“男らしさ”の続編です。図書館から『 男性権力の神話 ―《 男性差別》の可視化と撤廃のための学問』(ワレン・ファレル, 訳久米 泰介)を借りてきました。
平成28年度 男女共同参画社会国民白書“「結婚後は,夫は外で働き,妻は家庭を守るべきだ」という考え方に対する賛成者の割合の世代別特徴(男女別)”を見ると、どの年来体も中高卒で10%、大卒で20%男性の方が高く、男性の方が、より性差を強く持っているのかもしれません。
『男性権力の神話』の著者は、女性差別と当時に,男性差別の存在を可視化し,その抑圧性を問われなければならないと主張しています。本の最初には,家族社会学者の山田昌弘氏の推薦文が添えられ、「日本でも,男性の平均寿命は女性より七歳短く,自殺率は高い。何よりも『男性が妻子を養うべき』という意識はアメリカ以上に強い―中略―確かに権力をもって,それを十分に使い優位に立っている男性もいるだろう。しかし,権力をもっていると言われながら,社会的に生きづらい男性が増大していることは確かなのだ」と指摘しています。
『男性権力の神話』では、さきの「男子は短命」のデータが示されています。その部分だけ紹介します。
資料一1920年、合衆国の女性の平均寿命は男性より一年長かった。現在女性は七年も長く生きている。男女の寿命スパンのギャップは7倍にも増えている。
もしこれが黒人が白人よりも平均的に六年早く死ぬということであったら、我々はこれはアメリカ社会において黒人が被差別者であることを反映している結果だと認めるだろう。しかし、男性が女性より平均して七年死ぬのが早いということが、アメリカ社会において男性が被差別者であることを反映している結果とみなされることはめったにない。
平均寿命の期待値というのは、私たちの人生のストレスと人生の報酬の比率によって作られる数値である。
男性性研社会的弱さとしての自殺
ちょうど平均寿命というものが強者であるということを表す最も良い指標のうちの一つであったように、自殺というのは社会的な弱者であることを表す最も良い指標のうちの一つである。
男子も女子も9歳まで彼らの自殺率はほぼ同じである。
10歳から14歳では男子の自殺率は女子の2倍になる。
15歳から19では4倍。
20歳から24歳ではおよそ6倍にも高くなる。
85歳以上の男性の自殺率は同じ年齢の女性にくらべて13.5倍高い。(以上)
社会全体が男らしさに縛らてれ、男は、さまざま不利益を被っているとあります。