レスでのサックス、ギター、ドラムスによるトリオ作で、リーダー格はドラムスのスティーヴ・スミスという人物(ぜんぜん知らなかったけど、すごく有名な人らしい)。

 で、演奏的には、まず最初に耳に入ってくるのが南インド出身というギターの Prasanna で、この人の弾くインド的フレーズが見た目のインド風味の大半を醸し出しているんだけど、でもよく聴くと普通にジャズっぽい演奏をしている時間帯も多いし、曲もすべてインドっぽいというわけではない。

 また、サックスの George Brooks もジョン・マクラフリンのグループに参加したりインド音楽の勉強しているとのことで、インドっぽいフレーズも吹いているけど、それほど濃い感じでもない。

 それよりは、このバンド、3者の演奏自体が皆スキがなくて単純にうまくて、特にリーダーのスティーブ・スミスが、この人も普段インド音楽を聴いているとよく出てくるタブラ奏者の口太鼓とかをやっていて、それももちろん目を引くんだけど、とにかくそのドラムスのプレイが手数が多くて正確、精密、そしてイチイチ的確というか、別に前に出しゃばっているわけでもないのに、気づけば耳が自然にドラムスに行ってしまう。

 というわけで、この盤、ジャンル的にはすごく個性的なフュージョン・バンドといえばそれで外れてないんだけど、でも本当はそれで括るのがもったいないような、エスニックな衣をまとった普通に真っ当なすごい演奏と言っていいんじゃないかと思ってしまった。

 そういえば以前、図書館でどうしようか迷った挙句、最後の1枚で借りたCDには当たりが多いというジンクスがあったんだけど、ひさしぶりにそれを思い出したりもした。

Steve Smith, George Brooks, Prasanna: Raga Bop Trio

 その後、今日までにスティーヴ・スミスをちょっと調べてみたりしたけど、やっぱこの人、カッコいいです。

Steve Smith: DRUM SOLO 2015

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聴いたCD Third World Love : Songs and Portraits

2019年04月01日 | ジャズ(グループ、複数名義、オムニバス 等)
Songs & Portraits
Anzic Records
Anzic Records

 Avishai Cohen (tp)  Yonatan Avishai (p)  Omer Avital(b)  Daniel Freedman (ds)

 久しぶりにイスラエル・ジャズを聴いてみる。

 これは、以前からDUでは頻繁に見かけていたCDで、ぼくとしても興味がなかったわけではなかったんだけど、人気だから当然中古価格も高かったし、実はトランペットのほうのアヴィシャイ・コーエンが、何枚か聴いてもどうもしっくり来ないことが多く、手持ちのCDも今一つ消化不良気味だったりしたので、なかなか手が伸びないでいたのだった。

 ところが、ここ最近にきてそのイスラエル出身の人たちの、特に両方のアヴィシャイ・コーエンとオメル・アヴィタルなどの勢いも一段落という感じになってきたのか、中古価格も徐々に下がってきて、ついに特価品コーナーにも少しずつ顔を出すようになってきた。

 というわけで、実はこの盤もそうして拾ったんだけど、しかしこの盤はなぜか突然特価品になっていたし、同じころに他の店ではまだそんなに安くもなかったので、たまたまその店でずっと売れ残ってしまったか、もしくは値付けミスだったのかもしれません(笑)。

 ともあれ、そういう次第でさっそく聴いてみたのだが、それがこのtpのA・コーエン盤では(正確にはグループ名義だけど)これまでで一番耳に入ってくる。メンツとしては、ベースにいつも組んでいるオメル・アヴィタルと、ピアノ入りのカルテットで、とにかくその演奏が、いい意味でのかなり濃いめのイスラエルっぽさ(むしろ、かなりコテコテといってもいいかも)。しかし、それが非常に分かりやすくてこちらも乗りやすいし、安心して聴ける。

 どうもこのtpのA・コーエンって、最初の頃からトランペット・トリオやってみたり、最近ではECMの人になっちゃったりするんだけど、そんな「芸術的、ストイック」みたいな方向よりか、こっちのエスニックっぽいにぎやかな演奏のほうに軸足を置いているほうがよかったんじゃないかと、実は前々から思っているんよね(単に、個人的な好みの問題かもしれないけど)。

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聴いたCD GROSSMAN LECUYER RAGUSA : CONFLUENCIA

2019年02月11日 | ジャズ(グループ、複数名義、オムニバス 等)
Confluencia
 
Acqua

 Ismael Grossman (g)  Romain Lecuyer (b)  Leandro Ragusa (bandoneon)

