On a bench ブログ

ようこそ、当ブログへ。ジローと申します。
 毎日毎日、たくさんのCDやLPを聴いて過ごしております。

Scott DuBois Quintet : Monsoon

2020年07月31日 | ジャズ(弦:Guitar,bass 等)

 

 SCOTT DUBOIS(eg,g) DAVID LIEBMAN(ts,ss,indian flute) LOREN STILLMAN(as,ss) JASON RIGBY(ts,ss) THOMAS MORGAN(b) MARK FERBER(ds)

 これは、ここ何日かよく聴いた盤。

 リーダーはアメリカのギタリスト、スコット・デュボアで、実は過去にひとつ別の盤を聴いていてその時はよく分からなかったんだけど、今回はこの盤で「おっ!」と開眼。発売は2004年で、彼の初リーダー作だったとのことです。

 で、この盤。タイトルに「feat. David Liebman」と書いてある通り、DAVID LIEBMAN の参加盤なんだけど(LIEBMAN って、ふだんCD漁りをしているとこういう若手の盤にけっこう顔を出していることが多く見えるのだが、若手を応援してやろうという気持ちが強い人なんだろうか)、気づくと3人もサックス奏者がいて、しかもその3人の使用楽器に揃ってソプラノ・サックスが入っているという、かなり独特な編成。

 ただ、そのうちフルに参加しているのは LOREN STILLMAN だけで、DAVID LIEBMAN と JASON RIGBY は 入れ違いに演奏しているので、実質的には2管+ギターのクインテットということに(それと、普段 FSNTあたりのレーベル聴いていると LOREN STILLMAN や JASON RIGBY は今では見慣れている人だけど、この時点ではこの2人もやっぱり若手だったと思う)。

 で、SCOTT DUBOIS に話を戻すと、演奏面では、初のリーダー作なのにも関わらず、どの曲でもその2管を前面に出しておいて、自分はその背後から定型のパターン弾いたりしながら、むしろ全体の雰囲気を形作ったりすることに心血を注いでいるように見えるところが最初からひねりが効いているというか、ちょっと面白い。

 実際、この盤の一番の特徴もそんな全体の雰囲気ではないかと思われ、曲調自体も現代的で変拍子も多くて不穏な感じなのだが、その不穏さがソプラノ・サックス中心の高めの音質とSCOTT DUBOISのギターのまったりした残響、そしてたまに入るドラムスのポコポコいう(民族風な響きの)タイコも相まって、かなり南国的。それも、ちょっと湿度高くて不快指数も高めな感じがあって、そこに現代的で落ち着かない曲調が相まって、一種独特な世界を作っているというか。

 また、SCOTT DUBOIS のギターもエレキとアコギ弾き分けながら、ベースといっしょにユニゾンで定型リズム演奏するのが好きっぽかったり、当然ながら随所にソロの箇所もあってそこではそれなりに(というのも変か)活躍していて、でもやっぱりちょっと地味だしで、そんな自分のプレゼンスをどのように見せようとしているのかなあ・・・なんて考えながら、ついつい何度も聴いてしまった。

 この人の盤は、DUでちょこちょこ見かけていて、これまではスルーっしていたんだけど)、今後は要チェックだなあ。

Scott DuBois - Lost Silence

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聴いたCD フランク:ピアノ作品集(J・デームス)

2020年07月26日 | クラシック

 

〔曲目〕
 ・1. 前奏曲,コラールとフーガ
 ・2. 前奏曲,フーガと変奏曲
 ・3. 洞窟の歌  4. 変ト長調  5. ホ短調  6. ベアルヌの歌  7. “めでたし海の星”の前奏曲  8. カノン ホ長調  9. 嬰ハ短調  10. 変ト長調  11. ト長調(クリスマスの歌)  12. 変イ長調  13. 子守歌変イ長調  14. パストラール イ長調  15. 悲歌嬰ハ短調  16. ヘ短調  17. 変ニ長調  18. 嬰ヘ短調  19. ニ短調  20. ゆるやかな踊り  21. 人形の嘆き
 ・22. 前奏曲,アリアと終曲
 
