画家は絵で文章を書き、詩人歌人俳人は文章で絵を描く。どちらも心中に訴えたいことが生まれてそれが膨らんで、彼等からの脱出をこころみる。これが神がかったように見えてしまう。周囲にいる人には。この点では共通している。
絵心に欠けるさぶろうは、眼前の自然の風景の中に佇むことで満足を謀る。こうして風景が吐き出すエネルギーを我がうちに取り入れる。すでにそこに創造されたものなので、手心を加える作業は不要となる。芸術家は他者思いなので、この上にまた丁寧に文章を書き絵を描いて、つぶさに提示してくれる。有り難い話だ。