スペインの画家ダリの展覧会を見た。京都市立美術館で。人で溢れていた。みな興奮ぎみだった。見ればこうなるのだ。仕方があるまい。空気が電荷を帯びてちかちかしてた。キャンバスの中のおとことおんなが彼の絵筆の圧力に恥じらいを失っていた。とろとろ蝋燭の蝋になって溶けだしていた。これがいつわらざるところなんだと思った。神ではない、人間の欲望の丸いふくらみ、やわらかなふくらみが絵画に結晶していた。これでいいのだ。制御を解けばこうなるのだ。広い館内である。ほかにも日本の伝統美展をはじめ4種類の絵画の展覧会があっていた。みんな見て回った。堪能した。朝早く入館したのに゛出たのはもう2時だった。