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マーサの幸せレシピ 2001 と
幸せのレシピ 2007
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数年前、たまたまビデオでドイツ映画「Mostly Masha マーサの幸せレシピ」を見ました。
とてもいい映画だったので、ハリウッドのリメイクを見に行く気にならず、
DVDが発売されたので、遅まきながらハリウッド版「幸せのレシピ」を見てみました。
エンディング以外は、ここまでおんなじ?というくらい細部にわたるエピソードまでオリジナルを踏襲、
エプロンの付け方から、
フォアグラの調理法、
妊娠中の副料理長、
彼女が作るフレンチを拒む姪っ子がスパゲティーにかぶりつくところ、
姪っ子がトリフのにおいを嗅いで捨てるのをあわてて回収するところ、
料理に文句を言うお客にキレて生肉をテーブルに突き刺すところ等など。
オリジナルは、腕のいいフレンチシェフのマーサ(マルティナ・ゲデック)と
事故で母を亡くした8歳の姪リナ、イタリア人シェフのマリオ(セルジオ・カステリット)。
はっきり言って偏見ですが、一般的にイメージするドイツ人像とイタリア人像を体現する二人です。
頑固でルールを重んじるマーサと、
ゆる~い、良く言えば楽天的で陽気、悪く言えばテキトーなマリオの気質対比が面白い。
その上、北ドイツ港町のどんより曇った雪のちらつく気候、
片やイタリアは太陽が燦燦と輝く暖かい気候。まるで二人の性格のよう。
ドイツ人にとってイタリアは憧れの地らしい。私も憧れてま~す。
リメイクも設定はほぼ同じ。
ニューヨークのフレンチシェフ、ケイト(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)と
姪のゾーイ、こちらはイタリア人ではなく、イタリアかぶれのアメリカ人ニック(アーロン・エックハート)。
マーサもケイトも、
仕事が生きがいで私生活は二の次、料理の腕はピカ一で完ぺき主義、
頑固でお客といえどもゆずらない。
職場でも孤高の人で料理長という立場もあるでしょうが、皆からちょっと煙たがられてます。
決まった生活パターンを乱すことを恐れ、他人とのかかわりを拒絶してます。
そんな彼女を心配したレストランオーナーにセラピーを受けるように言われ毎週通ってはいるが、
何故受けさせられているか本人は気付いていない。
寂しさを感じつつも誰にも煩わされず自由に生きているところに、
突然8歳の子供の面倒を見なくてはならなくなったら・・・誰だって戸惑うのは当然です。
変化の無い彼女の生活は、一変、振り回されることに。
そんなところに、陽気で型破りのイタリア人、チョイ悪風(あくまで風、いい人だもん)オヤジが登場し、
彼女の神聖な職場の雰囲気を変えていく。
周りのスタッフもすっかり彼のペースに巻き込まれ、
キッチンはぴりぴりした雰囲気から一転、音楽の流れる和やかなものへ。
マリオもニックもCDプレーヤー持参で出勤です。
イソップの「北風と太陽」の太陽のように、姪の心を開いていくマリオ/ニック。
子供って本能的に遊び心のある人を見分け、なつきますもんね。
ここからオリジナルとリメイクの展開が大きく違います。
オリジナルは、
姪リナの父親がイタリア人ということで父親探しにも一肌脱いでくれるマリオに次第に心を開くマーサ。
やっと慣れた頃、リナの父がイタリアから引き取りに来る。
実の父と一緒の方が良いだろうとリサを託すマーサ、
元の平穏な生活に戻れると思いきや・・・
リサとの暮らしに慣れていく中で、
他人とかかわって生きてゆくことの面倒だけれど楽しさを知ったマーサは、
心にぽっかりと空いた穴―リサの存在の大きさに気付く。
一方、リメイクで去っていくのはゾーイではなくニック。
ケイトはすっかりゾーイと仲良しになり、二人で過ごす為に休暇まで取る。
ニックとも恋人同士になるが、料理長の座を奪われるのではないかと疑いを抱く。そんなつもりは無いと別れてサンフランシスコに行くというニック。
ケイトが気付いたのはニックの存在の大きさでした。
そこでトリノオリンピックですっかり有名になったオペラ「トゥーランドット」(私が唯一見たオペラ!)の
「誰も寝てはならぬ」がバックに流れます。(荒川静香のイナバウワ~思い出します)
愛に目覚め氷の心を溶かした中国のお姫様同様、ケイトもニックへの愛に目覚めたってことですね。
憎い演出~。
どちらもハッピーエンドですが、やっぱり恋愛よりリサの存在の大きさに気付いて欲しいな~。
私としてはオリジナルに軍配を上げたいのですが、いかがでしょう?