 これは、買ってからちゃんと聴くまでに、かなり時間がかかってしまったCD。

 全くダメな話なんだけど、ぼくという人間は、もう長年休みの日は古本かCDを買ってくるという習慣が身体に沁みついてしまっているので、その結果買ってきたはいいがロクに聴いていない、あるいはまだ全く未聴のままのCDが、どうしてもたまってきてしまう。これは、CDに対しても失礼だとは思っているんだけど、でもやはり時間に限りはあるし、それにぼくには一度聴き始めたものをある程度は繰り返し聴くという習性もあるので、最早この状況を改善するのは不可能(笑)。まあ、いずれ結局は全部聴いてやる気は満々なんだけど。

 というわけで、何を言いたいのかというと、要するにこのCDもまさにずっと未消化のままだったということなんだけど、でもこれはその中でもちょっと特殊というか、過去に2,3度は聴きかけてはいたのだった。ただ、それがいずれも深夜だったので途中で睡魔に襲われてしまい、結局何も覚えていないのと同じような状態。いやあ、1度だけならともかく、2度3度と似たようなことが続くのって、本当に珍しいんだけど。

 で、今回は「あっ、久しぶりに出てきたな。今度こそ」ということで、ちゃんと「深夜前」に聴き始めたんだけど、しかししばらくして「んっ、これって本当にジャズ?」、・・「やっぱりジャズ?」、・・「いや、ちょっと南米?」と、何だか(ジャンル的に)不安な気持ちに。一見すると、ギター中心のコンテンポラリーなジャズに聴こえるんだけど(ジャケットの印象から、ヨーロッパのどこかの国のマイナーなジャズだと思い込んでいた)、しかしベースのほかに始終鳴っている楽器はアコーディオンなのか。そして、そういえばちょっとタンゴ的な雰囲気も。

 と、ここでやっとこさリーフレットを開いて見ると、楽器はアコーディオンではなくバンドネオンで、書かれている文字はスペイン語(数行の紹介文だけだけど)。そしてジャケットの裏にはちいさく「ARGENTINA」の文字が。そうか、やっぱりそういうことだったか。

 ということで、ネットでもう少し調べると、ギターの Ismael Grossman はディエゴ・スキッシ・キンテートという有名なバンドのメンバーでもあるようで(知らないけど)、要するに本作品はジャズ、タンゴ、フォルクローレ等の色んな要素が混じりあった、かなりハイブリットな作品であるらしい(ちなみにタイトルの CONFLUENCIA は英語で言うとconfluenceで「合流」みたいな意味)。

 曲は全7曲で、5曲がGrossman作、1曲がベースの Lecuyer作。そして最後の1曲がピンク・フロイド。一旦アルゼンチンと分かって聴いてみると、特に後半なんかはたしかにタンゴ色をはっきり感じるし、ギターの音も南米的に聴こえ始めてしまうんだけど、でもある意味、それはもう自分の頭の中で先入観が生まれてしまったからで、そんな知識知らなかったほうがワクワク感があって幸せだったかもなあ、なんてこともちょっと思ったりする。

 しかしこのCD、何よりも演奏がナイーブで繊細、そして現代的。いや、なかなかカッコいいです。アルゼンチンの音楽って最近すごく勢いがあるってよく聞くけど、この Ismael Grossman のこの盤も、そういう文脈で理解するべき1枚なんだろうか。

* Youtubeで収録曲を1曲見つけたので、貼っておきます。 

Transparencias (Grossman/Lecuyer/Ragusa)

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聴いたCD HESS & HUNTLEY : THE GREAT BRIDGE

2019年01月30日 | ジャズ(グループ、複数名義、オムニバス 等)

 

The Great Bridge
 
Storyville

Emil Hess(sax)  Richard Livingston Huntley(ds)  Mulgrew Miller (p)  Cameron Brown (b)  Søren Lee (g)

 これは、安かった割りに聴いてみるとすごく良くて、コスパ的にかなり高かった盤。

 最初に中古屋で見つけた時は、「全然知らない人たちだし、演奏もオーソドックスそうではあるけど意外性もなさそうだなあ」とも思ったんだけど、でもサックスの人しっかり吹いてくれそうな感じだし、ドラムスの人も何となく思慮部深そうだしで、思い切って拾ってみたのだった。

 で、双頭リーダーのうち、サックスの Emil Hess はデンマーク出身。 Hess っていう名前、ほかにも確かきいたことあるなあと思ったら、弟がピアノの Nikolaj Hess だそうで、つまり兄弟でジャズ・プレーヤーということらしい。一方の Richard Livingston Huntley というドラムス奏者はニューヨークの人。この二人、以前共演したことがきっかけでこうして組むようになったそうで、タイトルの「ブリッジ」は、アメリカとヨーロッパをつなぐみたいな意味もあるみたいです。