 これは、ここ1,2年マイブームのフランクのピアノ曲集ということで、最初何気なく聴いてみただけだったんだけど、しかしその結果、かなりエモくて濃い演奏で、これはもしやスゴい名盤なのではないかと、今感動している盤。
 
 ピアニストは、昔からお馴染みのイェルク・デームス(このCDでは「イョルク」と表記されているけど、「イョ」なんてカタカナ、初めて見た)。 
 
 ただ、このデームス。「ウィーンの三羽ガラス」の一人とかで昔から有名なことは確かだけど、個人的にはこれまで録音を聴いてあまり印象に残ったことがなく(アマゾンetcの評価でも星少な目だし)、どうも今一つ自分なりにイメージが掴めないという人だった。しかし、それも今夜で終わりを迎えたかも。
 
 実はこのCD、デームス自身による解説によると1990年のフランク没後100年にちなんだ企画らしく(ちなみに録音は大半1985年で、最後の『前奏曲,アリアと終曲』だけ1970年)、デームスはそこでこれを機会にフランクがより正当に評価されることをさかんに訴えているが、ネットを見ていると、それも宜なるかな、そもそも彼は「フランク協会」という組織の会長でもあったらしい。
 
 そのせいもあってか、ここでの演奏がアツい! 月並みな表現ながらホントに「魂がこもっている」というか、もう心血を注いでいるのがこちらまで伝わってくるような演奏。フランクのピアノ曲って、好きは好きなのだが、なにせ主要曲が3曲くらいしかないのであまり頻繁に聴くと苦しくなってきたりするんだけど、この演奏は冒頭からもうそこらの他の演奏とは次元が違うというか。
 
 そして演奏曲についても、作曲者自身のピアノ編曲版が残っていない『前奏曲,フーガと変奏曲Op.18』(美メロの極致!)などはデームス自身の編曲とのことだし、ふだんオルガン曲やピアノの大曲に隠れてめったに見かけないハルモニウムの小品集から十数曲をピックアップした演奏が、素朴で敬虔な美しさがあってこれも素晴らしい。
 
 また録音環境も、オルガン音楽の下地の濃いフランクを意識してか残響が大きめのホールで、一層雰囲気を高めている感じ。いやあ、これはなかなかです。
 
 ただ・・・、ここから先はこのCDには直接関係ないんだけど、フランクについてはちょっと前から意識している「壁」みたいなものもあって。
 
 というのは、やはりフランクといえば、ピアノ曲よりも作品もたくさんあってより「表芸」に近いともいえるオルガン曲を聴いてみたいという意欲があるんだけど、それがどうも昔からオルガン曲は胃もたれしてしまうので(こういう人、日本人にはけっこう多い気がする)、これがなかなか手が伸びない。
 
 ピアノ曲に目覚めた当時に、勢いもあってCDもすでに1セットゲットしているし、YouTubeにもいっぱい落ちているのは分かっているんだけど、やっぱり長い曲もけっこう多いし、いざ聴こうとすると躊躇してしまう。
 
 こういうのはタイミングの問題でもあると思うので、「イケる!」と思った時にパッと聴いてしまえばいいのだが、でもそのタイミングが、まだなかなか来てくれないんですよね。
 
JORG DEMUS plays FRANCK PRELUDE - FUGUE AND VARIATION OP. 18_0001.wmv
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聴いたCD アンテナ修理屋(The Antenna Repairman):ガータム(Ghatam)

2020年07月23日 | 現代音楽

 

 M. B. Gordy(per)  Robert Fernandez(per)  Arthur Jarvinen(per) 

 これはある意味、ちょっとした「馴染み」のCD。

 もうけっこう前に買ったCDで(「MA Recordings」は一時期かなり熱心に拾っていた)、正直いって特に好きというわけでもなかったんだけど、でも時々出てきてはつい聴いてしまう(そんなCDってありませんかね)。今回も、きのうCDの山から発掘されて、また聴いてしまいました。