オリジナルでマーサを演じたマルティナ・ゲデックは
去年アカデミー外国語映画賞受賞した「善き人のためのソナタ」でも主演
(ゲデックが美しい~、そしていい映画でした~)、
「グッド・シェパード」にもソ連の諜報部員役でちょこっと出演しておられました。
気品と美しさを併せ持つ女優さんで、広く活躍していただきたい。
とぼけたイタリアオヤジのセルジオ・カステリットもいい~味出してます。
リメイクのニックを演じたアーロン・エックハートは、
「エリン・ブロコビッチ」のロングヘアのピッピーのお兄ちゃんから、
「抱擁」(いい映画でした)
「サンキュースモーキング」など、
インタビューで素を見るといま一つだけれど、映画の中では回を追う毎に魅力を増している不思議な魅力を持った俳優さんです。
オリジナルの日本でのキャッチフレーズは「幸せは、ほんのちょっとのさじ加減」。
マーサという名前はドイツ人なら誰でも知ってる聖書の有名な一説からきているそうです。
「キッチンで私だけが働いている」と不満を述べるマーサに、
イエスは「直面したくない心配事があるからキッチンに逃げ込んでいるのではないか?人に尽くすことも大事だが、人の話しを聞き、触れ合い、コミュニケーションをとることのほうが大事だ」と教えたそうです。
正にこの映画のテーマ、よ~く練られた脚本です。
リメイクのキャッチフレーズは「Life isn’t always made to order.」
「人生はいつも注文どおりにいくわけじゃないよ」ってことでしょうか。
原題は「No reservations」、人生では突然予約なしに不測の事態は起こりうるって、
この題名もうまいなぁ。
それにしても、皆さん本当に料理人かと見間違うほどに、見事なシェフぶり。
役者やなぁ~。
*ついでにシェフつながりで、
ジャン・レノ、ジュリエット・ビノシュ主演(ほとんど二人の舞台劇みたい)の
「シェフと素顔とおいしい時間」も好きな映画です。
******* 今週 見た 映画 *******
2月11日 「王様と私」 DVD デボラ・カー、ユル・ブリンナー
2月12日 「アンナと王様」 DVD ジュディー・ フォスター、チョウ・ユンファ
2月13日 「幸せのレシピ」 DVD
マーサの幸せレシピ 2001 と
幸せのレシピ 2007
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数年前、たまたまビデオでドイツ映画「Mostly Masha マーサの幸せレシピ」を見ました。
とてもいい映画だったので、ハリウッドのリメイクを見に行く気にならず、
DVDが発売されたので、遅まきながらハリウッド版「幸せのレシピ」を見てみました。
エンディング以外は、ここまでおんなじ?というくらい細部にわたるエピソードまでオリジナルを踏襲、
エプロンの付け方から、
フォアグラの調理法、
妊娠中の副料理長、
彼女が作るフレンチを拒む姪っ子がスパゲティーにかぶりつくところ、
姪っ子がトリフのにおいを嗅いで捨てるのをあわてて回収するところ、
料理に文句を言うお客にキレて生肉をテーブルに突き刺すところ等など。
オリジナルは、腕のいいフレンチシェフのマーサ(マルティナ・ゲデック)と
事故で母を亡くした8歳の姪リナ、イタリア人シェフのマリオ(セルジオ・カステリット)。
はっきり言って偏見ですが、一般的にイメージするドイツ人像とイタリア人像を体現する二人です。
頑固でルールを重んじるマーサと、
ゆる~い、良く言えば楽天的で陽気、悪く言えばテキトーなマリオの気質対比が面白い。
その上、北ドイツ港町のどんより曇った雪のちらつく気候、
片やイタリアは太陽が燦燦と輝く暖かい気候。まるで二人の性格のよう。
ドイツ人にとってイタリアは憧れの地らしい。私も憧れてま~す。
リメイクも設定はほぼ同じ。
ニューヨークのフレンチシェフ、ケイト(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)と
姪のゾーイ、こちらはイタリア人ではなく、イタリアかぶれのアメリカ人ニック(アーロン・エックハート)。
マーサもケイトも、
仕事が生きがいで私生活は二の次、料理の腕はピカ一で完ぺき主義、
頑固でお客といえどもゆずらない。
職場でも孤高の人で料理長という立場もあるでしょうが、皆からちょっと煙たがられてます。
決まった生活パターンを乱すことを恐れ、他人とのかかわりを拒絶してます。
そんな彼女を心配したレストランオーナーにセラピーを受けるように言われ毎週通ってはいるが、
何故受けさせられているか本人は気付いていない。
寂しさを感じつつも誰にも煩わされず自由に生きているところに、
突然8歳の子供の面倒を見なくてはならなくなったら・・・誰だって戸惑うのは当然です。
変化の無い彼女の生活は、一変、振り回されることに。
そんなところに、陽気で型破りのイタリア人、チョイ悪風(あくまで風、いい人だもん)オヤジが登場し、
彼女の神聖な職場の雰囲気を変えていく。
周りのスタッフもすっかり彼のペースに巻き込まれ、
キッチンはぴりぴりした雰囲気から一転、音楽の流れる和やかなものへ。
マリオもニックもCDプレーヤー持参で出勤です。
イソップの「北風と太陽」の太陽のように、姪の心を開いていくマリオ/ニック。
子供って本能的に遊び心のある人を見分け、なつきますもんね。
ここからオリジナルとリメイクの展開が大きく違います。
オリジナルは、
姪リナの父親がイタリア人ということで父親探しにも一肌脱いでくれるマリオに次第に心を開くマーサ。
やっと慣れた頃、リナの父がイタリアから引き取りに来る。
実の父と一緒の方が良いだろうとリサを託すマーサ、
元の平穏な生活に戻れると思いきや・・・
リサとの暮らしに慣れていく中で、
他人とかかわって生きてゆくことの面倒だけれど楽しさを知ったマーサは、
心にぽっかりと空いた穴―リサの存在の大きさに気付く。
一方、リメイクで去っていくのはゾーイではなくニック。
ケイトはすっかりゾーイと仲良しになり、二人で過ごす為に休暇まで取る。
ニックとも恋人同士になるが、料理長の座を奪われるのではないかと疑いを抱く。そんなつもりは無いと別れてサンフランシスコに行くというニック。
ケイトが気付いたのはニックの存在の大きさでした。
そこでトリノオリンピックですっかり有名になったオペラ「トゥーランドット」(私が唯一見たオペラ!)の
「誰も寝てはならぬ」がバックに流れます。(荒川静香のイナバウワ~思い出します)
愛に目覚め氷の心を溶かした中国のお姫様同様、ケイトもニックへの愛に目覚めたってことですね。
憎い演出~。
どちらもハッピーエンドですが、やっぱり恋愛よりリサの存在の大きさに気付いて欲しいな~。
私としてはオリジナルに軍配を上げたいのですが、いかがでしょう?
