僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

エレクトーン教室

2011年05月16日 | モミィの成長日記

先週からモミィが駅前のヤマハ音楽教室に通い始めた。毎週火曜日、午後4時半から約1時間。 幼児教室2年間のコースである。

それに先立ち、教室の斡旋を受けて、エレクトーンを購入した。以前にも書いたけれど、お値段は20万円。途中で辞めるな~んて言わないでよ、モミィ。

先月に体験レッスンというのがあり、僕と妻の2人が付き添った。何人かの幼児が来ていて、横にそれぞれママがついている。始まる時、講師の女性の方が僕たちを見て、
「あ、おひとり、モミィちゃんの横に座ってあげてください」
そう言うと、妻が僕に「お願い、行ってよ~」という目をした。仕方なく、僕がエレクトーンの前に、モミィと並んで座った。妻は、後ろの見学用の椅子に座って、僕たちを見ていた。

ということで、
いつのまにか、僕がモミィのエレクトーン教室係になってしまった。

そして先週の火曜日の午後4時半。大雨が降りしきる中、合羽を着せたモミィを自転車に乗せ、教室のある駅前のビルへ走り、第1回目のレッスンに臨んだ。

「は~い、みなさ~ん、はじめましてぇ」 
と、中年の女性講師の先生が笑顔でごあいさつ。

教室を見渡すと、モミィを含めて7人の幼児がレッスンを受ける。横に座っているのは僕以外はみんなママである。中には2~3歳の小さな子を抱きかかえて座っているママもいる。

レッスンが始まった。といっても、すぐにエレクトーンのふたをあけて鍵盤を叩くってことはしない。

「ぷらいまりー1」  というテキストの最初の曲 「だいすき!」 という歌を全員で合唱する。 その前にCDがかかり、続いて先生のエレクトーンの伴奏で、合唱に入るのだが、その際は 「お母さん方もごいっしょにお願いしま~す」ということで、子どもたちにまじって、大人たちも合唱に加わるのだ。お母さん方 … ってなぁ。まぁ、いいけど。

ちょっと恥ずかしいけど、そうも言っていられない雰囲気である。

♪ なんてすてきなんだろう いっしょにきいてるだけで こころにきぼうが~♪

という歌だけど、不幸なことに、僕はこの歌を知らない。

体験レッスンの時にもらった簡易テキストとCDに、この歌が入っていた。だからモミィは事前に家で聴いていて、この歌を知っていたけれど、僕はダメ。細川たかしや沢田研二なんかの歌謡曲なら、目をつぶっていても歌えるのに。こういう歌は、カラオケでも歌ったことないしなぁ (当たり前やがな)。

曲を聴きながら音符つきの歌詞をにらみ、それに合わせて何とか合唱に加わる。横でモミィが、大きな声を張り上げて、「ららら だいすき~ ららら…」 と、外れた音程で一生懸命に歌っている。やっと歌が終わって、ふう~っと大きなため息が出た。脈拍が乱れそうである。

「はい、では次に 『しゅっぱつ ぷらいまりー』 のページをあけてください」
はぁ? それって、どこ? どこ…? 何ページ
僕はキョロキョロ周囲を見て、他のママたちがそのページをあけているので、「え~っと、どこでしたっけ?」  と、近くのママに尋ねる始末。それを見て、先生が 「大丈夫ですかぁ…」 と心配して声をかけてくれる。

ようやくページが見つかったときには、先生はもう次のことを言っている。
ということでね、み~んな、このロケットのシールをここへ貼ってみようね」

「ん…? ロケットのシール…? どこ…? ロケットのシールってどこ…?」
先生がまた「大丈夫ですかぁ…」 と心配そうに声をかけてくれる。
「あ、すみません。 そのシールは、どこにあるんですか?」と僕はアセる。
「この本の、一番後ろのページにあります。それを、貼ってくださいね」
他のママたちは子どもに指示をして、すでにシールは貼り終わっている。

あぁ、僕だけがついて行けず、みんなの足を引っ張っているのである。                                        


「できましたかぁ。 じゃぁね。 み~んな、前に出てきてくださ~い」
子どもたちだけがぞろぞろと前に出る。そして、自分たちの名前を言って自己紹介をしていく。このあと、まさか、保護者の自己紹介なんて、やらないだろうなと、心配したが、それはなかった。 やれやれ。
 
それからようやくエレクトーンのふたを開け、スイッチをONにする。ドレミのドの位置を覚える練習だ。
「はい、ド・ド・ド~」 
「もういちど、はい、ド・ド・ド~」
先生の声に合わせて、子どもたちはドの位置をポンポンポンと叩く。

そして次は音楽が流れ、そのある部分が来ると、「はい、ここで、ド・ド・ド~と押します」 と説明を受け、音楽を聴きながら、その部分が来るとモミィに、「はい、ド・ド・ド~」 と言って、ドの鍵盤を叩かせる。

そのほか両手の指の動かし方など、いろいろなことをした1時間であった。ず~っと嬉しそうな顔をしていたモミィより、僕の方がはるかに疲れた。

付き添い、というから、横で座って見ているだけでいいのだと思っていたが、そんな気楽なものではなく、僕自身がレッスンを受けているかの如くである。うっかり聞き逃すと、たちまちわからなくなり、モミィに指示をしてやれない。

レッスンが終わった時、先生がニコニコしながらやって来て、
「これからもずっとパパが来られるのですか?」 
と、僕に尋ねた。パパ ??? 
しかし、すぐにはそれを否定しない僕であった。

「ええ、そうです。僕が毎週来ます」 と答え、「でもね~、ちょっと、ついていけませんね~」 と苦笑いした。
「まぁ、そんなことおっしゃらないで」 と先生はさらに目を細め、「何でも構いませんので、ご遠慮なく聞いてくださいね」 と言ってくれた。

教室を出るとき、僕は先生を呼びとめ、耳元でささやいた。

「あのね。僕はパパではありません」
先生は、「はぁ…?」 という顔で僕を見た。
「僕は、パパのパパなんですぅ」
「え~? あらぁ、まぁ、お若いのに
「シーっ。 内緒、ですよ」 
と僕は人差し指を自分の口に立てた。

先生は大笑いし、僕もゲラゲラと笑った。

 …………………………………………………………………………

明日はまた火曜日。 2度目のレッスンの日だ。この1週間は、僕もテキストに目を通したり、エレクトーンの説明書を読んだり、レッスン中に戸惑わないように、今度はそれなりの予習をして臨むつもりだ。

もちろんモミィにも、毎日CDを聴かせ、エレクトーンのドの位置の練習をしたりと、次回に備えて、いろいろと慣れさせることを重点的に復習・予習をさせている。

夕飯を終え、モミィが妻とお風呂に入るまでの間、最低30分間は、毎日、エレクトーンに関する練習に時間を費やすことにした。

また新しい日課がひとつ増えた。

 

 

 

 

 

コメント (4)
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