 というわけで、この際ブログに書いておこうかな、と。

 この「アンテナ修理屋(The Antenna Repairman)」というのは、カリフォルニア芸術学院というところで知り合った上記の3人が結成したというパーカッション・グループで、今回はステファン・フリードマンという陶器の彫刻家がデザイン&制作したセラミックの楽器を使って演奏した録音だということ。

 ガータムなんかは、もともとインドの壺を利用した伝統楽器でインド音楽なんかにもよく出てくるけど、それも今回はオリジナルの土ではなくわざわざ陶器で制作したとのことで、それを叩く方法も、伝統的な方法ではまったくないとのこと。

 楽器はほかに、水を張った茶碗や皿を棒で叩くジャルタラングや、ナイジェリアの水を運ぶための壺を楽器にした「ウドゥ楽器」などを使ってますが、いずれも今回は陶器製で、陶器特有の硬質で澄んだ音がして統一感があります(それと、壺のより本来の用途というか、水を注ぐ音を使ったトラックもあって、その音が意外に気持ちよかったりする)。

 で、ぼくとしてはこれまでも、別にこのCDをあれこれ考えながら聴いていたわけでもないんだけど、今回敢えて説明を試みるとすれば、これは原始的な要素と、現代的な要素の二面性を持った音楽なのかなあ、と。

 もともと、ものを手や棒なんかで叩くという打楽器そのものがすごく原始的な楽器だと思うんだけど、今回はそれをちゃんとした楽器でなく、壺や皿でやっているという点が、一層プリミティブといえばプリミティブ。

 しかし、実はその壺や皿がオリジナルの生活品ではなく、すごく澄んだきれいな音がするとはいえ、現代彫刻家による「作品」であり、それを演奏する人間も、また現代音楽の世界の演奏家であって、彼らは一面、素朴な音の世界に遊んでいる面はあるとしても、やはり根本的には現代的な美意識のもとでこれらの演奏を行っている。

 というわけで、音としては素朴だけど、演奏としてはかなり観念性というものはあって、しかし逆に言えば、そんな両面性があるからこそ、聴く側としてもあれこれ脳内に想念を抱きつつも何回も聴いていられるのかなあ、なんてことも思ったり。

 しかしまあ・・・、今回も(この文章書いたりするうちに)何度か聴いてしまって堪能したので、また数年後の再会を期して、一旦リリースさせていただいきたいと思います(たぶん、またジャケット見たら聴いてしまうと思う)。

 ↓ (YouTube探したら、CDの演奏そのものは見つからなかったけど、何やらライヴ・パフォーマンスの様子の動画がありました。ただ、演奏としてはやっぱりCDのほうがまとまっているかなあ)

The Antenna Repairmen - Ghatam

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聴いたCD The Blessed Beat : M I V (・・・から、ブコウスキーの朗読演劇という未知の世界へ)

2020年07月17日 | ジャズ(フリー系)

 

  DAVID KOLLAR (g)  SIMONE CAVIA (ds, electronic texture)  PAOLO RAINERI (tp)

  いきなりですが、今日のはちょっとエグいです。

 まず、発端は上のCD。例によって、DUのフリー・ジャズのコーナーでなんとなくジャケットがそそったので拾ってみただけだったんだけど。

 The Blessed Beat というスロヴァキアのトリオの作品らしく、音楽的にはかなりエレクトリックを使った音響的な感じ。

 例えば1曲目は下のような感じで、これはこれだけでもなかなか良いのですが、

I Feel It in My Blood

 しかし、そのジャケット裏に「The music of this albam is based on Charles Bukowsky's nobel,"The Copulating Mermaid of Venice"」と書いてあって、要するにこれはその「パワフルでショッキングな」小説の仮想のサウンドトラックなのだという文章が目に入り、ついその小説を調べてしまったのがコトの始まり。

