のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.1339

2017-12-08 00:49:57 | 新しい子猫たち 

戦略家のおっさんは、考えた。少し リトルホワイト側近にも聞いた。あのおやっさんは、幻の名工と云われていた。若い時には有名な陶工として知られ、個人として単に有名だけではなく、弟子の育成にも優れていた。中年頃にナニを思ってか、作陶を止めて、経営の真似事をするようになった所、この経営の才能の方が大きく、単なる陶芸の事業の筈が、一般陶器品から高級陶芸品の事業まで するようになったらしい。


 


昔のおやっさん の 作った陶芸品は 今や 幻の陶芸品として高値で売買されているらしい。


 


おやっさん に聞いたら、


そうだね、少し体に自信がついたら、作陶をしてみるか、実際の経営は今でも社長に任せているし、先生の感謝の気持ちで作陶を再開してみよう


 


この会社と安いよスーパーとの間で、オリジナルの高級陶芸品を請け負います とのサービスがあってそこそこの人気だった。この目玉として有名な陶工が貴方の為に陶芸品を作りますというのがあって高い値段が設定されていた。


最高ランクの陶芸家が貴方のために作陶します のが思い切り高い値段で設定されていた。今まで頼んだ人はいない、美術品を買った方が安い、しかも陶工の指定は出来ない。この陶芸品を10個買ってもらうとボーナスもつけます だったが、1個すら頼んだ人はいないのだった。もっとも実際にはしないと思っていたが 飾りが必要との建前だけで この規定が作られていた。


 


戦略家のおっさんは カヨコファイナンシャルの奴らと話をした。加代子は香奈程ではないが、高い骨董品を集めるのが趣味らしいとの情報も持っていた。幻の陶工と謳われていた おやっさん が又作陶する話がある。しかも神三郎への感謝の気持ちで作りたいと言っている。あの安いよスーパーで頼んでもらえませんか。付け届けだ、ナンダカンダと疑惑も招くような事を避けるため、最高ランクの15倍程度の金をつけたら、ちょっとした 美術品を超えるので 言い訳は出来る


 


カヨコファイナンシャルの奴らにとっては加代子の買う骨董品の額を知っていた。この15倍程度の金ではなかった。香奈は国宝級の骨董を簡単に買うが、加代子もそれに近い。加代子はそれが手に入ると暫く上機嫌になる。


 


加代子が喜ぶと追及は甘くなる、加代子は香奈程ではないが、結構運営の細かい矛盾点への追及は厳しいのだった。加代子もカヨコファイナンシャルの税務ゴロ、会計ゴロがしている事は ぼんやりとは 知っていた、行き過ぎでなければ、細かく追及はしない、行き過ぎと思った時はナンダカンダと煩く聞いていた。


 


加代子に聞いたら、


そうだね 幻の陶工さん が、神三郎さんへの感謝の気持ちで作ってもらうのは大層有難い、頼んでみなよ


 


加代子は そんな金の額は一切気にしないのだった