のら猫の三文小説

のら猫が書いている、小説です。
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新しい子猫たち No.1931

2021-07-31 00:49:32 | 新しい子猫たち 
この資産家のオッサンは ジブシティーに住んでいた このジイサンに相談したいと思って、東京に出る用事のあった時に訪ねてみた。ジブシティー内の将棋道場に来てくれと言われた。行ってみると 受付で サロンにそのジイサンは待っていると言われた。


将棋道場は実はジブシティーでは いくつかあった同好会、サークルの一つで一番参加者が多い、そして実はサロン化していて 飯食ったり、酒飲んだりしたり、くつろいだりする場所でもあった。歴史研究会とかもあったが、歴史しらないと参加しにくい、将棋を実際に指さなくても、アーダコーダは云えた。


囲碁サロンもそうだったが 囲碁はとっつきにくいし、アーダコーダはなかなか言いにくいのだ


あの資産家も あのジイサンが将棋が好きとは知らなかった


そういえば あの子もここで指したと言っていたな とか思い出したりしていた。

新しい子猫たち No.1930

2021-07-30 00:47:43 | 新しい子猫たち 
ジブシティーは今や日本中の金持ちが集まる、不思議な空間として知られていた。ただエンゼルホープ病院のミラクルな診察で治った人たちは、この不思議な空間から離れられないのだ。体調が悪くなったら来ればいいのだが、エンゼルホープ病院 本院のミラクルは、実はここの健康管理センターにもあって、この健康管理センターで体調を管理して少しでも該当する症状が出ると来てくれと云う 予防医学の先駆的な所があった。ナンダカンダと会費と云うか寄付金はいるが、金には代えがたいとみんな実感するのだ。そして元気になる。健康管理センターの扱える人は増える。元気になると病院にはいつも来ないのだ。こうした人たちは金は出すと云うか、寄付金はいつか、おまじないのような金と変わる。寄付金ケチれば病気になりそうな気がしていた。寄付金なんぞ払えるかと言って 病気になった人たちも見てきた。体調管理してくれる事の大切さも判ってきた。


ただジブシティーはいつも満員、空き部屋なんぞ滅多に出ない。しかし それは表面的な話であって、当初のジブシティーは東京から離れた所にあって、回りにも何にもない 山の中でもあった。ジブシティーは、まだ初期の頃だった。その時にジブシティーのマンションを買ったと云うか使用権を買ったのは 治部一族とジブの影響力のあった企業、こうした人たちが初期のジブシティーを支えていた


高層化する事で部屋は増えたが 従来の使用権を持っていた人たちの部屋も増えた。ジブシティーがある程度買い戻して市場流動性を高めようとしたが 依然として 多くの部屋は治部一族とジブの影響の強い企業が抑えていた。そしてそれを利用していた


つまり ジブ傘下と云うかジブの影響力のあった企業はこうした部屋を戦略的に使ったのだ。ナンダカンダと言って金のもった人たちが集まってきたが、市場に流れる 空き部屋は少なく、こうしたジブ系列企業 そして治部一族の人たちの持つ部屋の方がむしろ多いのだ


あの資産家の知り合いも実はジブシティーに住んでいた。今までの豪壮な屋敷は、途中は親戚に貸していたが維持費も高く、今や地域でも 有名なマンションとショッピングセンターと変わっていた


あの資産家は この知り合いを訪ねて相談してみた。このジイサンは昔は金もあり頭はキレるが、いつも どこどこが調子が悪いといつもボヤいていたジイサンだった。時々メールで相談したり、電話での話はする程度だった。このジイサンはこの資産家を可愛がってくれていた。

新しい子猫たち No.1929

2021-07-29 00:44:59 | 新しい子猫たち 
あの資産家にも弱点はあった。資産とか金はあったし。綺麗な奥さんまでいるが

それでも弱点はあった。


綺麗な奥さんが自慢、ただ綺麗な奥さんも歳を取る。あの女の子はドンドンと綺麗にそして可愛くなって知り合った頃の奥さんに似てくる。あの女の子を溺愛している。あの女の子のしたいようにさせる。パパ キライとか言われると困るのだ。このオッサンは将棋なんぞしらないが この子は何故か好きなのだ。そして将棋の事を言っている時は輝いている。このオッサンは将棋の事なぞドッチでもいいが 輝いているような、この子は益々好きにそして自慢になってくる。それで自由に将棋を指せているのだ。


