関東地区では水曜日にレディースデイを設けている映画館が多いです。
先週までの半年間、水曜日が自由にならず、なかなか映画館に足を運べなかったのですが
やっとフリーになったので久々に有楽町まで行って、話題の映画を2本見てきました。
2作品とも、横浜では公開していないのです
「アルバート氏の人生」@日比谷シャンテと「塀の中のジュリアス・シーザー」@銀座テアトルです。
どちらもぎっしり満席でした。
シャンテもTOHOシネマズグループになり、ネットでチケットが取れるのでギリギリに
滑り込んでも大丈夫。遠路はるばる(ったって1時間15分ほどですが)行くときには助かります。
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ア ル バ ー ト 氏 の 人 生
ALBERT NOBBS
***********************
< ストーリー >
19世紀、アイルランドのダブリン。アルバート・ノッブスは、ホテルのレストランで
住み込みのウェイターとして真面目に働き、常連客や従業員からの信頼も厚かった。
身寄りなく、一人で生きていくために、若い頃から女であることを隠し男として働いてきた。
秘密を抱え、人との関わりを極力持たず、将来自立して店を持とうと、こつこつと貯金に
励んできた。ある日、ホテルに来たペンキ職人ヒューバート・ペイジと知り合い、
ヒューバートも女であることを隠し男として結婚までしていることを知り、自分も
ホテルで働くメイドのヘレンとの生活を夢見るようになる。しかし、ヘレンはボイラー職人として
働くジョーと恋仲になり、ジョーはアメリカに行く資金をアルバートからまきあげようと
ヘレンに持ちかける。そんな折、ダブリンでチフスが大流行する。
何とも切ない話です。
オースティンの小説「高慢と偏見」など知りましたが、昔の英国では上流階級でも
遺産相続できるのは男子のみ。女の子しかいない家では親族の男性が家を継ぎ、
家から追い出されてかねないと結婚相手探しに奔走する姿が描かれていて驚きました。
如何に女性の立場が弱く、頼りないものであったか。
ましてや、身寄りのない貧しい天涯孤独の若い女性が、一人で生きていくとなると、
その苛酷さは推して知るべし。
アルバートは女であることを捨て、男として厳しく孤独に生きてきた女性です。
秘密を知られることを恐れ、誰にも心を開かず、頼れるのはお金のみと、
倹しく実直に生きてきた女性です。
ヒューバートに出会うことがなければ、そのまま真面目に働き、お金を貯めて店を持ち、
一生モノトーンの人生をひっそりと送ったのではないでしょうか?
それはそれで凄いなぁ~とは思うけれど、小説や映画としてはつまらない。
この映画の面白みは、そんなアルバートがある出会いをきっかけに、
人として、女として、押し殺し続けた末に自分でも忘れてしまっていた感情に目覚め
一歩踏み出していくところです。
共に人生を歩むパートナーを求め、心乱し、狼狽え、不器用に関わろうとするところです。
映画を見ながら「なんて不器用なんだ~。あぁ、騙されちゃうよ~」とはらはら。
それまで全く感情を表さないお面のような顔だったのに、ヒューバートの結婚生活を知り、興味津々。
久しぶりにドレスを着た時の戸惑った顔や仕草。
ドレスのまま海岸を走り出す彼女は、抑えてきた感情を解放しやっと笑顔になるのです。
悲しい結果になったけれど、どちらが幸せだったんだろう?
孤独なモノトーンの人生か? はたまたヘレンとの結婚を夢見た人生か?
レズビアンというより、男性にひどい目にあわされたという過去もあるし、男として生きていく以上
パートナーは女性ということのように思えました。
とても切ないけれど、やっぱり生きる希望を思い描いた人生がよかったのかな?
アルバートを演じるのは「危険な情事」や「ダメージ」でめっちゃ怖~い女のイメージが強い
グレン・クロースです。彼女が30年越しの情熱を傾け、主演・脚本・製作を務めた
渾身の一作だそうです。
昨年のアカデミー主演女優賞にノミネートされるも、残念ながら「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」のメリル・ストリープに敗れましたが、甲乙つけがたい内に秘めた迫真の演技です。
ヘレン役は「ジェーン・エア」や「永遠の僕たち」のミア・ワシコウスカ。
可憐でかわいい。
クロース同様、女でありながら男を装う役どころのジャネット・マクティアも、
背が高いし、タバコを吸う仕草、話し方など男性のようでした。でも…グラマーでビックリ。
ヘレンをたぶらかすジョーを演じるのは「キック・アス」のアーロン・ジョンソン。
いやぁ~、この人ホントにハンサムだわぁ。整ったお顔立ち。
今年公開の「アンナ・カレーニナ」では貴族の将校ヴロンスキー伯爵役って、
将校姿はめっちゃカッコイイんでしょうね。楽しみ~。
***** 見た 映画 *****
1月30日 「アルバート氏の人生」 @TOHOシネマズシャンテ
「塀の中のジュリアス・シーザー」 @銀座テアトル
先週までの半年間、水曜日が自由にならず、なかなか映画館に足を運べなかったのですが
やっとフリーになったので久々に有楽町まで行って、話題の映画を2本見てきました。
2作品とも、横浜では公開していないのです
「アルバート氏の人生」@日比谷シャンテと「塀の中のジュリアス・シーザー」@銀座テアトルです。
