On a bench ブログ

ようこそ、当ブログへ。ジローと申します。
 毎日毎日、たくさんのCDやLPを聴いて過ごしております。

聴いたCD CHARLIE BYRD : BLUEBYRD

2022年10月19日 | ジャズ(弦:Guitar,bass 等)

 

 Charlie Byrd (g) Joe Byrd (b,vo) Wayne Phillips(ds)

 久しぶりにチャーリー・バードを聴く。

 実は、チャーリー・バードはジャズを聴き始めの頃、ほとんど最初に出会ったギタリストのうちの一人だったのだが、顔立ち(だけですが)から何となくちょっと古くて保守的な感じのジャズを予想していたところ、聴こえてきたものがボサノヴァ調の曲ばかりだったのがちょっと違和感があって、すぐに遠ざかってしまっていた。

 どうもぼくにはジャズに限らず生真面目に物事を考えてしまう面があって、正統派から外れたようなものは取りあえず敬遠してしまうクセがある。

 ただ、そうは言いつつ、その後もそんなボッサぽい盤もたまにちょろちょろと聴いてはいたのだが(有名な「ジャズ・サンバ」とかを含めて)、今回この盤をたまたま見つけて聴いてみると、これまでで一番ジャズっぽいジャズが聴こえてきたのでちょっとビックリ。

 最初、ちょっとギターの音が固めかなあとも思ったのだが、それも聴くにつれて馴染んできて、いつの間にかついついリピート(ていうか、全体で35分くらいしかないので、けっこうあっという間に1回終わってしまう)。

 それでいて、曲目はエリントンからガーシュウィン、ブラジルのショーロがあったり自作曲があったり、弟(?)のヴォーカル入りの曲だとかけっこうバラエティに富んでいるので、そういう意味でもじっくり聴く実感が来る前に終わってしまう、というか。

 全体的にはきっとボッサ寄りの盤が多い中では、この盤ってどちらかというと例外的な盤に数えらえるんだろうかね。

Charlie Byrd Trio - Soft Lights and Sweet Music

Nice Work If You Can Get It

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

聴いたCD ブレンデル・シューマン・アルバム(KICC-139)

2022年10月13日 | クラシック

 

〔曲目〕シューマン:幻想曲 ハ短調 Op.17 交響的練習曲 op.13

 さっきアマゾンで検索したら日本盤のデータにはジャケット画像がなかったので、ジャケット画像付きの海外盤のリンクを上に貼ってみましたが、これはかつて『ブレンデル・シューマン・アルバム』としてLP時代から日本でも流通していた盤だと思います。

 解説によると、これは1965~66年という短期間にブレンデルが契約していたヴァンガードというレーベルへの録音で、実はこのレーベル、ブレンデルでは珍しいリストのハンガリー狂詩曲の盤やショパンの録音(「ポロネーズ集」)なんかもあったりして、ショパンのほうはかつて近所にあったブックオフで偶然遭遇して、けっこう気に入っていた思い出があります。

 で、それはさておき、今回のこの盤は、ぼくにしては珍しく狙いに行ってゲットした盤。

 先日の、やはりブレンデルの『交響的練習曲』が入った盤の投稿で、ブレンデルがこの曲に長く関わる内に遺作の5曲の変奏曲を無視できなくなったと解説に書いていて、実際にその盤では5曲の変奏曲入りで演奏しているんだけど、その後ブレンデルのディスコグラフィーを調べている内にこの初期の録音の存在を知って、もしかしてこの時期なら、まだ5曲無しで演奏していたんじゃないかと思ったわけ。

 そんなわけで、数日前いつものごとく某ディスクユニオンをウロウロしていると、めでたくこの盤を発見(かなり売れた盤だと思うので、たぶんすぐに見つかると思っていた)。それでさっそく聴いてみると、予想通りシューマンの決定稿通りの、5曲抜きの演奏と判明。

 それとこの盤は、もう一曲の収録曲がシューマンのピアノ曲の中では以前から好きだった『幻想曲 ハ短調 Op.17』で、これは個人的にかなり黄金の組み合わせ。

 というか、ここ数年じわじわとシューマンを聴く機会が多くなってきていたなかで、今個人的にけっこうマイブームになりかけているのかも知れない。それと、この『幻想曲』は不覚にも数年遠ざかっていたこともあってか今回改めて聴くとかなり新鮮で、ついつい繰り返し聴いてしまった。

