のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.1340

2017-12-09 00:00:04 | 新しい子猫たち 

おやっさん が戦略家のオッサンから事の次第を聞いて 神三郎にこの事を言った。神三郎


がそれに答えた。


 


それは加代子の判断だから、私はなんとも言えない。貴方が元気で再び 作陶されるのも病後の回復の方法としてはいい事かもしれない、無理しないで自分の気持ちに沿って作陶されるのもいい事かもしれない。


 


ただ 今度は貴方が元気になったのは、むしろウチの内科の治療が大きい、内科の先生が言われるように、体調の不調は あの小さい病巣の所為ではないと思う。いずれナニかの異常をあの小さい病巣は起こしたかもしれないが、体調が戻ったのは直接的には内科の治療の結果だと思う。しかも健康管理センターの責任者は病理の専門家でもあって試験切除した粘膜表面の解析は見事だったらしい、彼の貢献で内科の治療方針が決まった


 


確かに外科医として、私は自分の手術には自信はあるが、病院の治療としては全ては総合的な見地で行われるので、私が名医だからと云うものではないです、全ての関係者が自分の知識、経験をフルに使って、患者さんの治療にあたっているので、誰か一人がエライというものではないと思います


 


貴方も経営者なら、判ると思います。一人の有名な経営者だけで経営できるものではなく、各部署の行動の総合的な結果として、経営が上手くいっているので、単に経営者が優秀だからではないと思います、有能な人を育成し、その配置を考えたのが経営者の手腕かもしれないが、経営者一人が有能だからと云うものではないでしょう


 


しかも今回の各部門は私が育成したものではなく、私がお願いしてこの病院にきてもらった各部門の責任者たち、幹部たちはいずれも優秀で部下も育成してもらった結果なのです。私自身が育成したのは、外科のほんの一部に過ぎません。


 


九州病院は病院長がマチコジブ記念病院からきてもらって、病院の骨格とか運営をしてもらっていて、この病院との協力もしてもらっていて、私個人は単にはじめ作ろうとしただけなんですよ


 


私は、私一人が貴方を治したとはまったく思ってません、医療行為に関与した一人には過ぎないのです。付け届けを禁止しているのは、お金の余裕のない人への配慮でもあるんですが、誰か一人の手腕だけで病気が治る事はないのです


 


おやっさん は 


この先生は凄い、単に名医と云うのではない、院長としても有能なんだと実感していた。


 


おやっさんは こうも神三郎に言った。


幻の陶工とは私が言われたのは私の弟子たちが優秀だったのです。私が育てたのと云うよりは、可能性を見つけたと云ってもいいと思います。時間が掛かるかもしれないが、私の思い、私たちの努力の成果を先生に見てもらいたい、それも私個人の力ではなく、弟子たち、関係する者たちの努力の成果なのです。


 


神三郎は


そうですよ、何でも一緒かもしれないですね。くれぐれも無理をしないでくださいね。私の妻の加代子は骨董が好きですが、世間の評価ではなく自分の直感でいいと思った品物を購入しているようです。妻も期待していると思います。