どちらもぎっしり満席でした。
シャンテもTOHOシネマズグループになり、ネットでチケットが取れるのでギリギリに
滑り込んでも大丈夫。遠路はるばる(ったって1時間15分ほどですが)行くときには助かります。
**********************
ア ル バ ー ト 氏 の 人 生
ALBERT NOBBS
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< ストーリー >
19世紀、アイルランドのダブリン。アルバート・ノッブスは、ホテルのレストランで
住み込みのウェイターとして真面目に働き、常連客や従業員からの信頼も厚かった。
身寄りなく、一人で生きていくために、若い頃から女であることを隠し男として働いてきた。
秘密を抱え、人との関わりを極力持たず、将来自立して店を持とうと、こつこつと貯金に
励んできた。ある日、ホテルに来たペンキ職人ヒューバート・ペイジと知り合い、
ヒューバートも女であることを隠し男として結婚までしていることを知り、自分も
ホテルで働くメイドのヘレンとの生活を夢見るようになる。しかし、ヘレンはボイラー職人として
働くジョーと恋仲になり、ジョーはアメリカに行く資金をアルバートからまきあげようと
ヘレンに持ちかける。そんな折、ダブリンでチフスが大流行する。
何とも切ない話です。
オースティンの小説「高慢と偏見」など知りましたが、昔の英国では上流階級でも
遺産相続できるのは男子のみ。女の子しかいない家では親族の男性が家を継ぎ、
家から追い出されてかねないと結婚相手探しに奔走する姿が描かれていて驚きました。
如何に女性の立場が弱く、頼りないものであったか。
ましてや、身寄りのない貧しい天涯孤独の若い女性が、一人で生きていくとなると、
その苛酷さは推して知るべし。
アルバートは女であることを捨て、男として厳しく孤独に生きてきた女性です。
秘密を知られることを恐れ、誰にも心を開かず、頼れるのはお金のみと、
倹しく実直に生きてきた女性です。
ヒューバートに出会うことがなければ、そのまま真面目に働き、お金を貯めて店を持ち、
一生モノトーンの人生をひっそりと送ったのではないでしょうか?
それはそれで凄いなぁ~とは思うけれど、小説や映画としてはつまらない。
この映画の面白みは、そんなアルバートがある出会いをきっかけに、
人として、女として、押し殺し続けた末に自分でも忘れてしまっていた感情に目覚め
一歩踏み出していくところです。
共に人生を歩むパートナーを求め、心乱し、狼狽え、不器用に関わろうとするところです。
映画を見ながら「なんて不器用なんだ~。あぁ、騙されちゃうよ~」とはらはら。
それまで全く感情を表さないお面のような顔だったのに、ヒューバートの結婚生活を知り、興味津々。
久しぶりにドレスを着た時の戸惑った顔や仕草。
ドレスのまま海岸を走り出す彼女は、抑えてきた感情を解放しやっと笑顔になるのです。
悲しい結果になったけれど、どちらが幸せだったんだろう?
孤独なモノトーンの人生か? はたまたヘレンとの結婚を夢見た人生か?
レズビアンというより、男性にひどい目にあわされたという過去もあるし、男として生きていく以上
パートナーは女性ということのように思えました。
とても切ないけれど、やっぱり生きる希望を思い描いた人生がよかったのかな?
アルバートを演じるのは「危険な情事」や「ダメージ」でめっちゃ怖~い女のイメージが強い
グレン・クロースです。彼女が30年越しの情熱を傾け、主演・脚本・製作を務めた
渾身の一作だそうです。
昨年のアカデミー主演女優賞にノミネートされるも、残念ながら「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」のメリル・ストリープに敗れましたが、甲乙つけがたい内に秘めた迫真の演技です。
ヘレン役は「ジェーン・エア」や「永遠の僕たち」のミア・ワシコウスカ。
可憐でかわいい。
クロース同様、女でありながら男を装う役どころのジャネット・マクティアも、
背が高いし、タバコを吸う仕草、話し方など男性のようでした。でも…グラマーでビックリ。
ヘレンをたぶらかすジョーを演じるのは「キック・アス」のアーロン・ジョンソン。
いやぁ~、この人ホントにハンサムだわぁ。整ったお顔立ち。
今年公開の「アンナ・カレーニナ」では貴族の将校ヴロンスキー伯爵役って、
将校姿はめっちゃカッコイイんでしょうね。楽しみ~。
***** 見た 映画 *****
1月30日 「アルバート氏の人生」 @TOHOシネマズシャンテ
「塀の中のジュリアス・シーザー」 @銀座テアトル
アルバートさん、あのままだったら地味~な人生で終わってしまったでしょうね。だからヒューバートさんに影響されて、結婚を夢見ることができて幸せだったのではと思います。
こういう人生を送った人が、当時は本当にいたのでしょうね。それを考えると、胸が痛みます。
新天地アメリカへ向かったジョーも、どうなったことやら?当時のアイルランドからの移民は、アメリカへ到着することすらできなかった人も大勢いたそうですから。
あのままだったら・・・地味すぎる人生ですよね。
当時の庶民の立場を考えると、身寄りのない女性の人生はなんと厳しいことでしょう。
海を渡っても、夢見た新天地を目にすることすらできなかった人も多かったのですか・・・。アイルランドに留まっても、新天地に渡る道を選んでも、どっちの道も多難ですねぇ~