日本新聞協会が主催する、「新聞配達に関するエッセーコンテスト」の発表があり、ホームペジをのぞいてみました。「大学生・社会人」「中学生・高校生」「小学生」の三つの部門に分けて、各賞が掲載されていす。一点、社会人部門最優秀賞を転載します。
最優秀賞
「新聞がくれた勇気」
水野 貴子(49歳) 熊本市
「心をこめてお届けします」
(朝日新聞社提供)
平穏な夜に突然、熊本に地震が来た。
避難先で夜を明かし、自宅へ戻ったら、いつものように新聞があった。いつもと変わらず玄関ドアのポケットに新聞があった。ああ家に無事帰れたと、ほっとした。
ほっとしたその夜、また熊本に地震が来た。一瞬死を覚悟するほどの大きな地震だった。揺れやまない大地、漆黒の夜、サイレンとヘリコプターの音。バッテリー残量が心もとないスマホを握りしめて、車中で震えて過ごした。
一睡もできず、もうすぐ夜明けかという頃、一台のバイクが走り抜けた。わが目を疑った。前かご、後ろかごに載っているのは新聞である。こんな非常時の朝、定刻に新聞が配達されている。
熊本の人はみんな被災者だ。配達員の彼も被災者だ。なのにいつものように、当たり前に新聞が配達されている。ここに日常がある。いつもの朝がある。
停電の日々、毎朝夜明けとともに避難先から帰宅すると、玄関ドアに新聞があった。日常はきっと取り戻せると確信した。(以上)
さすがプロですね。
最優秀賞
「新聞がくれた勇気」
水野 貴子(49歳) 熊本市
「心をこめてお届けします」
(朝日新聞社提供)
平穏な夜に突然、熊本に地震が来た。
避難先で夜を明かし、自宅へ戻ったら、いつものように新聞があった。いつもと変わらず玄関ドアのポケットに新聞があった。ああ家に無事帰れたと、ほっとした。
ほっとしたその夜、また熊本に地震が来た。一瞬死を覚悟するほどの大きな地震だった。揺れやまない大地、漆黒の夜、サイレンとヘリコプターの音。バッテリー残量が心もとないスマホを握りしめて、車中で震えて過ごした。
一睡もできず、もうすぐ夜明けかという頃、一台のバイクが走り抜けた。わが目を疑った。前かご、後ろかごに載っているのは新聞である。こんな非常時の朝、定刻に新聞が配達されている。
熊本の人はみんな被災者だ。配達員の彼も被災者だ。なのにいつものように、当たり前に新聞が配達されている。ここに日常がある。いつもの朝がある。
停電の日々、毎朝夜明けとともに避難先から帰宅すると、玄関ドアに新聞があった。日常はきっと取り戻せると確信した。(以上)
さすがプロですね。
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