のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.2157

2022-03-31 00:24:55 | 新しい子猫たち 
この一件で正人の 世間の評価は ウナギ登りのように上がった。香奈ファイナンシャルは日本全国に根が張り 年寄りの道楽のような香奈ハイテクの営業も全国の販売網が出来ていた。銀行上がりか下りかは知らないが 帳面だけ見て エラソーに言っていた、言葉だけ 頭だけの連中が多い 香奈ファイナンシャルも企業グループとして均整のとれたものとなった。


ただ依然として 香奈ファイナンシャルのトップ幹部 まあ正人のジイサン、バアサン、親たちの評価は変わらない。正人は別に気にもしていないが、もう一つの大きな銀行の正人を見る目も変わっていた。正人は香奈の代理にして日銀の理事経験者としての肩書だけの人と見ていた節もあったが あのジイサンもなかなかやるな という目に変わっていた


カミカミの事務局もそこそこ人を揃え出していた。ただ 善作には 正人のような肩書 や ネームバリューはない、陽太絡みの 政界ゴロかお前は と云う人もいた。

ただ カミカミとして全国に幾分 根を張りだした。それに善作が面倒を見ていた企業群の販売にも役にたった。陽太親衛隊の奴らの地元財界とも連絡が取れるようになった。ゴロみたいな奴らにも効能があったのだ。


何しろ 元総理の名前も活きてきた。陽太はそれを嫌ったが実際には効いた。今は恐怖の的と言えた リトルホワイト事務局への繋がり、牽制も出来ると ゴロたちは ほざいた。これも効いた


地域振興と言いながら 実は体制づくりをしてきたリトルホワイト事務局の勝ちなのだ。それに運用は神の如く 儲けられる 神之助たちがいないと運用はそんなには儲からない。陽太親衛隊に入れと、地元からの要望が増えていた。リトルホワイト事務局のそもそもの狙いはそこにもあった。


神之助は陽太親衛隊の奴ら以外からの運用は受け付けない。別にゼニがそんなに要るわけではない。神之助系列の投資銀行の得意先の金だって絶対に必要では実はない。ただ金庫番のオッサンは世界に知っている人たちのネットワークがあった方がいいと神之助を口説いたのだった。普通の運用はそんなに儲からない。神の如く 儲ける 神之助グループに運用をしてもらいたいと思う 地元財界が陽太親衛隊に入れと云うプレッシャーとなり陽太親衛隊の御威光が出てきたのだ

新しい子猫たち No.2156

2022-03-30 00:21:00 | 新しい子猫たち 
カミカミ特有の悩み と リトルチャはサラッと言ったが


香奈は 大きな勝負をしてきた。現金の余裕が大切と知っていた。現ナマが好きな事はあったとしても 大きく値が動く商品取引で担保切れは大変痛いのだ。十分な金の用意をしていた


正子は 神様のように先物を取引していて我慢する事を知らずに済んだ 特別な人


カミカミの現金保有比率は低いのだ


アフリカ カミカミは図体が大きくなっていた。ナニかの時に必要な現金は莫大。借入に大きく頼りたくないと思う善作は 資産の現金比率を高めようとしていた。アフリカ カミカミにも同様の相談をしていたのだ


陽太の理想論に付き合う 余裕の金は実際にはない


リトルチャはサラッといいながら 正人はこれを感じ取った。カミカミの出資は最低にして、アフリカ カミカミに現金が出来るように手配していった。善作にもそれとなく言った。アフリカ カミカミに対して 各方面から好条件の出資の申し込みが相次ぎ アフリカ カミカミの優良な資産の一部に対して出資させるようにした。アフリカカミカミは世界でも有数の高級リゾートを複数持っている。これらを独立させて、少数の株式を公開して出資できるようにした。それが思ったよりも高く値がついた。正人はそれとなく知り合いに声をかけた。観光業界のトップたちがそれに応じた。勿論 予約の優先順位をそれとなく高くなったし、そもそも それが狙いなのだが、勿論明文化されない。世界でも有料な観光資産をみんなで保持し高めようとか なっていた。ナンダカンダと裏はあるのだ。


陽太は馬鹿ではないから 後で知って 正人に対して 礼を言っていた。素人がシランのに口出ししてはいけません。正人さんの助力に感謝します。正人は逆に陽太さんの理想は人を動かせる。その力を知りました。税務で得た金は所詮 当座の金です。


まあお互いに 狸同士で謎の会話が続いた

新しい子猫たち No.2155

2022-03-29 00:11:35 | 新しい子猫たち 
その時に リトルチャは言った


カミカミには金があるかもシレンが 金に手足が生えるわけでもない。あそこには大体 人がいない、それにカミカミ特有の悩みもあるんだよ。正人さん もっと自信を持たないと、香奈ファイナンシャルには人がいる それも有能な人たちが。我々も出来る範囲で手助けするから


そして本当にリトルチャはチャタロウにも声をかけ 香奈ファナンシャルとしての地域振興計画を立てて それを実行していった。憎い事にカミカミの出資も少しは出来るようにしていた