 編成は、一応ピアノとギターを入れてのクインテットなんだけど、サックスとドラムスが二人でリーダーときては、残りの3人はどうしても控えめになるのかな、という印象。まあ、ギターの人はわりと存在感あるけど、特にピアノは参加していない曲もあるせいかあまり目立っていないし、あとベースの人もけっこう高齢っぽい感じで、もっぱら渋めに低音部をサポートしているという感じ。

 ということで、やっぱり当然ながらリーダーの2人が目立っていて、ドラムスのHuntleyはシンバルとかの軽い音がすごく好きみたいで、細かく高音部で小気味いいプレイをしながら、サックスと呼吸をはかっている感じ。しかしこの、ベースとドラムスの関係、気づくと本当にくっきり音域が分かれていて、低音をくぐもった感じの音で淡々とプレイするベースと、高音の太鼓でキレのある演奏を行うドラムス。この2つの楽器だけで、すでに十分気持ちのいい音が生まれているのかもしれない。

 そして、そこにコルトレーンの曲などを除いてほぼすべての曲を作曲もしている Emil Hess のテナー。見た目は強面っぽくも思ったけど、聴いてみるとむしろすごく柔らかい音色で表情も豊か。いやあ、何度聴いてもなかなか飽きないというか。あと、曲によって(部分的にも)ギターやピアノが参加したりしなかったりと色々で、雰囲気が変化するのも効いているのかな。

 さっきから探した限りでは、なかなか英語ですらマトモなレビューが見当たらないマイナー盤なのかもしれないけど、実は隠れた好盤なのではないか、なんて思ってしまっている盤です。

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聴いたCD HIPNOSIS : JAZZ

2018年08月07日 | ジャズ(グループ、複数名義、オムニバス 等)
Jazz
 
Perto

 今日はちょっと懐かしいCDを再聴。

 これ、Perfect Toyというドイツのクラブジャズレーベルに所属する、HipnosisというユニットのCDで、実は昔、このユニットの日本盤のCDを1枚持っていたのだがそれがすごくカッコよくて、一時けっこう気に入っていたのだった。

 で、その後随分遠ざかっていたんだけど、先日偶然このCDを見つけて、「やった、こんなCDも出していたのか!」と、喜んでゲット。・・・したのだが、さっそく家に帰って聴いてみたところ、実はこれ、手持ちの日本盤のもとのオリジナル盤だったと判明。

 ジャケットが違うから、別の盤に見えただけなのだった。しかも、収録曲も日本盤に入っているリミックス・トラックがない分、やや損な感じ。ちょっとガッカリしてしまった。

 ↓ ちなみに、その日本盤はこれ。 

JAZZ
 
stride

 でも、久しぶりに聴いてみると、やっぱりカッコよさは以前のまま。発売当時、けっこう話題になったみたいだけど、それも分かるというもの。

 ただ、音としてはたしかにジャズの音ではあるけど、内容的には微妙にジャズとはいえないかも。というのも、どの曲のアンサンブルも細部までしっかり固まっていて、ソロの部分もあることはあるけど、それも意匠という感じ。自由度というか、個人のひらめきなどが入るようなゆるさはない(点が、ちょっとドイツ的とも感じたり。それが悪いというわけじゃないけど)。

 なので、正統派のジャズ・リスナーの人よりは、クラブ系の音が好きな人向きかもしれません。

 ちなみに、さっきYoutubeに曲がアップされていないかと思って探してみたんだけど、残念ながらオリジナルの演奏は発見できず(もとのオリジナル盤は2003年発売だから、もう大分時間はたっている)。かろうじて、代表曲のリミックス・トラックがあったので、とりあえず貼っておきました(もはや完全にクラブ寄りの仕上がりになっているので今一つ参考にならないけど、これはこれでカッコいいです)。 

Hipnosis, black forest stomp/Black Forest Stomp/Break N' Bossa - Chapter 6 [Disc 1]

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聴いたCD New Connexion feat. Greg Osby

2018年07月26日 | ジャズ(グループ、複数名義、オムニバス 等)
New Connexion
 
Meta

 Michael Arbenz(p)  Tibor Elekes(b)  Florian Arbenz(ds)  Greg Osby(s)

