のら猫の三文小説

のら猫が書いている、小説です。
質問があれば
gmailのnaosukikan
まで連絡ください

新しい子猫たち No.2071

2021-12-31 00:03:23 | 新しい子猫たち 
その昔は ジブ傘下 ジブ系列の企業は 豊富な資金力 そして企業間ネットワークがその企業を支えるとされていたが、最近は細かい社内整備 社員の為の福利厚生の共同網の構築が 売り物に変わってきた


そしてジブ全体が大きくなり、ジブ内部だけで ある程度の維持が出来るように変わっていくキッカケに この事件はなっていった


ジブの旧本社内には 現金がどっぷりとあって 銀行間取引の保証はさることなら 即金で融資してもらう事すら出来る資金量が売り物だったのに、社員の管理などの内部管理の統一 そしてこれらの研究 が ジブ傘下企業の拠り所になりつつあった。

新しい子猫たち No.2070

2021-12-30 00:01:14 | 新しい子猫たち 
天野の報告では


彼の力で心理的なバリアが一時的になくなったとしても 周囲がその人に依然として攻撃的と感じるなら 心理的バリアは再構築され、元の人間性に戻るのは実は当然の事で 意味のないバリアをしていたと その人が感じるなら別だが


彼の力は万能ではない、その人がそんなバリアが意味のないものだと考えない環境では前に戻る


となっていた


ジブとしての対策は天野の報告を基に考えれた。そしてジブ周辺の企業 治部一族の関係する企業でも天野の報告は密かに流れた

天野の報告はジブのトップ陣には回されて、神太郎オフィスを通じて ジブ周辺の企業に流れた


もっとも 天野の報告は断定的過ぎる所はあるので その辺は 天野の部下と云えるジブ総研の精神医学研究所の研究者たちが補足してその周辺企業に流れた。神太郎が直接 コメントして、社員が自己防御しないといけない職場環境があるとすればその方が問題。その人の個人的な問題なら 心理的な相談を通して改善していく事を心がけてください。社員は企業にとっては 城であり 石垣でもあり 堀でもある。 社員が悩みを抱えていたり 職場環境がその人に攻撃的と感じるのなら ヒビが入っていて崩壊寸前の城であると考えてください。技術が 営業基盤が盤石と思うのも危険です。社員と遊離した技術基盤 営業基盤も存在しない、十分な注意が必要です。 となっていた。

新しい子猫たち No.2069

2021-12-29 00:00:04 | 新しい子猫たち 
天野の報告は それはそれで鋭いものだった


ジブの常務兼部長も感心したし 香奈も(* ̄- ̄)ふ~んと思った


天野はこう言った。


あの青年の魔力と云うか 力は 接する人の気持ちの中に入り、後天的にその人が構築していた 心理的バリアを無力化する。彼自身に その人に対する攻撃性が全く感じさないからだろう。人が変わると云うよりは その人本来の人間性を引き出す力と云ってもいい。彼のオフィスにはその空気が漂っている。彼と彼の同僚には その人の弱点を見つけ それを有利にしていこうとする気が全くない。ホンワカとしている空気の中で 体を固くして 心理的バリアを強くしようとは思わない


人が変わると云うよりも 自分に対する攻撃に対抗しようとする 気持ちが その人の根性を曲げると言った方が判りやすいかもしれない。対抗しようとする気持ちが 彼と彼の同僚に接しているとそれが起きない


異物に対する免疫作用 は 同質化している物質に対して起きない。

心理的にはそれとよく似た働きだろう


ただ 彼のナニがその力を引き出しているかは 科学的な解明は難しい


母親に対して 通常の 仲の良い 親子関係では 心理的防御作用は起きない

ただ 社会的な要因が絡むとそうとはいえなくなるが


母の愛 は 説明はできないし そういう母も少なくなっているが

母が我が子に抱こうとする時に 子供は心理的防御を取ろうとしないと言った方が判りやすいかもしれない


天野は流石にお地蔵さんのご利益とは言わなかった

新しい子猫たち No.2068

2021-12-28 00:00:47 | 新しい子猫たち 
ジブ総研の精神医学研究所 の所長 の天野は 東大でも有名な医学者 リトルホワイトと知り合い リトルホワイトを可愛がっていた 香奈が リトルホワイトのために作った研究所の所長になった。リトルホワイトは 猫だけに いくら頭が切れても所長にはなれない。


