石原延啓 ブログ
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12月17日発売の「美術手帖」2010年1月号のアクリリックス・ワールドのコーナー(P.181~185)で特集されています。

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12/16,17と素晴らしい体験をさせてもらいました!!
先日友人の白洲さんから誘われた奈良・春日大社の若宮おん祭りに行く事を決意、日程調整していざ奈良へ向かう。
偶然に前日「御開帳拝観おたく」である父の秘書さんから「今、京都の青蓮院で青不動の御開帳をやっていますよ。12/20までだから見てきたら?」と勧められていたので途中京都に立ち寄ることにした。
実は幼稚園児の頃にこの青不動像や三井寺の黄不動を本で観てえらく感動した経験があり、言ってみれば私が絵描きになる原点になった絵のひとつとも言える。
実際の青不動は期待以上に素晴らしいものだった。
思った以上に大きな絵で発色も素晴らしい。何と言っても座りが良いとでもいうのだろうか。観ているだけでお腹に力がみなぎってくるような、正に不動明王にふさわしい図像でした。混んでいると聞いていたわりには比較的近くでゆっくりと観る事ができたのも良かった。

奈良に着くとホテルにチェックインしてからプレイベントである宵宮祭を見にそのまま春日大社へ。途中で歩道から逸れて無性に飛火野と呼ばれる野原を歩きたくなる。ここは何だかまるまるとしていて私が持つ奈良のイメージさながらに大陸的な雰囲気を感じさせてくれる場所だった。
そこから石灯籠が並ぶ参道に入り本宮でお参りし若宮へ。
夕方4時頃から始まった宵宮祭は祭本番前のプレイベント、明日神様が降りた後始まる各種奉納のリハーサルとも言うべきか。驚くべきことに春日大社は町中にありながら全く開発の手を逃れて小さな山ひとつ分の原生林が残されている。原始の空気を色濃く残した山肌に抱かれる若宮でプレイベントとなる儀式を見ながら、この後深夜より始まる遷幸の儀への期待が嫌をなしに高まった。
そのまま奈良町まで出て夕食をとる。非常に寒い日で暖をとる為にお嫺をつけたら飲み過ぎてしまった。

私は幸運にも神社主催のツアーみいたいなものに参加させてもらい10時過ぎに再度境内へ向ったが、ホテルから集合場所までの路が暗いので驚く。奈良の街は街灯がほとんど無い上に参道へ入ってしまうと私以外誰もおらず暗闇の中をひとり歩いた。正直夕方に一度訪れておいて良かった。時折鹿がキィーっと鳴くのだが、何も知らずにこんなところへとり残されたら震え上がってしまうことだろう。しかしながら闇に眼が慣れてくると新月とはいえ森に比べて空が明るいことに気づく。星明かりかあるいは街の明かりが空の雲に反射しているのか歩いている自分の影までもが見える気がする。いよいよテンションがあがってきたぞ!

集合場所で様々な説明を受けた後、11時半頃若宮へ向けていざ出発。神社のスタッフに懐中電灯で足下を照らしてもらいながら二の鳥居の中まで入れてもらう。私の立ち位置は夕方観た山の裾野にある小さな鳥居の前だった。この鳥居の奥には祠があるわけでもなく山の斜面が続いているのみ、そのまま森へと続いている。鳥居から吹き下ろしてくる冷たい風に思わす身震いしたが、果たしてそれは寒さからだけだったのだろうか。

午前零時、突然境内全ての照明が消える。ある程度目が慣れているので完全な闇にはならない。すると数百メートル先の若宮がある辺りから神様にお知らせする口上が聞こえてきて笛が三度鳴った。(笛を使うのは神様に直接お声をおかけするのは恐れ多いという理由だそうだ。)そこから辺りはただならぬ雰囲気になってくる。雅楽の音色が奏でられ、榊を手にした神職が神様が遷られた巨大な御幣を幾重にも囲みながら近づいてくる。全員が口々に間断なく「ヲー、ヲー」という警蹕(みさき)の声を発っしている。得体の知れない空気(例とするならば百鬼夜行の眷族たちとも言うべきか)があちら側からやってきて実際に目の前を通り過ぎるのを実感した。私は思わず頭をたれて手を合わせてしまった。

実際に体験する前はもっともの静かで清々しいものではないだろうかと想像していたのだが、どうしてどうしてこの神様は地から溢れ出る荒々しい原始の力を醸し出していた。

その後神職たちの行列のあとについて参道を下り、お旅所へ到着。若宮様(神様)がそこに鎮座され、巨大な太鼓がドーンと叩かれる。空を見上げると満点の星空で、私はその時一瞬自分を見失い、一体何処にいて何をしているのか分からなくなった。
何とうい凄い儀式に立ち会ってしまったのだろう。