 これは、以前買っていて、当時から気に入っていたディスク(それにしては、なぜブログに書かなかったんだろう?)。

 ライナー・ノートなどがないのでよく分からないけど、恐らくスイスのピアニスト、Michael Arbenzが中心のピアノ・トリオで、そこにGreg Osbyが参加しているという形。録音は2000年と、ちょっと時間は経ってはいるかな(一時、DUに安値で頻繁に落ちていた)。

 ネットとかで調べてみると、このユニットは今は多分活動していなくて、ベースが代わって「vein」という名のトリオをやっているんだと思うけど、グレッグ・オズビーとの関係は続いているようで、ライブで共演しているYoutube動画も発見。

 で、この演奏、非常に硬派ですごくカッコいい。Michael Arbenz のピアノはちょっとクラシックっぽいセンテンスとか目につくところはあると思うんだけど、とにかくまずピアノ・トリオ自体の土台の演奏が非常に緊密で張り詰めた雰囲気があって、ある種男臭い感じも。基本、ピアノ・トリオなのでトリオだけでの演奏の時間帯も多いけど、そこにグレッグ・オズビーが加わると、ますますその雰囲気が強調されて濃くなるというか。

 ネットで今のトリオの活動を見ると、最近はスタンダードとかクラシックの作曲家のラヴェルの曲をやってもいるようで「あれっ?」と思ったけど、ちょっと聴いてみた限りでは演奏の質はあまり変わっていない印象。トリオ3人のバランスとしては、若干ピアノの存在が勝ちすぎているかなあと思うこともないけど、でもこの Florian Arbenz みたいな、シンプルで手数が多くてけれん味のないドラムスってのもけっこう好きです。

 ご参考までに、上にちょっと触れた「vein」とグレッグ・オズビーの共演の動画を下に貼っておきます。

VEIN feat. Greg Osby - Trailer

 

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聴いたCD Francis Coletta & Jonas Tauber : Port Said Street

2018年06月25日 | ジャズ(グループ、複数名義、オムニバス 等)
Port Said Street by Francis Coletta & Jonas Tauber (2011-01-18)
 
Origin Records

 Francis Coletta(g) Jonas Tauber(cello)

 どうも、ジローです。只今、2018年ロシアのワールドカップ開催中で、毎日夜帰ってきてテレビをつけると自然といつのまにか見てしまっているので(最初は興味がないつもりだった)、ほかにほとんど何もできなくなってしまいました。

 しかしホントに今回のロシアって、日本の夜更かし人間にとっては最高(最悪かも)の時間帯で、しかもグループリーグでは次から次に1試合ずつ始まってしまうのがうまくできているというか、いやもう、12時からの試合を見始めてしまうとキツいです。

 ・・・で、それはそれとして、音楽は通勤時やサッカーの合間にやっぱり聴いているわけで、感想はたまってはいるのですが、いかんせんこうしてブログで書く時間がない(泣)。

 そんな中で、上のCDは、ここ2,3日繰り返し聴いた盤。実はこれ、机の周りの雑然さがあまりにひどいのでサッカーのハーフタイムにちょっと片付けていた時に偶然発掘されたCDのひとつで、ジャケットを見て数年前に買ったことは思い出したけど、しかし聴いた記憶が全くない。

 となると、これは一度聴いてみるしかないかと思いたって聴いてみたら、すごく良かったという、個人的にわりとよくあるパターンです(笑)。

 で、編成はギターとチェロのデュオで、ギターのFrancis Colettaはフランス、チェロの Jonas Tauberはスイスの出身。どちらも例によって全然知らない人で、もうおじさんといっていい歳のように見えるし、あまりメジャーでもない人かもしれないけど、しかしそんな2人の全く奇を衒わないシンプルなデュオ演奏が、かなり聴かせてくれます。

 曲は、Colettaの自作と、有名曲(Body and Soul,Caravan,Nica's Dream,How Insensitive)が半分ずつといったところで、その点 Coletta のほうが主役っぽく見えなくもないけど、しかし聴いている限りは、本当に2人の親密で対等なデュオという感じで、いつのまにか聴き入っていて全然飽きがこない。

 気づけば、ギターとチェロのデュオってほかに聴いた記憶がないんだけど、ベースと違ってチェロという楽器が一段音域が高いせいか、ギターの音色とのバランスがすごく自然に感じるし、相性がいいとも感じる。そのチェロは基本指引きが多いけど、たまに弓弾きになってギターがバッキングに回ったり(でも、どちらかがバッキングしている時も「主ー従」みたいな関係には一切感じない)。

 聴いているとけっこうメロウなメロディーもあるんだけど、それも全然イヤみなどないし、本当にすごく上質なアコースティックな演奏というか、かなり素晴らしいアルバムだと思いました。

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