 で、ここ数日聴いてみての感想をいえば、『交響的練習曲』は先日の新しいほうの録音の解説の中でブレンデルは5曲の変奏曲があってこそこの曲はシューマンの重要作だ、みたいなことを言っていて、他のピアニストの録音でも5曲入りで演奏するスタイルのほうがかなり優勢のように見えるのだが、しかしぼくはどちらかというと、この5曲無しのほうが好み。

 しょせん素人考えではあるんだけど、でもこの決定稿は何て言ってもシューマン自身が最後にこう決めた形であるわけだし、それはつまり、この曲ではシューマンがオイゼビウス要素が弱めで構わないのだと決めたということでもあるかもしれない。それに全体の構成的にも、この5曲が間にちょこちょこ入ってしまうと、曲のまとまりというか、統一感もちょっとゆるむような気もしてしまうんですよね。

 なので、今のところ、ぼくはこちらの旧録音派ということになるのかも知れません。

 そして、今回実は『交響的練習曲』より面白く感じたのが、『幻想曲 ハ短調 Op.17』のほう。この曲、これまで聴いた各ピアニストの印象では、シューマンらしくある程度ロマンティック度が濃い目に弾くのが普通だと思うんだけど、ブレンデルはいつものようにというか、情緒にあまり流されずに(なので、やや地味にも聴こえるのだが)非常に理知的な演奏になっているという印象。最初この曲が流れてきた時、一瞬別の曲かと思ってしまった(久しぶりだったせいもあるのかもしれないけど)。

 そういう点では、この曲もかなり個性的な演奏といえるのかもしれません。こないだ聴いた『展覧会の絵』から自分の中でブレンデルについて印象がちょっと変わってきているのですが、地味で突飛なことをしない、イコール中庸で個性がない、みたいな印象は、かなり表層だけを見た評価だったのかもしれません。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

聴いたCD シューマン:交響的練習曲(ブレンデル)

2022年10月08日 | クラシック

 

〔曲目〕
・シューマン:交響的練習曲 作品13
・ベートーヴェン:創作主題による6つの変奏曲 へ長調 作品34
・ベートーヴェン:〈ルール・ブリタニア〉の主題による5つの変奏曲 ニ長調 WoO79
・ベートーヴェン:ネル・コル・ピウ(わが心、もはやうつろになりて)〉の主題による6つの変奏曲 ト長調 WoO70

 これは、ここ何日かよく聴いた盤。

 こないだ聴いた、ブレンデルの『展覧会の絵』がすごく気に入って、その流れでディスコグラフィーを調べていたら、なんとこれまでノーチェックだったシューマンの『交響的練習曲』が入っている盤があると発見。さっそくゲットして聴いてみたというわけ。

 そして、後半はベートーヴェンのややマイナーな変奏曲が3つという内容なのだが(というか、その前に『ルール・ブリタニカ』というイギリスの愛国歌の存在自体、知らなかった)、実はこれ、まさに変奏曲ばかり集めたシリーズ企画で、過去にももう1枚『恋人たち~変奏曲集』という邦題がついた盤があって、そっちのほうはずいぶん前に聴いていた盤だった。

 で、聴いてみたところ、これがけっこうエモーショナル。

 この『交響的練習曲』、実は作曲の経緯がけっこう複雑な曲で、シューマン自身が決定稿を書くまでの過程で、もともと入っていた5つの変奏曲を削除してしまったり、逆に新たに追加したり、という二転三転をしている(そして曲名までも変わっていて、最後のタイトルが『交響的練習曲』)。

 その削除された曲を、シューマンの死後に「遺作」として復活させたのがブラームスで、今ではその5曲を加えて弾くことが多いらしいのだが、しかしそれを曲のどこに挿入するかはピアニストによってバラバラで、しかも必ずしも5曲をまとめて弾くとも限らない、というのがユニークなところ。ということで、この5曲をどうするかで、けっこう曲全体の印象も変わってしまう。

 というわけなのだが、ブレンデルはこの盤の演奏で、「遺作」の3番目の変奏を、いきなり冒頭のテーマ部の直後に持ってきてしまっている。これは、ぼく自身としては初めてのことで、てっきりいつものように第一エチュードか来ると思っていたところが、けっこう抒情的な変奏がいきなり来てしまったので、出だしから何か別の曲になってしまったというか、やや面食らってしまったのだった。