 ブコウスキーといえば、90年頃(?)に日本でもかなり流行ったような記憶があって、酒と女とギャンブルの作家で、ぼくも何か1冊読んだような記憶があるけど、かなり昔の話でもうあまり覚えていない。

 で、調べていくうちに、どうやらこの小説は日本語では『人魚との交尾』と訳されていて、ブコウスキーの代表作である『町でいちばんの美女』という短編集の中に収録されている作品だと分かったのだが、でもスジはどんな話なのかどこかに紹介されてないかと検索を続けているうちに、なんとその作品を井上弘久さんという俳優が朗読しているYouTube動画というのが出てきたのだった。

 で、全部で1時間近くあるのかと少し躊躇しつつも、「朗読演劇」なる聞き慣れない言葉にも釣られて見始めたんだけど、これがなかなか強烈。

[朗読演劇]人魚との交尾

 いやあ、たしかに全面的にブコウスキーっぽい話ではあるけど、でもその中でもかなり濃いというかエグイというか、いや本当に「パワフルでショッキング」。

 でも、最後の夜明け前の海に「人魚」を帰してやるシーンとか、なんだかすごく美しいと思ったりして、そしてそれが冒頭のブコウスキーの好きな時間が日没後と夜明け前、それも海辺での時間だったというエピソードともリンクもしてきたりして、いやあ、今日も深夜に「超」がつく濃厚な時間を過ごさせていただきました。

(ただ、全然スジを知らない人間が見るには、音楽を入れるのはいいんだけどちょっとセリフが聞きづらい瞬間とかあったのは音量的にどうかと思った(エラそうなこと言ってスミマセン))。

 で、強烈だった余韻を引きずってその後もあれこれ検索していると、この話はやっぱりかなり人気があるらしく、のちにリュック・ベッソン/監督で映画化されたこともあったみたい(「LUNE FROIDE」(邦題:冷たく冴えた月)。ただし、もう一つの短編とミックスという形らしいけど。

 ネットで動画検索したら、ロシア語吹替えしたフル動画も出てきたので、つまみ食い的にちょこちょこ見てしまいました(自分の中の想像と、映画の中のヴェニス・ビーチは当然ながらちょっと違ったけど)。

 で、さっきから改めて冒頭のCDを聴いているところだけど、気づけば各曲のタイトルも小説の中の文から採られたりしていて、印象もまた変わってきたり。

 いやあ、ホントになんだか、深夜にぐったりしてしまいました。

↓(最後に、このトリオのちょっと長めの演奏の動画を。こちらは、ソロから始まって全体に幽玄な感じの演奏です)。

Hevhetia 2014: The Blessed Beat

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聴いたCD Schubert: The Last Six Years 1823-1828 Vol. 2(Imogen Cooper)

2020年07月10日 | クラシック

 

〔曲目〕
    シューベルト:
  ・ピアノ・ソナタ第20番 イ長調 D.959
  ・11のエコセーズD.781
  ・ピアノ・ソナタ第15番 ハ長調 D.840「レリーク」

 かねてより一度聴いてみたいと思っていたイギリスのピアニスト、イモージェン・クーパーを初めて聴く。

 彼女の盤は、以前から時々中古屋のシューベルトの棚で見かけていたんだけど、やはり人気があるのかイチイチ値段が高くて、むしろぼくなんかはそのせいで名前を覚えてしまっていた。

 で、この人の主要レパートリーであるシューベルトの録音には2種類のシリーズがあって、この盤が含まれる「The Last Six Years」という6枚組と、もうひとつは「Schubert Live」というシリーズ。

 「Schubert Live」のほうが演奏としては新しいんだけど、「The Last Six Years」は(表紙が違ったり古くてボロくなってたりしているが)かつて日本盤も出ていて、今回ゲットしたのもその日本盤。そのほかには、シューマンなどロマン派を中心に、録音はかなり多いみたいです。

 で、今回初めて聴いてみた第一印象としては、この人はどちらかというとその人間的な魅力でもって、聴き手を惹きつけるタイプのピアニストかもしれないなあ、と。

 最近、ピアニストの何が聴き手の心を掴むのかということが少し気になっていて、ぼくなんかはもともとピアニストよりもむしろ曲自体を理解したいという気持ちが強くて、それで同じ曲でも色々な演奏を聴くことでその曲のこれまで気づいていなかった面を発見していきたいと思っているタイプなんだけど、しかし普段いろいろと聴いていると、やっぱりピアニストその人のことが曲よりも大きく頭の中を占めてしまうことも多くて、その点、ことシューベルトに関しては、その濃密な情感の世界とピアニストがどう向き合うかということが演奏に大きく影響してしまうという面が大きく、必然的にピアニストの人となりが一層クローズアップされてくるのではないか、と思ったりしている。

 この点、彼女の演奏はまず音の流れ自体がすごく自然だし、繊細さと優しさが感じられて、この点だけでもすごく魅力的なのだが(最近シューベルトはリヒテルで聴くことが多かったせいで、最初彼女のタッチがあまりに繊細でガラス細工みたいに感じられて、ちょっとドギマギしてしまった)、それよりも彼女のシューベルトと向き合う姿勢そのものが、もともと非常に教養があって知性も明晰な女性が、シューベルトの苦悩や諦念などを本当に真摯に、愛情を注いで汲み取っているのがこちらにも伝わってくるようで、その姿勢へ共感するという形で、こちらもちょっと感じ入ってしまった。

 また、彼女はそうして真摯に向き合う一方で、それに呑み込まれず冷静で理知的な面も無論持ち合わせているわけで、そのあたりのバランス具合もまた独特の個性に繋がっているのかなあ、とも。あまり派手なタイプではないので、世界的人気ピアニストというわけではないと思うけど、これはかなり魅力的なピアニストなのではないかなあ。

 ・・・で、話はちょっと変わるけど、今回実はもうひとつうれしかったのが、ソナタ第15番D.840「レリーク」が、しんみりと耳に入ってくれたこと。

 この曲、2楽章しか残っていないせいかどうかは分からないが、これまでいつ聴いても何か印象が薄くて、耳はいつも旋律を追っているんだけど、なかなか自分の中の深いところで聴くということができていなかった。それが今回は、初めて「本当に」耳に入ってきてくれたかも。

 別に、イモージェン・クーパーの演奏が素晴らしかったからなのかはよく分からないが、すごい有名曲だっただけに、ちょっと忘れていた宿題をやっと一つ終えた感じも。やっぱり、こういうことも同じ曲を別の演奏でいろいろ聴いてみる効果だと、思いたい。

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聴いたCD Doug Watkins Quintet : Soulnik

2020年07月06日 | ジャズ(弦:Guitar,bass 等)

 

  Doug Watkins (cello)  Yusef Lateef (flute, oboe, ts)  Hugh Lawson (p)  Lex Humphries (ds)   Herman Wright(b)

 これは、ここ数日よく聴いたアルバム。というか、昔買っていたCDの聴き直し。

 多分これ、ジャズを聴き始めの頃に、当時ベースやチェロといった低音楽器がけっこう好きだったのと、やはりその頃ちょこちょこ聴いていたユセフ・ラティーフの名前につられて買っていたんじゃないかと思うけど、詳しくはよく覚えていません。

 でも、とにかく当時は全然耳に入ってこなくて、その後ずっと陽の目を見ないままCDの山に埋没、という結果に。それが、たぶん10年以上ぶりに出てきて聴いてみたら、あら不思議、今回は素晴らしく良い。う~ん、当時自分は何を聴いていたのか(と、こういう時に毎回思うけど)やっぱり、当時はこういう真っ当なジャズを聴く態勢が、まだ整っていなかったということなのかなあ。

 で、これ。

 リーダーはベースのダグ・ワトキンスで、当時「サキ・コロ」のベースを務めたりして急速に頭角を現しつつあった若手だったということだけど、その後27歳で交通事故で夭逝してしまい、第一線で活躍した時期はほんの数年だったとのことです。

 その彼が、ここではベースをチェロに持ち替えて、ユセフ・ラティーフとフロントを組んでクインテットを率いているんだけど、このチェロの朴訥とした音色と、ユセフ・ラティーフのフルートの、サックスなどにくらべて重みがなく軽い音色が相まって、すごく温かでさわやかな雰囲気。

 楽曲もすべてミディアム・テンポというか、速すぎず遅すぎずで、ユセフ・ラティーフはたまにオーボエなんて吹いているけど、適度なアクセントという程度で演奏については至極まっとうだし、そして当然ながらワトキンスのほかにもうひとりいるベースの音とチェロの音を、2つ頭の中で意識しながら聴いてみるのも面白い。

 それと、ついでにいうと録音も60年頃の、まさにここでのチェロの音色に通じる程良いレトロさ加減というか。

 全体的に、余計な意図とか変な欲とかを全く感じさせない、すごく気持ちよく聴ける盤という感じです。

One Guy - Doug Watkins

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深夜にYouTubeをあてどなく放浪: 「♪(ナントカ)アメ~リカ~・・・」という曲のタイトルが分からなかった件

2020年07月02日 | 音楽(他ジャンル)

 どうも、ジローです。

 こういう投稿をするのは久しぶりですが、今回は、タイトルがどうしても分からなかった曲を探して、YouTubeを昨晩あてどなく徘徊してしまった話を。

 でも、それが全然珍しい曲とかでもなく、たぶん「超」がつくメジャー曲で、知らない方が珍しいくらいのレベルなのがちょっと恥ずかしかった。昔から何度となくテレビで流れて聴いていた曲で、覚えていたのは下のサビの部分のメロディーと、後半の「(××××)アメリカ~」というところだけだったのですが、それがなぜか数日前から頭の中でしきりに甦ってきて、気になって仕方なくなってしまいました。

 で、自分で探そうとしても、困ったのが「アメリカ」の前の(××××)の部分の歌詞が分からない点。もう一度聴いて確認したくても、曲名が分からないので当然ながらそれも無理。曲調としては普通のロックという感じで、きっとどこかのメジャーなバンドがやっているんだと思っていたけど、ほかに全く手がかりもない。

 ・・・というわけで、仕方なく「america」とかの検索ワードでYouTube内を検索し始めたわけですが、しかしそこから、まったく先の見えない放浪の旅の第一歩が始まってしまったのでした(笑)。

 ていうか、もう最初から下のような妙に人を惹きつける動画が出てきてしまい、いきなり探索が脱線し始めてしまった。

 Childish Gambino - This Is America (Official Video)

 う~ん、もう冒頭からいきなり人を撃ったりして衝撃だけど、1,2年前に世界的にヒットした曲のようで、インパクトもハンパない。ぼくも、なんだか目が離せなくなってしまいました。で、その周辺の動画を動画をちょこちょこ見ている間に、今度はこんな動画に行き着いてしまって、

Sherrie Silver - Marimba Rija Remix Dance Choreography, ft Ghetto Kids

 この女の子、Sherrie Silver という名前らしいけど、アフリカを初めとして、世界各地で踊っている動画が、すごくたくさん出てくるのです。

Sherrie Silver - Bela Remix Dance Choreography with Class

Sherrie Silver and Mathew IDU - Desarruma Dance Choreography

 で、ダンス以上に目を惹いたのが、彼女たちが踊るアフリカの街の路上の生々しさ。いやあ、この生活感溢れるヴァイタリティーというか、いま、かの地ではこういう雰囲気の生活が営まれているのかと、むしろダンスよりもそっちのほうに目が吸い寄せられてしまいました。

 というか、実は今日いちばん紹介したかったのは、むしろこの一連の動画だといったほうがいいかなあ。

 調べてみると、この Sherrie Silver さんは、ルワンダ生まれでイギリス育ちのダンサー兼振付師ということで、Childish Gambino の 「This Is America」も、彼女が振り付けをした経緯があって関連動画に出てきたということみたい。たしかに、気づくと彼女の動画の大部分は彼女がレッスンした(?)一般ダンサーといっしょに踊るというパターンのようです。

 いやあ、しかし彼女ってすごくしなやかで躍動的だし何より楽しそうだし、そしてすごくアフリカ的で独特だし、いろいろ動画を見ているうちに、気づいたらあっという間に1,2時間が経過。

 そして、ほかにもこうして路上でアフリカ的要素を前面に出したパフォーマンスをする黒人ダンサーが何人もいるようで、追っていくといくらでも出てきそう(気づくと、途中でジェームズ・ブラウンの「セックス・マシーン」が聴こえてきますが)。

Ezinne Asinugo - Awilo Longomba - BUNDELELE (USA DANCE CLASS TICKETS OUT NOW)

 で、そうこうしているうちにもますます時間はたっていくんだけど、しかし一向に探している曲のタイトルにはたどりつけず、しかも一旦ブラック・ミュージックの動画を見始めたせいで、次から次へとまた関連動画が出てくる。

 そんなものをちょこちょこ見ているうちに、こんなものまで出てきてしまって、

Do the Right Thing (1989) opening credits

 いやあ、「ドゥ・ザ・ライト・シング」。もう懐かしすぎるじゃないですか。しかもこの冒頭が、黒人女性による路上ダンスでもあったりして。

 そんでもって、「Fight the Power」のフル・ヴァージョンみたいな動画も出てきちゃって、当然ながら昔ビデオ屋でVHS借りて映画見ていた頃は、こんな動画があるなんて知りもしなかった。

Public Enemy - Fight The Power [Full Video Version]

 そして、見ている間に映画の記憶もどんどん甦ってきてしまった(この映画、エンタメ性もすごく高いんだけど、なにせテーマが黒人問題なので、単純に「面白い」とは言いにくい映画ではあった)。

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 そんでもって、またしばらくして気づくとこんなものまで見始めていて(だって、10年以上ぶりにふいに見かけちゃったら、つい見てしまうじゃないですか)、もう収集がつかなくなってしまいました。

MC Hammer - U Can't Touch This (Official Music Video)

 ・・・で、昨夜はもういいかげん超深夜になってしまったので、探索はまったく手がかりがつかないまま、タイムアップかつギブ・アップ。

 でも諦めきれないし、どうしようと思って今日も出勤して、ふと気づいたのが「これってすごいメジャー曲だから、誰か知っているかも」という当たり前すぎる発想。

 で、聞いてみたら、すぐに答えが帰ってきてしまいました(笑)。

 えっ、でも、まさかのジェームズ・ブラウンだったのですか(昨夜も、ちょっと「セックス・マシーン」出てきてたけど)。でも、このサビのコーラスのところって、全然それっぽくないじゃないですか(完全に白人系のロックバンドの曲だと思っていた)。う~ん、これじゃあ、自分一人ではいつまでたってもなかなかたどり着けなかったかなあ。

James Brown - Living in America (Official Video)

 で、さっきから何度も見ていたんだけど、気づけば自然と動画は「Sex Machine」へ(だって、やっぱりジェームズ・ブラウンだし)。

 ずっと昔、あの「ゲロッパ!」が、ぼくも何と言っているのか全然分からなくて、それがただの「Get Up」と分かってずっこけたという思い出があります(となりの合の手入れる人が「Get On Up」と言っているのも分かっていなかった)。

james brown sexy machine

 (あと、さっき気づいたんだけど、右端のトランペットとかの4人組が、ほとんど演奏機会がなくてヒマなので踊っているちょっとクネクネした踊りが、妙にツボ。「やっぱ、オレたちもただリスム取っているだけじゃなくて、何かやったほうが良くねえ? こんな感じで、それとトランペットもこんな風にくるくる回してみようか」とか相談するんだろうか)。

 ・・・なんてことをいろいろ書いている間に、例によって今日も超深夜になってしまいました(眠いです)。

 というわけで、今日はこのへんで。

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