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仏教ライフを考える西原祐治のブログです

どうやって書くのが正しい?

2024年03月22日 | 日記

『どうしてそうなった!? いきものの名前: 奥深い和名と学名の意味・しくみ・由来』(2023/12/26・丸山貴史著、岡西政典監修)、から「へー、そうなんだ」と思った話題を一つ転載します。

 

どうやって書くのが正しい?

 

  • NHKの基準

 みなさんは、日本語で生きものの名前を書くときに、「ひらがな」「カタカナ」「漢字」のどれを使いますか。もしも、あなたが個人的な文章を書いているのなら、どんな表記でもよいでしょう。でも、博物館の展示パネルや、幼児向けではない図鑑など、生きものを科学的に紹介するときには、必ずカタカナで書かれます。

 この、カタカナで書くというルールは、各生物分野の学会で個別に定められたものです。なので、生物学を意識した文章を書く場合は、カタカナ表記が適切だといえるでしょう。ただし、すべての生きものの名前をカタカナ表記すべきなのかというと、そんなことはありません。たとえば料理番組では、こんな表記が見られました。

 

 豚、牛、鶏、わに(ワニ)まぐろ、たら、かに、大根、にんじん、ごぼう、じゃがいも、たまねぎ、春菊、菜の花、キャベツ、レタス、さやいんげん、ほうれんそう(ほうれん草)、梅、オリーブ

 

 一見しかところ規則性がないように思えますが、どのようなルールに則っているのかわかりますか。調べてみたところ、NHKには料理番組に限らす、次のような基準があるそうです。

 

基本ルール

 

 動物や植物(含む野菜)を表す漢字が常用漢字表にあれば漢字。なければひらがなで書きます。学術的な場合は、力夕力ナで書きます。

 ひらがなで書くのは、動植物名を表す文字が常用漢字や常用漢字音訓表に含まれていない場合です。動物では、「とら」「くま」など、植物では、「ひのき」[らん]など。動植物名のほとんどがこれ(ひらがな表記)にあたります。

 動植物名を、学術的名称として使う場合には、カタカナで書くことになっています。例えば[バラ科]「サクラ属」。

 ※ただし、上記によらず、外来語はカタカナ表記。(著者注)

      (NHK放送文化研究所)より抜粋

 

なんと、基本は漢字で常用漢字にない場合はひらがな、そして、分類名のような学術的名称のみカタカナというルールなのだそうです。ただし、このルールにも、愛昧なところがあります。たとえば、「菜の花」は漢字仮名まじり表記ですが、「玉ねぎ]という表記は使われていません。「にんじん]は漢字で書くと「人参」なので、どちらも常用漢字ですが、「参(じん)」という読みが常用漢字表にないので、[人じん]という奇妙な表記を避けて、ひらがな表記にしているのでしょう。また、[じゃがいも]は外来語である「ジャガタラ芋」に由来しますが、「ジャガいも」とは表記されません。そして、「わに」や「ほうれんそう」には、「ワニ」「ほうれん草」という「表記のゆれ」が見られます。

 さらに、ニュース番組においても、「熊に襲われて崖から転落」「69歳の男性がクマに襲われた」というように統一されていないことがあり、内部規程を遵守していそうな雰囲気のあるNHKも、生きものの名前の表記に関しては厳密でないようです。(以上)

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