STEVEN SNYDER (p) OLA BJERDING (b) ANDREW EBERHARD (ds) Guests: Randy Brecker (tp,flh) Jesper Thilo (ts)
これは、けっこう前に買ったアルバムで、なぜかけっこう聴いてしまうアルバム。
基本的に「前もっての情報一切なし + ジャケ頼り」で安めのCDを拾うのが習性の自分としては、ジャケットの印象でかなりトガった演奏を期待して買ったCDだったのだが、それが結果的には半分当たりで半分外れ。
この盤、基本的にあまり知名度のない面子のピアノトリオで、後半は大物ゲストがゲストに加わるというパターンなのだが、前半3曲はわりと期待通りの硬質な感じのピアノトリオが展開。特に1,3曲目はアグレッシヴな曲調でもあって、こちらとしてもかなりノッて聴いていたのだが、4曲目のゲスト(ランディ・ブレッカー)が入り始めると、急に普通の大人しめの演奏に。
それでも、悪い演奏というわけでもないので結局最後まで聴いてしまっていたのだが、トータルとしては若干消化不良な感じで聴き終わっていたのだった。
それで、しばらくして忘れた頃に聴き返すということを何度か繰り返していたのだが、今回は真面目に解説を読んで、自分がかなり色々とこの盤について誤解していたことが判明。
まずひとつに、この「Jazz Unit」は普通にピアニストがリーダーのピアノトリオというものでは全くなかった。
というか、この「Jazz Unit」はスウェーデンの、しかもその南部の「ブレーキンゲ」という地方が企画したアンサンブルで、どういうことかというと、スウェーデンには各地方に割り当てられる芸術や音楽に対する交付金みたいな制度があって、この県ではそのお金を使って基金を作り、ジャズの普及を目的としてこの「Jazz Unit」を作り、そこに今回ならランディ・ブレッカーやジャスパー・シロなどの著名プレーヤーを呼んで、様々なアンサンブルをやって地元の音楽家を援助、育成したりしている、ということらしい。
なので、ここで聴かれる「Jazz Unit」は恐らくこの時期での面子に過ぎないということらしく、その中心人物は、唯一地元出身であるベーシスト。ほかのピアノとドラムスの2人はアメリカ人で、3人はアメリカの大学で知り合っていたということらしい。
ということで、実はこのグループはこの後にもCDを何枚か出しているみたいだが、その面子は全然変わっているみたい。
う~ん、実は、このCDの前半3曲の演奏で、自分はこのピアニストがかなりの有名ピアニストで、当然このトリオもレギュラー・トリオだろうし、そのリーダーだと思い込みつつあったので、その点でも間違ってしまっていた。
まあ、でも・・・、結局こうして自分は何度もこのCDを聴き返しているわけだし、後半の落ち着いた演奏も悪くはないので、全然文句はないんですけどね。
でも、このトリオによる、このどう猛そうな犬のジャケットからの印象通りの、アグレッシヴでトガったジャズを、丸々1枚聴きたかったなあ、という思いがどうしてもよぎっていまう、CDでもありますね、やっぱり。