石原延啓 ブログ

seeking deer man

nobuhiro ishihara blog 

山窩

2011-07-20 20:31:24 | Weblog


コバちゃんから隆慶一郎本をどっさり手渡されてからすっかりはまってしまい「吉原御免状」「かくれさと苦界行」ときてつい先頃「鬼麿斬人剣」を読み終えた。相変わらず裏日本史、網野善彦ワールドをいっていて興味深い。そして何と今回の主人公・鬼麿は何と山窩(サンカ)出身だった。

繋がるときは偶然が重なるもので、実家に置いてあった五木寛之の対談集をパラパラめくっていたら「幻の漂泊民・サンカ」の著者(沖浦和光)との対談があるのにびっくり。そして五木さん自身「風の王国」というサンカ小説を書いていたことを知った。
サンカとの出会いは、これまた実家に棄てておかれた沖浦さんの本に興味を持ったもの。とは言ってもそのまま本棚に眠っていたのを最近再発見しただけで未読です。
おまけは本棚整理中に久しぶりに手にとったつげ義春の本にインタービューがあって、何とつげさん自身がサンカにあこがれていると述べているではないか!

今年は東北をテーマにやりたいと思っていたら大震災が起きてしまったが、なぜ今東北なのかというと、ステレオタイプではない「日本」の別の顔を見いだしたかったから。サンカなんかもすでに歴史に埋もれてしまった「いろいろな日本」のひとつなのではないかな。現実にこれだけありえない事が続くと、色々な価値観を洗い直すのもまた一興かと思う次第です。