のら猫の三文小説

のら猫が書いている、小説です。
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新しい子猫たち No.1506

2018-05-31 00:00:42 | 新しい子猫たち 

正人は ココシロに会った。ココの娘のココシロだと ずっと思っていたけど、会った猫は ココの若い時に本当にそっくりだった。


 


ココシロは言った。 正人さんなの、本当に正人さんなの、随分と老けたね。


 


正人は 歳の割に若いと言われる事はあっても 老けている とか言われる事はない。いやそれよりも正人を配慮せずに勝手な事を云うのは三人だけ 香奈と父親の政則、母親の瑠璃 しかいない。祖父の徹は微妙ではあるがそれ程ズケズケとは言わない。猫たちも 香奈の家の猫たちは、本当に慎重な言い回しをみんなする、それぞれに組織を抱えていて香奈ファイナンシャルとの関係もある、ただ その中で ココだけは遠慮なしに云う、ココの言い方 そっくりだった。


 


ココシロに正人は言った。香奈叔母さんにも見せたいし、ココにも見せて安心させたい。ココシロの気持ちは判るよ、この彼との暮らしについて何も言わない。香奈叔母さんもそういうと思うよ


 


あのジイサンはみんなと言っても、バアサンと犬だったが、経緯を説明していた。猫も入れて、ナンダカンダとみんなが話をしている間に、正人はさっさと香奈に連絡し 、瑠璃、奈津美そして政則 に ココシロが見つかった。香奈の家に一度連れて行くよと電話していた。香奈も喜んだが直ぐに時間は取れない。一時間程は抜けれない、大体みんな同じだった。


新しい子猫たち No.1505

2018-05-30 00:00:19 | 新しい子猫たち 

彼は 気分が優れず、会社を早退して帰る途中だった。昨晩 飲みすぎた と自分でも判っていたし、研究も一区切りついた所だった。


 


あのジイサンから正人を紹介された。 ココシロの恐れていた事が実現した。ココシロは名前を呼ばれる事を避けた。ココシロ以外の名前を付けるのもイヤといって 猫さん になった


 


彼は詳しくは知らなかったが ココシロの判断を尊重していた


 


正人は彼の微妙な態度に気が付いた。正人の言葉は上手く、丁寧でもあった。日本金融を牛耳る ジイサンではあったが どんな人にも丁寧な物腰で対応するジイサンだった。正人のために作った支店の職員、新入社員であっても 君とかお前とかは言わない、全て貴方で接する。正人は香奈ファイナンシャルの大幹部にだけ 君と云う、正人に君と云われると香奈ファイナンシャルの幹部たちはむしろ喜ぶ、大幹部扱いなのだった。


 


正人はココシロの気持ちが良く分かった。そうか ココシロはこの青年との今の関係に波風が立つのがイヤなのだとこの時実感した


 


この青年にも 貴方とココシロの関係を壊したり、ココシロを取り上げる積りは毛頭ないです。ただココシロの無事な姿を、まだ存命な、ココシロの母親猫 そしてずっと心配していた香奈たちに見せてあげたい だけですよ と言葉巧みに言った


 


正人の言葉は巧みであって、青年は反対する事は出来ないし、言われている事はその通りでもあった。


 


新しい子猫たち No.1504

2018-05-29 00:55:36 | 新しい子猫たち 

ジブ交通は 買い切りタクシー をしている交通会社、ジブが金を出して、敷地内の治部一族に運送サービスを提供している会社、運転技術の高い人たちを集めた。ジブトラストと治部一族のお抱え運転手と言ってもいい。


 


治部一族もそれぞれ強い影響力がある会社があって、その会社からの送迎も多い、ジブが一括して金を払い、報酬は結構高い、ただあまりにもヒマなので 最近は空いていれば ジブシティーの住民からも依頼を受ける


 


顧客はそれぞれ地位も金もある。万一の事故は勿論、避けないといけない、時間がドーダよりも大切


 


従って 一般道路ではトロトロと動く、歩いているのかと思う程だった


 


大きなワゴン車がトロトロと動いていた。あの青年 彼が足取り重く歩いていたのをジイサンが見た。車を停めて、この青年を乗せた。


 


 


新しい子猫たち No.1503

2018-05-28 00:03:20 | 新しい子猫たち 

正人は ジイサンに この猫の事を聞いた。


 


ジイサンは 


ちょっとした縁で知り合った猫ですが 大変賢くて 私よりもむしろ家内がよく会ってます。お二人とも働いている若夫婦に飼われています。鍵まで預かって、家内は今日も猫と相談していると思います。パソコンが使えて メールが出来る猫ですから、あれ程世間に詳しい、色々な事を知っているのは 猫は兎も角、人間にすら滅多にいない。 と言った。


 


正人はこの時 確信した。まさしく ココの娘だ。


 


住所を聞くと 敷地内とそれ程離れていない。直ぐに行こう、ジブ交通に車を頼んだ。今はワゴンのデッカイ車しかないですが とか言われたがそれでいい、直ぐに来てくれと言った。


 


若夫婦との連絡は後でもいい。


 


ジイサンと二人で この家に急いだ。正人は考えていた。


なぜ ココシロ、ココの娘は連絡を取らなかったのか?、メールを送れば済むではないか、そうか ココシロは今の飼い主を大変気に入っているのだ、香奈の猫と知られてしまうとその青年との間の平穏が崩れてしまうと恐れているのかもしれない。ココシロにパソコンを与えるような飼い主なのだ。その点は注意して話をしよう と思っていた。


 


 


新しい子猫たち No.1502

2018-05-27 00:51:22 | 新しい子猫たち 

正人はこの猫はいなくなった ココの娘 ココシロ と 言う直感があった。まず 香奈に言って 


それから瑠璃、奈津美かなと云う順序を頭の中で考えていた


 


まずこのジイサンの要望を さっさと済ませてと思った


 


ジイサンのあの話を聞いて、サクッと香奈ファイナンシャル 東京センターの幹部に電話をかけて どの程度の出資から始めていくかについて検討してくれ、君が相手側と連絡を取ってくれるかと聞いた。正人がこんな言い方をするのは大変珍しい。相手は香奈ファイナンシャルの事務方のトップと言ってもよく、正人のこの話に驚いた、出資そのものについて異議を唱える事はとても出来ない、どんな背景があるか判らないが正人がこんな対応するのは余程の事があるのだと思って、 はい判りました とか言えなかった


 


ジイサン にあの会社の社長に電話してもらい、電話を替わってもらって、その旨を伝えた。社長は驚いた。正人が電話に出ている、日本の金融界の黒幕とも言われている あの正人が。そして指定された連絡先の相手は もう一つの大きな銀行の元取締役にして、香奈ファイナンシャルの事務方のトップ。 はい 判りましたと しか この社長も言えない


 


正人は 続けて このジイサンに暫く、私のプライベートの事で手伝ったもらいたいので 宜しくと頼んだ。社長は この後の社内の会議を考えていて、ハイ 判りました と これもこれしか言えない


 


10分以内にして、初期の目的は終わった


 


正人にとっては、これからが本題、まずは本当にココの娘である事を確認して、それからの手順を考えていた。正人は頭取との情報交換なんぞは頭の中から瞬間で消えていた