仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

仏教婦人会綱領が改定⑨

2018年04月30日 | 浄土真宗とは?

“男らしさ”の続編です。図書館から『 男性権力の神話 ―《 男性差別》の可視化と撤廃のための学問』(ワレン・ファレル, 訳久米 泰介)を借りてきました。

平成28年度 男女共同参画社会国民白書“「結婚後は,夫は外で働き,妻は家庭を守るべきだ」という考え方に対する賛成者の割合の世代別特徴(男女別)”を見ると、どの年来体も中高卒で10%、大卒で20%男性の方が高く、男性の方が、より性差を強く持っているのかもしれません。

 『男性権力の神話』の著者は、女性差別と当時に,男性差別の存在を可視化し,その抑圧性を問われなければならないと主張しています。本の最初には,家族社会学者の山田昌弘氏の推薦文が添えられ、「日本でも,男性の平均寿命は女性より七歳短く,自殺率は高い。何よりも『男性が妻子を養うべき』という意識はアメリカ以上に強い―中略―確かに権力をもって,それを十分に使い優位に立っている男性もいるだろう。しかし,権力をもっていると言われながら,社会的に生きづらい男性が増大していることは確かなのだ」と指摘しています。

『男性権力の神話』では、さきの「男子は短命」のデータが示されています。その部分だけ紹介します。

資料一1920年、合衆国の女性の平均寿命は男性より一年長かった。現在女性は七年も長く生きている。男女の寿命スパンのギャップは7倍にも増えている。
もしこれが黒人が白人よりも平均的に六年早く死ぬということであったら、我々はこれはアメリカ社会において黒人が被差別者であることを反映している結果だと認めるだろう。しかし、男性が女性より平均して七年死ぬのが早いということが、アメリカ社会において男性が被差別者であることを反映している結果とみなされることはめったにない。


平均寿命の期待値というのは、私たちの人生のストレスと人生の報酬の比率によって作られる数値である。

男性性研社会的弱さとしての自殺
 ちょうど平均寿命というものが強者であるということを表す最も良い指標のうちの一つであったように、自殺というのは社会的な弱者であることを表す最も良い指標のうちの一つである。
 
男子も女子も9歳まで彼らの自殺率はほぼ同じである。

10歳から14歳では男子の自殺率は女子の2倍になる。
15歳から19では4倍。
20歳から24歳ではおよそ6倍にも高くなる。

85歳以上の男性の自殺率は同じ年齢の女性にくらべて13.5倍高い。(以上)

社会全体が男らしさに縛らてれ、男は、さまざま不利益を被っているとあります。

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仏教婦人会綱領が改定⑦

2018年04月29日 | 浄土真宗とは?
“らしさ”からの開放は、男性についても言えることです。以前、このブログに次のようなことを書いています。


自殺が1997年から連続して3万人を越えています。そのうち4割が中高年男性です。自殺の理由は、色々言われていますが、その中で「中高年男性がジェンダーに捕らわれているがゆえの弱さ」という視点があります。京都府立大学の高原正興氏が「自殺から見えてくる中高年男性の生きにくさ」(『現代の社会病理』NO25・2010)と題して次のように書いています。

「男よメンツ捨て相談を」と題した新聞報道(朝日2009.9.3)にに、全国49ヵ所の「いのちの電話」に寄せられた相談は男女半々であるが、50歳代以上では男性は35%に止まり、自殺者のうちで精神科の受診や家族への相談は男性の方が少ないとされている。そして、「中高年を中心に悩みをなかなか口に出せない男性」が多く、「男は弱音を吐いてはいけないという文化が男を苦しめている」という指摘を紹介されていました。男は“こうあるべき”という意識が、自らの弱さの受け入れを拒み自死を選ぶということでした。(以上)
 
「中高年男性がジェンダーに捕らわれているがゆえの弱さ」を問題として「彼らが自殺に至る「弱さ」を補完すべき家族・地域などの社会集団の統合は既に弱まっていて、それらは癒しや受け皿としての機能を果たせなくなっている。したがって、上述のような経済的要因と精神的ストレスを媒介する社会的要因(病める関係性)には、ジェンダーゆえの病める関係性も含まれているといえる。」と指摘されています。(以上)(つづく)
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みあとを訪ねてー福井

2018年04月28日 | 都市開教
27日(30.4月)、「親鸞聖人のみあとを訪ねて」福井駅からあわら温泉まで歩いてきました。昼食の関係で少し遠回りをしたので25キロといったところです。参加者14名でした。9時出発、到着は17時でした。

途中、今回参加されていた西方寺世話人の端さんの実家により、立派な仏壇の前でお勤めしました。両脇の9.10字名号は、蓮如さまの直筆で、普段の信仰区生活がうかがえました。端さんいわく、この当たりでは、朝の参拝は、朝早く働く人がいるんどエバラバラの時間でお勤めして、夕食がすんでから皆がそろって正信偈をお勤めするとのことでした。
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「仏教婦人会綱領が改定」⑦

2018年04月27日 | 浄土真宗とは?
「仏教婦人会綱領が改定」⑦

「み仏の願いにかなう生き方をめざします」とあります。み仏の願いにかなう生き方とは「自他ともに 心豊かに生きることのできる社会」を目指すということです。

「自他ともに 心豊かに生きることのできる社会」とは、ひとりひとりの尊厳が傷つくことなく、その能力を充分に開花することができる社会が実現されることです。

いのちの尊厳を傷つける暴力には、戦争、いじめ、殺人事件なの直接的な暴力と、大気汚染、貧困、飢餓、差別、環境破壊、人権抑圧、医療や教育の遅れなどの構造的な暴力があります。

現代は、利潤・効率・便利さなど欲望を肯定する社会だといわれていまが、一見、きらびやかなライトアップされた社会の裏には、人間関係の疲弊や孤独、格差など、現代社会特有のいのちの尊厳が損なわれかねない状況があります。

 仏教婦人会綱領に「み仏の願いかなう生きかたをめざします」とあるように、すべての人を慈しんでくださる阿弥陀さまの願いを大切にして、浄土真宗のみ教えを聴聞し、御同朋の社会の実現を目指していくということです。
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宇佐市四日市別院

2018年04月26日 | 日記
仏婦綱領は一休み。その綱領をテーマにした法話で、昨25日、大分教区の婦人会総会に出向しました。開催場所は宇佐市四日市別院。日帰りですが、大分空港からレンタカーを借り、約一時間15分、車の中からですが、大分の新緑を充分に楽しみました。

四日市別院は、聞いてはいましたが大きな伽藍でした。

ウィキペディアには、次のようにあります。本願寺四日市別院(ほんがんじよっかいちべついん)は、大分県宇佐市大字四日市にある浄土真宗本願寺派の寺院である。真宗大谷派の真宗大谷派四日市別院(東別院)と隣接し、西別院とも呼ばれる。このように両派の寺院が隣接する景観は他の地域では見られないとされる。江戸時代には九州御坊と呼ばれ、九州の同派寺院を総監する大寺院として栄えた。
西別院本堂は間口約30m、奥行約26mの九州最大級の木造建築で、2016年に境内の他の堂宇とともに国の登録有形文化財に登録された。
(以上)

大きな伽藍で、少人数では寂しいのですが、550人の方が参加されていました。本山の出版社も出張販売に来ており、集会を盛り上げていました。出張販売のようなお楽しみが、もっとあっても良いのではないかと思いました。

本当は、わたしの本を販売したら良いのですが、これは自重しています。550人の女性を見ながら楽しく話すことができました。
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