香奈ファナンシャルの奴らは計画そのものを作るのは苦手でも骨格が出来ると対応は早い。それに地域独自に愛着を持っている人も探し出して 地域振興計画が進んだ


元々 リトルホワイトは陽太親衛隊の奴らの地元を調べつくし それなりの振興策が実はあったのだ。それも参考にした リトルホワイト事務局は頭は切れるが所謂 政界ゴロ。政界ゴロの特徴も活かしながら 計画は進んだ


正人は 香奈ファナンシャルの奴らには 今回は利益を目的とはしていない。財源は用意しているといつもの正人らしくない事も言った


たいした儲けではなかったが 陽太親衛隊の奴らの地元は活性化していった。それはリトルホワイト事務局の計画通りであった。正人はあのタックスヘイブンの資産管理会社の金を戻すかと考えていたのだが それは必要なかった。それにオマケもあった。香奈ファナンシャルの奴らが生き生きとしてきた。ゼニのため よりも地域振興の方がやる気が出てくるのだった。建前と云うか綺麗事にも確かに有益な事もあるんだ 正人は思い知った。それに香奈ファナンシャルにも地域を知っている奴らがいた、それも香奈ハイテクとか香奈ファイナンシャルには 傘下企業の全国販売に利用させてもらった。チャタロウグループのそれぞれの地元を良く知っている人たちには移籍もしてもらった。チャタロウも今後も協力してくれる事を条件に認めた。


正人は 猫たちの力は知っていた積りだったが 今回の猫たちの力には舌をまいた。そして 人の力も知った。金だけが力を持っているわけではないんだ と。


正人は こうして色々と学んでいたのだ


人は城 人は堀 人は石垣 は 昔のオッサンの戯言ではないんだ

  

新しい子猫たち No.2154

2022-03-28 00:11:35 | 新しい子猫たち 
陽太は政界を泳ぎ切り 福祉大切 の単純な看板とは裏腹に 政界では複雑な人だったが 経済には甘い所があった。陽太は カミカミホールデングの事務局長にもなっていた。カミカミの資産はたいしたもので日本を代表する 純子系統の大企業の株式を相当保有しているグループ。初期の神之助 神子たちが稼いだ金も入っているし 正子は先物取引でジブトラストをこんなに大きくした 一人でもあった


陽太は単純に カミカミの資本を使い 地域振興してはと思い立った。正子にも相談したが 正子も乗り気だった。事務局長の局長代行 つまり陽太は通常 何にもしないので 善作が実務を処理していた。ただ 実際には善作すら 何にもしないし する事もないので 数人の 定年退職者が事務処理しているだけの組織がカミカミホールデング。保有資産は巨額でも 多くは株式なのだった。善作は流石にウチだけではとても無理ですから 人も多い 香奈ファイナンシャルに協力を仰いだ方がいい と進言した。ウチだけでそんな事が出来るかと言いたかったがそれは黙っていた


正子は単純にそれはそうだと思い 香奈を始め 徹に話をした。


香奈と徹は 勝 政則とか瑠璃にも話をした。


正人も呼ばれて 陽太君は違うね どこぞの誰かは税務処理をちょこちょこ して 税務ゴロのように金を稼いで 地域振興と云う名前を利用していい気になっている と散々嫌味を言われ、ウチとしても協力しなさい 書類いじるだけではダメだよ とも言われた


正人は 返す言葉もなくて はいとは云ったものの 香奈ファイナンシャルは 所詮 言葉だけの人が多い。リトルチャに協力を頼みに行った。実は香奈ファイナンシャルには幾つかの地方事務所もあって香奈ハイテクとか香奈ファナンシャル関係の地方関係の仕事はしていたのだが、慌てていた 正人は こんな時にはリトルチャを頼りにした。

新しい子猫たち No.2153

2022-03-27 00:00:26 | 新しい子猫たち 
地域振興 法案 などの法体系を リトルホワイト事務局が草案を作り 日本の地域振興を進めた事があった。地域振興のための各地域の振興財団に寄付する税控除がとても大きくした。そして この振興財団は その金を運用出来た


リトルホワイト は 陽太親衛隊の奴らと 地元財界との仲を良くして この振興財団の運用を神之助に任せ、そして寄付した人とか企業にも 運用の一部を 運用する企業を指定できるのだ


要するに 運用で出た利益を得るようにした。運用は結局 神之助配下が行う そんなシステムだった。


正人は このシステムを知り それを利用した。かなりの寄付を ジブシティーを含み 敷地内を含む自治体の地域振興財団に寄付して。そして この運用の一部を指定するのを タックスヘイブンの香奈ファイナンシャルの資産管理会社に指定して この会社は神之助配下の欧州の組織に依頼した


この時に相場に大変動が起きて とくに欧州は天と地がひっくり返るとか言われて 神之助配下は大儲けをした。香奈ファイナンシャルのタックスヘイブンの資産管理会社には寄付した以上の金が入った


しかも税控除も受けていた


正人は 香奈ファイナンシャルの幹部たちの前で 巧く行ったな こんなに巧くいくとは思わなかったよ と 自分の功績をさりげなく自慢した


この話が回りまわって 政則の耳にも入った。そして香奈系統のジイサンバアサンたちもこれを知り 逆に憂いた。こんな事で利益を得て それでいいと思っているようでは将来 大変危険と 危惧していた。