 そしてこの盤、実はライナーノートをブレンデル自身が書いているのだが、そこでシューマンがこの曲のオーケストラ的な構想を「交響的」という幾分不明瞭な言葉で置き換えたのは残念だと書いていたり、決定稿では抒情的なコントラストが欠如していて、長年その「交響的」な版と付き合ううちに、最早5曲の変奏曲を無視することができなくなった、私にとってそれらがあって初めて、この曲はシューマンの重要作となりうる、というようなけっこう批判的にみえることを書いたりもしている。

 シューマンがもともとこの曲のタイトルとして考えていた内の一つである『フロレスタンとオイセビウスによる交響的性格の練習曲』のうち、内向的でメランコリックなオイセビウスの性格が消えてしまった、ということらしいのだが、果たしてどうなんでしょうか。

 この点、まだこの曲を知ってほんの2,3年ながら、ぼくの素人考えを言うと、オイセビウスはシューマンの他の曲でもたくさん大活躍しているので、むしろこの曲くらいはオイセビウスなし(遺作の5曲なし)でもいいんじゃないか、なんて思ったりすることもあるんだけど。それに、最終版にも、多少抒情的な部分はあるように思うし、そこをうまく弾けばかなり緩急がつけられるんじゃないかしら(といって、これまで5曲なしの演奏って聴いたことがあったかどうかも思い出せない)。

 しかし、こうしてライナーノートを演奏者自身が書いて、しかも作曲家をただ崇めているのではなく、ある程度作品を本音で批評してみせるというのは、ちょっと新鮮に感じました。こんな感じで、どこかでベートーヴェンのソナタとかもダメ出ししていたりすると面白いんだけど(疑問を呈することで、それが考えるきっかけになって曲の理解が深まるという面もあると思う。でも、ベートーヴェンは偉すぎて、やるには勇気が要るでしょうか)

 でも、ブレンデルもこの曲に長年付き合ってきたということは、こんなことを書きながらもきっとこの曲が好きだったということですよね、きっと。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

聴いたCD 曽我部恵一 : 瞬間と永遠

2022年10月02日 | 音楽(他ジャンル)

 

 ここ数年、ディスクユニオンなどの特価コーナーで、全く何も知らないロックなどのCDをジャケ買いして喜んでいる私ですが、最近はJポップとかもちょこちょこ拾うようになって(やっぱり、気質的にここでもどうしてもメジャーどころよりマイナー寄りになってしまうんだけど)、通勤時などにけっこう試し聴きしたりするようになってきました。

 ただね、やっぱり特価コーナーのCDって、かなり昔の盤で古いなあと感じたり元々売れてなかった盤だったりするので、気に入ることは少なくて、それを聴いた後にどうするのかが悩みのタネ。

 もう、この狭い部屋に全然新しい置き場所なんて作れないし、1,2回聴いただけで捨てるのはもったいないし、また売りに行ってもどうせ二束三文だったり、下手をすると値段がつかなかったりもするし。

 というわけなので、そういう盤を買う時も、なるべくハズレを引かないように、ものすごく真剣に選んだりしております(笑)。

 ・・・で、今回のこの盤なのですが、しかしこれは、これまで拾った2,30枚の中では、断然1位なのではないかと。

 元「サニーデイサービス」の人なんですか(かろうじて名前だけ知っていたくらいだけど)。しかしこれは素晴らしいですね。先週の朝、何気に通勤時に聴き始めて、あっという間に引き込まれてしまいました。

 ていうか、やっていることはかなりシンプルだと思うんだけど、日頃歌ものなんてほとんど聴かないから、こういう良いものにパッと出会っちゃうと必要以上にインパクトを受けちゃうんですよ。

 そして、何といっても都会的でセンスがあっておしゃれ。きっと、ここ数十年彼とぼくは同じ東京に住んでいたのだと思うんだけど、こんな世界にはずっと縁遠い人生を歩んできたので、途中、あまりの落差にちょっと笑ってしまったくらいでした(笑)。

 あと、この盤を聴いていてちょっと思ったのは、やっぱりこういう自分の気持ちとか、身の回りのこととかを歌う人って、使う音域は狭めなんだなあ、と。大部分、3度とか5度とかの音域を出なくて、肝心のところでもっと高い音とかを使う感じ。

 ともかく、まだ知ったばかりで何も分からないけど、この人はスゴイということは分かったし、この盤は絶対に永久保存、ということだけは決定しました。

White Tipi

Keiichi Sokabe - 浜辺

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする