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親しみやすい鳥大病院に

2019年10月05日 21時01分35秒 | 地域
親しみやすい鳥大病院に
2019年10月4日 (金)配信読売新聞

壁にアート 患者癒やす/医師や看護師接遇改善
人口減対策 サービスで差別化
 鳥取大付属病院(米子市、697床)が、殺風景な院内をアートで彩り、医療スタッフの接遇を改善して、“親しみやすい病院”に生まれ変わろうとしている。苦痛や不安の多い闘病生活に潤いを与えるのが目的だが、人口減少社会に向けて生き残りを図る狙いもあるという。小説やテレビドラマでイメージされる「白い巨塔」の殻を破れるか注目される。(浦西啓介)
 3階の小児科病棟。通路の白い壁に虹がかかり、帽子をかぶった子どもやキリンなどが雲に乗って空中散歩を楽しんでいる――。奈良県在住の画家・武内祐人さん(50)が8月下旬、3人のスタッフと3日がかりで描いた。
 こうした取り組みは「ホスピタルアート」と呼ばれる。患者らに穏やかな気持ちで過ごしてもらうために導入された。4歳の長男が小児がんで入院中という女性(35)は「病棟の雰囲気が明るくなった。息子もずっと眺め、笑顔が増えた気がする」と喜ぶ。
 同病院では、昨年12月~今年1月、外来棟2階の渡り廊下に「四季」をテーマにした絵を描いたのが最初だった。3月には1階の廊下にギャラリーを開設。写真展を催し、撮影したカメラマンのトークショーを行うなど、ホスピタルアートの幅を広げている。
 その背景には深刻な少子高齢化もある。国立社会保障・人口問題研究所(東京都)の将来推計人口によると、米子市など県西部9市町村は2015年の23万人から35年には21万人、45年には19万人に激減。15年に30・36%だった高齢化率は35年に34・16%、45年に37・12%へと上昇していく。

 同病院は全国に86ある特定機能病院の一つで、外来には1日平均約1500人が訪れる。だが、原田省院長は「高度な医療技術を提供するだけでは、人口減に伴う患者の減少に対応できない。サービス面で差別化しないと」と言い切る。
 そこで、患者らへの接し方も改善しようと、ビジネススクールの講師や元民放キー局のアナウンサーによる研修会を開催。医師や看護師らが「病状を説明する時は目を泳がせない」「力を抜いて、声のトーンを高めに」などと、表情や話し方のコツを学んだ。
 「ほんの少しのしぐさが、患者や家族に不安を与えることが、よくわかった。これまで相手にどう見られているか考えることがなかったので、参考になったと思う」。企画した担当者は効果を期待する。
 原田院長は「大学病院だからといって、安閑としてはいられない時代が来る。患者に選んでもらえる病院へと変わらなければならない。ホスピタルアートと接遇改善は、その第一歩だ」と話す。
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