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毛髪再生医療を5年内に実用化、人工毛包を移植

2018年11月12日 10時21分14秒 | 医療情報
毛髪再生医療を5年内に実用化、人工毛包を移植
神奈川県と横浜国大、シンプルで大量培養に向く手法
化学工業日報2018年11月8日 (木)配信 皮膚疾患その他

 神奈川県や横浜国立大学などは、文部科学省の支援を得て毛髪再生医療を5年以内に実用化する。横浜国大の福田淳二教授の知見に基づき、毛髪を生み出す「毛包」を人工的に作って頭部に移植する。毛包に着目した再生医療に取り組む例は他にもあるが、福田教授の手法はシンプルで大量培養に向く。2年以内にベンチャーを立ち上げ、5年以内に自由診療として普及を目指す。
 脱毛症の典型である男性型脱毛症(AGA)は、男性ホルモンで毛包が小さくなって発症する。ホルモンの影響が少ない後頭部の毛髪を毛包ごと移植する治療法が存在するが、効果の実感には数千本の移植が必要。
 そこで再生医療技術によって、毛包を増やしてから移植する治療法が期待されている。福田教授の手法はその一つ。理化学研究所の辻孝器官誘導研究チームリーダーの成果に基づき、上皮系幹細胞と間葉系幹細胞の相互作用という毛包の発生過程をなぞることを試みた。
 研究ではまず成体マウスの毛包から、これら2種類の幹細胞を取り出した。次に数千個の小さな穴(ウェル)が空いた培養容器に各細胞の混濁液を入れて培養すると、3日間で凝集して毛包が完成する。この毛包をマウスに移植したところ、体毛が生えてきた。
 2種の幹細胞から毛包を作る手法は理研や京セラ、オーガンテクノロジーズ(東京都)も共同で行っている。理研などの目的は、混濁液を区画化したりする手作業の自動化。これに対し福田教授の手法では、細胞同士が自発的に凝集するため自動化の必要がない。
 カギとなるのは、培養に必要な酸素を通しやすいシリコーン製の培養容器や、細胞が接着しないようウェル底部に塗布するコーティング剤。付着防止には日産化学の「prevelex」を使った。現在、マウス由来の人工毛包をマウスに移植することまでは成功している。今後はヒト由来の毛包で効果を確認する。
 福田教授の研究は、神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)が進めるプロジェクトの一環。これが文科省の実用化支援策「地域イノベーション・エコシステム形成プログラム」に採択された。KISTECとしては、支援期間の5年内に自由診療で事業化したい考え。その前提として、2年以内にKISTEC発ベンチャーを設立する計画がある。

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