酷寒の中、小一時間ほど奉納の舞などを見ながら「神」についてつらつらと考えた。
「神」とはそこにある何かしらの空気のようなものを人間が抽出しようとする行為によって初めて立ち上がるものではなかろうか。例えば自然の中にただ空、海、山、河が並んでいるのを人間が意識し切り取ることではじめて「風景」になるように。
しかしそこには確かに当たり前に「何か」があるのだ。古来人間はそういう抽象的な空気のようなものに慣れ親しみ暮らしてきた。現代は情報化社会と言われながら、実はそういった次元の膨大な情報をどんどん失っている時代なのではないだろうか。

午前2時過ぎヘトヘトになってホテルに戻る。さーて風呂入って寝るかーと思っていると白洲さんから「今、小西町で飲んでるから来なよー」と電話が入る。
結局5時半まで飲んでドロドロになりました、ジャンジャン。
(今回この素晴らしい祭りに誘って頂いた白洲さんには多謝多謝であります。また、鹿男の展覧会を無事に終えることが出来たので、鹿にゆかりの春日大社にお参りでできたのは良かった。次は鹿島神宮参拝かな。)

写真は左より、飛火野の鹿、春日大社の参道、若宮様が鎮座された後のお旅所の様子




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本日(12月11日)の ジャパンタイムス にレビューが載りました。
http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/fa20091211a2.html

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11/30
久しぶりに友人の白洲信哉さんと飲む。
辛口の白洲さんが私の展覧会をどう観てくれるのか内心ドキドキだったが、
思いの外すんなりと理解して下さった。「日本の根源的なところをやろうとしているのはすぐに解ったよ」とのこと。ありがとうございます。
思いの外と言えば、「あれ?白洲さんってこんなにシャイな紳士だったっけ?」と少し変わられたなという印象をうけた。
だが、しかし、けれども心配ご無用でした。その後飲みに行きガソリンを注入するとべらんめえ口調全開、毒舌の嵐。安心しました!
素晴らしい酒と魚をご馳走に成り沈殿しかけたはしご酒三軒目のバーで写真家の鈴木理策さんが合流。お土産と称してしゃれこうべ3体が写ったご自分の写真を渡して「セザンヌって凄いよなー。3って数もやばいよねー」と酔った頭には厳しすぎる命題を頂戴する。話は以前にも話題となった岡本太郎や被写体との距離などの話になる。横で信哉さんは撃沈、オーダーストップでお開きとなった。酔ってない時に話してぇー。
日本とは何なのか?白洲さんは日本の文化の根源に迫る大変興味をそそられるお仕事をされていると思う。そして深い意味での「日本」を残した場所は何処なのか、様々な情報を教えて頂いた。遠野の鹿踊りやお水取り、熊野の火祭り、ブログに出てた早池峰神社、勤労感謝の日と新嘗祭りなどなど話は尽きない。中でも今月中頃春日大社のお祭りは秀逸とのこと。来年の諏訪大社・御柱と共に見逃せなさそう。

12/4
展覧会期前半に作家の猪瀬直樹さんが来廊して下さっていたのだが、その後この日に食事へ誘われる。その前に高校からの友人の赤羽祐太が画廊に来てくれて古武道、サンバなどの身体論を延々と話す。これはとても楽しくて時間を忘れた。
そう時間を忘れて猪瀬さんとの待ち合わせに大遅刻の大失態。幸い猪瀬さんも予定がおしていたらしくぎりぎりセーフ(だったのかな?すみませんです。)
猪瀬さんのオフィスは意外(?)にも超おしゃれ。内田繁氏デザイン、高さ10mと書庫の塔は圧巻だった。さすがに仕事(勉強)されているなー。
えらく強面な方なのではと緊張していたが気さくなお人柄でとても楽しい時間を過ごさせて頂く。
意外にも私の仕事をとても深いところまで理解していて下さり、古事記の黄泉比良坂の話には人間が「死」に触れることで初めて「意識」を持ったという意味があるのだとのこと。それをどうしても私に言いたかったのだそうだ。ありがたいです。本当に勉強になった。無意識から意識を抽出するという作業をしているのだったら大切なポイントだ。女房どもは無意識の中を生き続けるのだから意識を抽出する必要なし、こういう話は理解しなくてもよいのだというメンズトークの落ちもつき楽しい会でした。
それにしても博学な方だ。驚いたのは私が敬愛する網野善彦氏と対談して「天皇の影法師」という自著にあとがきまで書いてもらっていたそうな。この中で八瀬童子の話は特に面白かった。こういう事細かい象徴的な存在からも「国家」という構造をあぶり出し、考えていくことをライフワークにされているようだ。それにしても猪瀬さんから八瀬童子の話が出るとは!
その後終電に乗って大学の同期の忘年会に参加、ボレロにリズムに乗って徹夜でジェンガ大会。撃沈。

写真は怖すぎる早池峰神社の神様(©白洲信哉)と「天皇の影法師」猪瀬直樹 著

白洲信哉さんブログ>>http://www.shirasushinya.jp/blog/index.html

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