オリジナルでマーサを演じたマルティナ・ゲデックは
去年アカデミー外国語映画賞受賞した「善き人のためのソナタ」でも主演
(ゲデックが美しい~、そしていい映画でした~)、
「グッド・シェパード」にもソ連の諜報部員役でちょこっと出演しておられました。
気品と美しさを併せ持つ女優さんで、広く活躍していただきたい。
とぼけたイタリアオヤジのセルジオ・カステリットもいい~味出してます。
リメイクのニックを演じたアーロン・エックハートは、
「エリン・ブロコビッチ」のロングヘアのピッピーのお兄ちゃんから、
「抱擁」(いい映画でした)
「サンキュースモーキング」など、
インタビューで素を見るといま一つだけれど、映画の中では回を追う毎に魅力を増している不思議な魅力を持った俳優さんです。
オリジナルの日本でのキャッチフレーズは「幸せは、ほんのちょっとのさじ加減」。
マーサという名前はドイツ人なら誰でも知ってる聖書の有名な一説からきているそうです。
「キッチンで私だけが働いている」と不満を述べるマーサに、
イエスは「直面したくない心配事があるからキッチンに逃げ込んでいるのではないか?人に尽くすことも大事だが、人の話しを聞き、触れ合い、コミュニケーションをとることのほうが大事だ」と教えたそうです。
正にこの映画のテーマ、よ~く練られた脚本です。
リメイクのキャッチフレーズは「Life isn’t always made to order.」
「人生はいつも注文どおりにいくわけじゃないよ」ってことでしょうか。
原題は「No reservations」、人生では突然予約なしに不測の事態は起こりうるって、
この題名もうまいなぁ。
それにしても、皆さん本当に料理人かと見間違うほどに、見事なシェフぶり。
役者やなぁ~。
*ついでにシェフつながりで、
ジャン・レノ、ジュリエット・ビノシュ主演(ほとんど二人の舞台劇みたい)の
「シェフと素顔とおいしい時間」も好きな映画です。
******* 今週 見た 映画 *******
2月11日 「王様と私」 DVD デボラ・カー、ユル・ブリンナー
2月12日 「アンナと王様」 DVD ジュディー・ フォスター、チョウ・ユンファ
2月13日 「幸せのレシピ」 DVD
shall we danceでも感じましたが、やはりオリジナルの持っている空気と世界観に勝るリメイクはないということでしょうか?
ここまで同じならもう作らなくても・・・と思っちゃいますよね。
ハリウッド版は娯楽と恋愛の味付けが強い?
マーサの・・に、良いなぁ、この映画好き!って
凄く思ってしまったので、この映画も見るのどうしようかな~?って思ってたんですが、ついつい見てしまいました(^^ゞ
見なきゃ良かった、とまでは思いませんでしたが
やっぱりオリジナルとだいぶ違う雰囲気と、オリジナルのいいとこ取りで、主人公の描写がなんか薄っぺらいなぁと感じてしまいました。
とはいえ、かなりオリジナルを忘れてる部分もあるので(^^;;) すっごくもう一度見てみたくなりました^^
オリジナルがあれだけ完成度が高い(と、私は思ったんですけど(^^ゞ)のに、どうしていまさらまたリメイクを?!とちょっと不思議でした。
最近多いですもんね~、リメイク。
ハリウッド、大丈夫でしょうか~?(^^;;)
ご挨拶が最後になってしまいましたが(^^;;)
TBどうもありがとうございました
またちょくちょくお邪魔させていただきたく、これからもどうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m
ドイツ映画、頑張ってます。
こちらこそ、よろしくお願いいたしま~す。