アカデミー賞、ゴールデングローブ賞の最優秀外国語映画をW受賞したデンマーク映画です。
こういう映画は東京の単館での公開が多く、横浜に来たとしても数ヶ月遅れですぐに終ってしまいます。
震災時、ひとり有楽町で心細い思いをして以来、ひとりで東京まで行くのがためらわれ、
半年が経ってしまいました。
震災以来、初めてひとりで有楽町に行ってきました。
「動揺しながらあの道を歩いたなぁ~」「あそこで新幹線が停止していたっけ」
「あの避雷針が激しく揺れてたなぁ」などと、あの日を思い出しつつちょっと心乱れました。
********************
未 来 を 生 き る 君 た ち へ
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< ストーリー >
スエーデン人の医師のアントンは家族をデンマークに残し、アフリカで医療活動を行っている。
彼の息子エリアスは学校で執拗ないじめを受けている。そこに母を癌で失ったクリスチャンが
英国から転校してくる。ある日、エリアスをいじめていた少年をクリスチャンは殴り倒す。
一時帰国したアントンと、エリアス、クリスチャンで出かけた折、いわれの無い暴力を受けるアントン。
暴力の無意味を説くアントンだが、クリスチャンは怒りを押さえきれず、エリアスを巻き込んで
ある計画を立てる。
監督は「しあわせな孤独」「アフター・ウェディング」や、ハリウッドで「マイ・ブラザー」として
リメイクされた「ある愛の風景」のスサンネ・ビア。
この監督さんは、日常に潜む思いもしない出来事に巻き込まれた人たちの葛藤を描き、
どれも見応えのある作品ばかりです
日常に潜む誰にでも起こりうる出来事という点で、もしこんなことが自分の身に降りかかったら?
っと考えると、背中を冷たいものが流れます。
子供の世界ではイジメ。
大人の世界でも様々な要因で起こる差別や諍い。果ては暴動に戦争。
暴力による報復は憎しみの連鎖を生むという事はわかっているけれど、
なかなかガンジーやキング牧師のように非暴力を貫くということは困難です。
大人がそうなのだから、「暴力は何の解決にもならない」といっても、
それを子供に教えるということは非常に難しい。特に男の子には・・・。
「弱いからイジメられる」というのは「やり返せ」という暴力を肯定することになってしまう。
母の死は父に責任があると心に怒りを抱えるクリスチャン。
アントンの浮気を赦せずエリアスら二人の子供を連れて別居をえらんだ妻。
アントンを巡るデンマークでの暴力と、力が絶対のアフリカ難民キャンプでのやりきれない暴力。
暴力に訴えることの愚かさを、身をもって子供たちに示したアントンだったが、
怒りを抱えたクリスチャンには届かず、
アントン自身、アフリカでの暴力に怒りを抑えることができなかった。
間に入って揺れ動く心優しいエリアスと、クリスチャンの暴走の行方は?
