On a bench ブログ

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 毎日毎日、たくさんのCDやLPを聴いて過ごしております。

これまで知らなかったイタリアの「リスト弾き」、ミケーレ・カンパネッラのLP(2枚)を聴く

2024年03月18日 | クラシック

 どうも、ジローです。

 ここ最近、安い昔のLPレコードを拾って聴いてみるという趣味がにわかに復活してきて、何度か当ブログでも感想を書かせていただいているわけですが、自分にとってその一番の醍醐味は何かというと、やっぱり当時のLP時代から数十年経って、今ではあまり見なくなった録音や、名前を聞かなくなった演奏家のレコードに巡り合えること。

 ぼくがLP盤を漁っていた時期なんて、せいぜい80年代くらいでその後すぐにCD時代が到来したのでほんの短い期間でしたが、それでも国内盤などはどこに行っても同じようなものを見ることが多かった中で、「えっ、こんなピアニストいたっけ?」、「いや待てよ、何だか記憶があるような、ないような」などと、必死に古い記憶をたぐり寄せるようなことが、けっこうあったりします。

 そんな中でも、先月くらいに発見して今一番興味を覚えているのが、このミケーレ・カンパネッラというイタリアのピアニスト(1947年ナポリ生まれ)。

 なんと、国内盤を2種類も一度に発見してしまって、しかも当時新進気鋭の「リスト弾き」として、けっこう売り出されていたような雰囲気も。

 しかも、「カンパネッラ」なんて名前、圧倒的にリスト弾きとして「ふさわしい感」があって、すごくオシャレじゃないですか。

 で、安かったのでついゲットしちゃったのですが、しかしこのピアニスト、さっそく先日からネットでいろいろ検索しているんだけど、少なくとも現在での日本国内に限ってはかなり「レア」というか、なかなか情報が出てこない。

 この方、いまだに現役のようで本当に今でもリストを中心にしてCDも出ているので、商品紹介的なページはわりとすぐに見つかるのだが、しかしそれ以上が難しく、たぶん70年代に来日歴もあるようなのに、個人のブログの記事みたいなものが全く見つからない。

 それに、当時日本で実際に人気が出たのかというと、それもよく分からないというか、例えば今回みつけた2枚のLPも、実をいえば曲目からしてちょっとビミョウ。というか、そもそもかなり地味。

 例えば上の、右側の緑の盤は協奏曲集で、サン=サーンスの「第4番」とリストの「死の舞踏」「ハンガリー幻想曲」のカップリングなのだが、リストなら普通ならますは「第一番」とかになりそうなところが、それがなぜかそうじゃない(それに、サン=サーンスのほうも、演目として当時どれくらい聴き手の気を引けたのだろう)。

 そして、左側の茶色の盤に至っては、一枚全部ワーグナーのトランスプリクション集というもので、世のリスト好きの中でもかなり上級者向きというか、一体これは、もともとの海外盤を日本で発売したということなのかもしれないが、もう少し広い層に分かりやすい曲を選べなかったのか。

 そして他ならぬ当方自身も、「死の舞踏」と「ハンガリー幻想曲」についてはいまだに曲自体に開眼していないため聴いていてあまりピンと来なかったし、ワーグナーのほうも、正直かなり曲調自体が地味(2,3回聴いてみて徐々に耳には入って来たけど)。

 YouTubeで探すと、昔から最近までわりと動画が出てくるのでヨーロッパではコンスタントに活躍していたようにも思えるし、DISCOGS でディスコグラフィーをチェックしてみても、その後は「ロ短調ソナタ」「巡礼の年」「ハンガリー狂詩曲」と、王道のリスト作品も普通に録音しているみたいなので、それだったらなぜ当時そういう曲を出さなかったのか。

 ・・・と、これはレコード会社の作戦的な面でもダメだったんじゃないか、なんてこともちょっと思ってしまいました。

 というわけで、今回は上の2枚のLPではこういう感じで正直アレだったんだけど、でも昨日あたりから若い頃の演奏なんかを YouTube で見始めて、むしろ今ではそちらのほうからちょっとずつ惹かれてきたような感じ。

 そんなわけなので、結局このミケーレ・カンパネッラも、次からCDを見つけたら、やっぱり拾っちゃうことになるのかなあ、といういつものパターンにはなりそうです。

↓(古い録画ですが、さすがにテクニックがありますね。そして、見た目ではかなり実直そうな感じ)

Liszt - Faust Walzer - Campanella M. - 1986 - Roma

↓(こちらはわりと最近の映像。「ダンテを読んで」です)

Franz Liszt - II Anno di pellegrinaggio: Après une lecture de Dante, Fantasia quasi Sonata

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