のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.1351

2017-12-20 00:00:18 | 新しい子猫たち 

洋太郎は 今では礼儀に煩いジイサン、策謀とは遠い ジイサンと見られていたが、若い時は、野望も策謀も強い アンちゃんだった。頭は切れるし、野望も策謀も強い、なまじ男前なので、女には持てた。資産家の息子として既に知られていた。洋太郎の父の洋之助が、詳細に調べて、これではアイツはアカンと思って、実は 洋太郎を グループ内の商社とも云える 商会 に送り込もう としていたのを 紡績に入れる事にした。それも反省して、根性が直ったら、商会に転進させようとしていた。商会は純子が作った会社であったが、治部一族、本家の紡績に至るまでのジブ一族関係の企業も、株式保有比率はそれ程高くない。それだけに社長として治部一族から送り出したいと云う気持ちが強かった


 


ただ洋之助は父の洋之助ではなく、祖父に似ていた。この祖父は 愛の人として知られ、紡績は一時 愛の会社とか言われる程だった。従業員が この会社がこのままでは存続できるだろうと心配していた程だった。そこで、ナンダカンダと大儲けしていた洋之助を紡績に入れた。洋之助は実は父を愛していたし尊敬もしていた、父が推進していた社員の福利厚生が持続できるようにしたいとナンダカンダと会社の財務を立て直した。ただ洋之助は父は愛していたし、尊敬もしていたが、仕事として紡績を愛したものではなかった。洋之助の関心は実は商会に向けられていたのだった。現実的にも洋之助は商会を実質に支配していた


 


紡績に入った 洋太郎は、祖父の面影が強かった、仕事は出来るが会社にはあまりいない 洋之助に対する 信望は高まらず、祖父の面影を持っていた 洋太郎 に 古くからの紡績幹部、古参たちは、洋太郎を教育して、誠実の人とかに仕立てあげた。洋太郎も愛と誠実の人になってしまった。紡績の事業とか会社に対しても 洋太郎も愛着を感じていたし、社員からの信望も厚い、いかに洋太郎の父の洋之助でも洋太郎を動かせなくなった


 


敷地内の治部一族では、古い人は 洋太郎を誠実一途の ジイサンと思っていないが、それは極く一部の長老たちに限られ、若い人中心には 洋太郎は、誠実モットー、頑固なジイサンと見られていた


 


加代子のアメリカの会社の責任者はふとした事で洋太郎と知り合い、ナンダカンダと話し合うようになって、アメリカの会社の責任者に対しては洋太郎も 誠実にせなアカンと云う 自分が作り上げた虚像に捉われる事なく自由に話せた。


 


アメリカの会社の責任者は、ゼニの亡者、親を見殺しにしてもゼニ儲けに走ると言われていた。ただ加代子の会社に入って、人間が少し変わった。子供が長い間出来なかった、アメリカの会社の責任者は加代子に、歳はそれ程若くはないが、自分の子供のような錯覚を覚えたのだった、とうとう敷地内にほとんどいるようになって、奥さんまで一緒に住むようになっていた。加代子が神三郎のためと云いながら、エンゼルホープ病院を作ったり、支援しているのもはじめは 単に加代子の趣味程度と思っていたが、自分に子供が出来たのをキッカケに変わっていた。アメリカのカヨコファイナンシャルでも古くからの幹部はちゃんとコイツがゼニの亡者と知っていたが、最近の若い社員はアメリカのエンゼルホープ病院を積極的に支援している人と思われていたし、アメリカの医療を本質的に変えたのは、実際には加代子と神三郎の意向を受けたコイツと言っている人までいた。ただ本質的には、ゼニの亡者とも言えた。二人は妙に気があった。


 


自分が積極的に作り上げたのではないが、自分たちの虚像は大きくなって、うかうかと本音がいいにくい雰囲気があった。二人で話をする時は遠慮なく言えたのだ。