後半、怒りが暴走する展開に息が詰まり、結末にホッとすると共に色んな事を考えさせられました。
登場人物は、皆な孤独、怒りや憎しみの感情を抱え、互いを思いやる余裕がない。
大人も子供も、こういった感情を
どうやって昇華し、許しへと心を切り替えることができるのか?課題は大きいです。
原題の「HÆVNEN」の意味はわかりませんが、
英題の「IN A BETTER WORLD より良い世界で」や邦題の「未来を生きる君たちへ」に
込められた思いが、少しでも叶えられるように祈らずにはいられません。
(原題の「HÆVNEN」の意味は「復讐」だそうです)
映画の中で、大人も子供もスウェーデン人に対するデンマーク人の差別発言がありました。
どちらも私にとっては遠い国なので両国の関係がどうなのか?よくわかりませんが、
知人に聞いたところ「どこでも、近隣国家というのは仲が悪いもんですよ」という言葉に
妙に納得してしまいました。
怒りを増幅していくクリスチャンと、揺れ動き悩むエリアスを演じる子役二人が上手いです。
こういう映画は東京の単館での公開が多く、横浜に来たとしても数ヶ月遅れですぐに終ってしまいます。
震災時、ひとり有楽町で心細い思いをして以来、ひとりで東京まで行くのがためらわれ、
半年が経ってしまいました。
震災以来、初めてひとりで有楽町に行ってきました。
「動揺しながらあの道を歩いたなぁ~」「あそこで新幹線が停止していたっけ」
「あの避雷針が激しく揺れてたなぁ」などと、あの日を思い出しつつちょっと心乱れました。
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未 来 を 生 き る 君 た ち へ
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< ストーリー >
スエーデン人の医師のアントンは家族をデンマークに残し、アフリカで医療活動を行っている。
彼の息子エリアスは学校で執拗ないじめを受けている。そこに母を癌で失ったクリスチャンが
英国から転校してくる。ある日、エリアスをいじめていた少年をクリスチャンは殴り倒す。
一時帰国したアントンと、エリアス、クリスチャンで出かけた折、いわれの無い暴力を受けるアントン。
暴力の無意味を説くアントンだが、クリスチャンは怒りを押さえきれず、エリアスを巻き込んで
ある計画を立てる。
監督は「しあわせな孤独」「アフター・ウェディング」や、ハリウッドで「マイ・ブラザー」として
リメイクされた「ある愛の風景」のスサンネ・ビア。
この監督さんは、日常に潜む思いもしない出来事に巻き込まれた人たちの葛藤を描き、
どれも見応えのある作品ばかりです
日常に潜む誰にでも起こりうる出来事という点で、もしこんなことが自分の身に降りかかったら?
っと考えると、背中を冷たいものが流れます。
子供の世界ではイジメ。
大人の世界でも様々な要因で起こる差別や諍い。果ては暴動に戦争。
暴力による報復は憎しみの連鎖を生むという事はわかっているけれど、
なかなかガンジーやキング牧師のように非暴力を貫くということは困難です。
大人がそうなのだから、「暴力は何の解決にもならない」といっても、
それを子供に教えるということは非常に難しい。特に男の子には・・・。
「弱いからイジメられる」というのは「やり返せ」という暴力を肯定することになってしまう。
母の死は父に責任があると心に怒りを抱えるクリスチャン。
アントンの浮気を赦せずエリアスら二人の子供を連れて別居をえらんだ妻。
アントンを巡るデンマークでの暴力と、力が絶対のアフリカ難民キャンプでのやりきれない暴力。
暴力に訴えることの愚かさを、身をもって子供たちに示したアントンだったが、
怒りを抱えたクリスチャンには届かず、
アントン自身、アフリカでの暴力に怒りを抑えることができなかった。
間に入って揺れ動く心優しいエリアスと、クリスチャンの暴走の行方は?
後半、怒りが暴走する展開に息が詰まり、結末にホッとすると共に色んな事を考えさせられました。
登場人物は、皆な孤独、怒りや憎しみの感情を抱え、互いを思いやる余裕がない。
大人も子供も、こういった感情を
どうやって昇華し、許しへと心を切り替えることができるのか?課題は大きいです。
原題の「HÆVNEN」の意味はわかりませんが、
英題の「IN A BETTER WORLD より良い世界で」や邦題の「未来を生きる君たちへ」に
込められた思いが、少しでも叶えられるように祈らずにはいられません。
(原題の「HÆVNEN」の意味は「復讐」だそうです)
映画の中で、大人も子供もスウェーデン人に対するデンマーク人の差別発言がありました。
どちらも私にとっては遠い国なので両国の関係がどうなのか?よくわかりませんが、
知人に聞いたところ「どこでも、近隣国家というのは仲が悪いもんですよ」という言葉に
妙に納得してしまいました。
怒りを増幅していくクリスチャンと、揺れ動き悩むエリアスを演じる子役二人が上手いです。