資産家のお嬢さんにして将棋好きの美少女とかが こうして成立していたのだ


もう一つ心配事はあった。ずんぐりむっくりの長男がちょっと心配、このオッサンは資産家でもあるがゼニ儲けが上手いのだ。単に金のある資産家ではないのであった。儲けている男は 覇気もあって、輝いて見える事もあるのだ。今の奥さんは金目当てと云うより ずんぐりむっくりに見えるか、このオッサンの覇気に惹かれたといってもいい。表面的なイケメンなんぞ見飽きていた。


ところが長男は覇気も感じられない。負けずキライでもなく 覇気もない ずんぐりむっくり は タダの人。


学校の勉強なんかは気にしないが 覇気のない ずんぐりむっくり では 今後が心配なのだ。ジブシティーの小中高一貫校は 人数は少ないが東大に入る人たちも多いし、元々 スポーツが有名な東北の福祉専門大学との繋がりもあって、頭 キレキレの子とスポーツ万能の体力優良児も共存している不思議な学校、みんなハキハキしている。単なる受験専門校でもないらしい。子供たちがそれぞれに輝いている学校だった。それでいて福祉大切の福祉専門大学の影響からか他人を思いやる事も大切にしている。あの資産家もこんな学校に 息子を入れたいと密かに思っていた。ただ途中からの編入は とてつもなく難しいと知っていた


そして こんな事は 調査費用は高いが徹底的な調査が売り物の リトルホワイト系の調査機関がたちまちにして調べ上げていた

新しい子猫たち No.1928

2021-07-28 00:42:33 | 新しい子猫たち 
大阪の外れの山 は バアサンの山はそっくりそのまま買ったが、カヨコファイナンシャルが絡んでいて、ここはボッタリはしない、あくまで手数料 収入の形に拘る。バアサンは一旦売った山でナニが出ようとそれは仕方ないと云う立場、しかし カヨコファイナンシャルはそんな事をしては 加代子に怒られるといってきかない。別の山をかなり高い価格で買ったが、そこの山から 又かなり出た。事務処理が結構複雑になっていた。


瑠璃興業も本当は実は手数料収入には近い、儲け口を見つけ 香奈オフィスに紹介し。香奈オフィスから礼金と云うか ご苦労さんでしたと言って ごっそりと貰うのが普通の形。それに実際の採掘は 香奈オフィスではなく 毛利レアメタルが担当する。利益配分が結構難しいのだ


ただ商業的採掘になるとロボット化が進んでいる、ここまで来ると人手にそんなには要らない。


ほっとしていると バアサンと息子たちがある程度仲直りをして、バアサンが息子たちの山も調査してやってと頼んだ。あんまり期待しないでといって始めた調査だった。初めは出そうになかったので 止めようとしている時に ドーンとレアメタルの多い地層に当たり、結局この山脈は レアメタルが多いのではないか と こんな所にレアメタルは出ないと言っていた、学者まで云う始末。カヨコファイナンシャルの連中は正当な利益配分に拘るのだ。叩き買って、巨額の利益を得るような事をしてはいけないと云う加代子の命令には逆らえないのだ。加代子は相場ではごっそりと儲けるが 人間相手の折衝事で騙して儲ける事に嫌悪感があったし、治部 の 嫁 と云う立場に拘るのだ。カヨコファイナンシャルは高給ではあるが、はっきりと言って歩合制みたいな報酬スタイルでは元々なくて 固定報酬。元々加代子の日本の資産の管理人から 始まったのがカヨコファイナンシャルでもあったのでそれは仕方なかった。バアサンはカヨコファイナンシャルの担当者に絶大な信用をしていて、全て任していた。コイツが又 カヨコファイナンシャルの原則に拘る。


ただ息子の一人が選挙に出る事になってある程度の金は必要と言って、複雑な仕組みにして瑠璃興業が山を買った。そして採掘を仲介する会社を作り、そこにバアサンと息子たちを入れ、そこに複雑な計算をして一定の金を流す事で落ち着いた