リトルホワイトは 今では政界の黒幕として 密かに恐れられているが 人の心 気持ちを研究していた 医学猫でもあった。そんなリトルホワイトが学識としては信頼する天野ではあったが 極めつけの根性悪でもあった。あれ程 頭が切れるのに東大にいられなくなったのは、この根性悪が原因でもあった。リトルホワイトは知っていたが 天野には言えない。あのリトルホワイトですら言えないので当然誰も言えない。天野は頭は飛び切り切れるが ちょっとした間違いを見つけて 人をやり込めて せせら笑うと云う特技があった。この特技が多くの人の反感を招いた。


この天野がジブ社内の心の相談室なんぞを 香奈に頼まれて、何人かの医者を担当させていて、あの青年の不思議な力を知った。そんなアホな事があるか と天野が自ら担当して この不思議を調査する事にした


天野は当然 彼に会って調査を進めていた。

ある時 リトルホワイトは 

アンタ 変わったね、若い時に 今の貴方だったら 東大の教授 いや世界の精神医学界をリードしていただろうに

と言った

新しい子猫たち No.2067

2021-12-27 00:00:47 | 新しい子猫たち 
お地蔵さんのご利益 と云うワケではないが 純金のお地蔵さんを拝んでいる奥さんの旦那さんの会社は 小さいけど ジブも出資して気持ち程度 あの旦那とか社員が少しずつ出資して新しく作った。この会社はナニをするワケでもなかったが社員の親睦を深めて より働きやすい職場環境を作る コンサルタントとして多くの会社に採用された。


旦那さんは 純金のお地蔵さんから追い出されたが パワーのある古いお地蔵さんを見つけ、そして このお地蔵さんは今はお地蔵さんミュージアムにいて 旦那さんは時々 ここに行ってお地蔵さんと話をしてくるのが楽しみだった。ゼニ儲けにはたいして関心もない、ジブの管理の作った このシステムでジブと同様の待遇が 少ない社員と共に出来る程度のゼニが入っていた


勿論 ジブも契約していた。ここと契約すると 社員を出向できる。そしてすぐに帰ってきても 見違えるようになる。根性悪で頭の切れた秀才が 突然と人格者とはいわないまでも 悪かった根性が治った。この落差は大きすぎて みんな この費用は納得していた。


ジブの払う ゼニはジブとしてはゴミのようなものだが、それでも世間的には巨額と云えた。ジブには税務ゴロもいて、国税からこの金がドーダと云われるかもしれないと危惧していた。お地蔵さんのご利益で 根性悪の社員の根性が治ると言われても納得するだろうか しかもお地蔵さんと話が出来る奴と空間を共にするだけでご利益があるとは誰も信じないだろうと


国税の大物と言われた奴がジブにいて、ワシに任せなといった。国税には根性悪でも頭の切れる奴は はいて捨てる程いる。ソイツが現役の国税の大物に話して、極めつけの根性悪を選んで この会社に行って調査とかしてみなよ 自分で納得できると言った。


そんなアホなと思いながらも 力のあったOBだったし、試しにしてみるか と思い 税務調査とかをした。この会社の税務もジブの国税OBがしている。帳簿上 問題なんぞある筈もなかった。


そして 帰ってきて 現役の国税の大物が話をしたいと呼んでみると あら不思議 あの根性悪が治っている まるで魔法


色々な会社があるものだ と実感していた。勿論ジブに対して アーダコーダと云う馬鹿はいず この話はそれで終わった