田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

シンデレラ(Cinderella)

2015年05月05日 18時51分11秒 | 日記

 ディズニーのクラシック・アニメーションの名作としても知られる「シンデレラ」を、ディズニーが新たに実写映画化。母を病気で、父を事故で失ったエラは、父の後妻である継母とその連れ子のドリゼラとアナスタシアに「灰まみれのエラ」を意味する「シンデレラ」と呼ばれ、召使いのように扱われていた。ある日、耐えきれずに家を飛び出したエラは、森の中で城で働いているという青年キットと出会い、心を通わせる。王子である身分を隠していたキットは、城に帰ると父である国王から政略結婚を勧められるが、森で出会ったエラが忘れられず、彼女を探し出すため国中の未婚女性を招いた舞踏会を計画する。イギリス出身の新星リリー・ジェームズがシンデレラに扮し、意地悪な継母をオスカー女優のケイト・ブランシェットが演じた。俳優としても活躍し、監督としては「ハムレット」「恋の骨折り損」「魔笛」などを手がけてきたケネス・ブラナーがメガホンをとった。(映画.comより)

 

 

 

 今時、ましてやこの年齢でシンデレラなんて見るものでもないのですが(笑)、監督がケネス・ブラナーということで興味が湧きました。若い頃から彼の作品は結構見て来て、敷居の高いシェークスピアを大衆に広めた立役者は彼だと信じている世代にとって、彼が撮った実写版シンデレラはどんなだろうと、純粋に期待したわけです。

お話はよく知られた通りでわかりやすく、「現代的で自分の意志を持つシンデレラ」と言っても、そこは時代背景もあり、女性が経済的に自立できるわけではなく、継母だってシンデレラだって、やっぱり男に見染めてもらって生きてゆくことに変わりはありません。

両親に深く愛されて育ったエラは、どんな状況に陥ってもグレることなく生きています。ケイト・ブランシェット演じる快活だった継母は、愛する夫を病気で失い生活の基盤を失っています。その上、自分の娘たちは美しいけれどあまり賢くないことも理解しています。それゆえ、エラの父親と再婚し、娘たちをそれなりの安定したところに嫁がせることに躍起になっています。

思いのほか再婚相手にも早世された継母は、いよいよ思いつめ、取り乱しているように見えます。美しく聡明なんだから、もう少し娘たちを気の優しい女性に育てればよかったのかもしれません。がしかし、経済的に安定した相手を見つけるのに、そんな生易しいことは言ってられなかったのかもしれません。

とにかく、エラことシンデレラは、継母たちのあまりな仕打ちに、ある日馬に乗って森に駆け出して行きます。そこへ身分を隠した王子様がやって来るのです。こういうとき、若く美しい娘は自分から売り込んではいけません。「名乗りたくないわ」などと気を持たせるのがコツだと言えます(笑)。

美しい彼女が忘れられない王子様は村中の女性を招いて舞踏会を開催します。筋書き通り、ドレスもないシンデレラには魔法使いの「フェアリーゴッドマザー」が現れ、美しいドレスや馬車を用意してくれます。しかし、こういうことに手間取っていたシンデレラは、期せずして一般の女性ならなしえない奥の手を用いることになってしまうのです。

それは、すべての女性が紹介され終え、ダンスがまさに始まろうと言うその時に、たった一人で階段の上から現れる、という一番目立つ登場の仕方です。これは目立ちましたね。王子様はたちまちとりこになってしまいます。見ようによっては「美しいドレスを着ている(つまり身分が高い)のに、付き人もなく、遅刻して来るなんて」と無礼とも取れるわけですけどね。

そして真夜中にはガラスの靴を片方残して退場。この靴にピッタリな女性探しが始まります。村中の若い女性を試しましたが、シンデレラは見つかりません。継母は疑いもなく彼女を屋根裏に閉じ込めてあるので、故意に隠したわけではありません。しかし、ここで黙っていないのが現代のシンデレラ。屋根裏の窓を開けて、外に聞こえるように美しい声で歌います。

その歌声に耳を止めた王子様。「もう一人、娘がいるはず」と戻って来ます。「召使ですが」と継母。しかしもともと村の娘全員を試すつもりだった王子様は引き下がりません。そして、物語は皆が良く知っている通り、めでたしめでたし、となるのです。

王子の優しく、理解ある父王にデレク・ジャコビ!すごい配役。さすがにケネス・ブラナーです。

シンデレラは、元々田舎とはいえ、貧しくはないおうちの生まれ。それ故、ダンスも完璧だったし、美貌も持ち合わせていました。馬にも乗れたし、歌だって上手に歌えた。やっぱり、素養って大事なんだな、と思えた作品でした。もちろん、大前提である優しさと勇気も必須ですが。

 

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