それはカヨコファイナンシャルの税務処理の達人たちが 考えて複雑な利益処理システムを作った。


実際のレアメタルの販売はコレマタ複雑にしていて、一気にドーンと処理する事はしない。試算埋蔵量を元に長期的に考える。しかもレアメタルは一旦精製してまうと ある程度 蒸散してしまう事が判っていた。必要な分をちょっと超える程度精製しないと蒸散する部分も多いのだ


すると 利益処理システムはかなり複雑になってしまうのだ


大阪の山は カヨコファイナンシャルも入って複雑になっていた。しかもレアメタルの種類毎にそれが異なるのだ。


運営しながらも それが続き、ボッタくりの瑠璃興業のハゲタカたちも結構疲れた。瑠璃興業の報酬体系は結構 利益比例でもあって、大阪の山の件でもごっそりと金が入っていた。しかもカヨコファイナンシャルのお陰で 彼らにも少ないとは云え 運営しながらも 採掘量と販売価格に応じて金は少しは入っていた。これがいいまでの瑠璃興業のやり方とは違っていた。


金は入っているし、そんなには慌てる事はないのが実態。香奈オフィスは世界全体のバランスを見る。ただ香奈オフィスは全体としての埋蔵量の推定が出来ないと 販売計画そのものが出来ないので レアメタルの既存エネルギー資源との混合比率を抑えざるを得ないのだ。しかしそれが結果的には良かったのだ。一番効率のいい混合方法と後で判ったのだが。


兎も角 あの女の子の 資産家の父親にどういう対応を取っていくかの検討をする事が遅れていた。それにあの資産家は資産だけあって、現金はない人でなく、株や債券からの収入も多く、不動産からの収入もあって、神之助ファンドの利益率は高い、そこそこの金持ちだけが対象となるファンドであって、いわば証券会社の上得意、取り扱い金額の多い得意先向けの切り札ファンドであった。そこからも収入は入っていた事は瑠璃興業もちゃんと知っていた。こんな人は簡単に先祖代々の山など売らないと直感的に判ってはいた。どのように取り組んていくかは コレマタ難しいのだ。


今回はカヨコファイナンシャルは絡まないのであるが、山をそのまま売ってくれそうでもなく、採掘権だけ買えるどうかも判らないのだ。ただ大阪の一件で得た、持続的な採掘による手数料的な方法も悪くはないなと思ったり、基本的なスタンスがは決まらないのも遅れていた原因であった、

新しい子猫たち No.1927

2021-07-27 00:38:52 | 新しい子猫たち 
香奈オフィスにとっては レアメタル関係は 今では利益は多いが、取り扱いは難しい。エネルギー分野の可能性は潜在的に高いとは知っていたし、医療分野 その他の工業分野の可能性も高い。実は紡績の中央研究所でも密かに研究していた。ジブ総研のエネルギー研究所はレアメタルの研究では先駆的ではあるがエネルギー分野に偏っていた。他の分野の可能性についてはこれからと云うのが正しい


それに何より 世界中に どの程度存在するか 埋蔵量 とかが判っていないのが 香奈オフィスにとっても脅威だった。日本ではそこそこ見つかっていたが 世界的に どこにでもあると思っていた時もあるが どうもその後 そんなには見つからないのだった


既存の資源も 香奈オフィスは取り扱っているし、その販売量とか利益も大きいのだ。日本 以外では 散発的で 日本以外で多く見つかっているのは中国であって、中国はこれ又取り扱いに難しい。所有権を自由に行使できるとは単純に言えないと知っていた


潜在的な埋蔵量とどの程度蓄えられるかが問題となっていた。しかも極秘理に調査しないといけなかった。

偶々 手に入れた あの資産家の山に隣接する山では結構埋蔵されていた。


今は慎重に 販売しており、そんなにバタバタする必要はないが 調べられる山は調べたい気持ちはあった。

時期を慎重に 瑠璃興業は検討していた。大阪の外れの あのバアサンの山の埋蔵量も思ったよりも多かった事もあった。法律的な検討も終わっていた。