猫のキキとヒゲおじさんのあんじゃあない毎日

『あんじゃあない』って、心配ない、大丈夫っていう群馬の言葉、いい歳こいたキキとおヒゲのどうってことない前橋の暮らしです

病と向き合うことに専念してました。12日間も勝手に休んでしまって、すみません…

2019-02-25 06:19:25 | あんじゃあない毎日

昨日の午後、家へ帰ってきました。留守続きでごめんなさい。
2月13日から24日まで12日間も家を離れていました。こんなことは、このまちへ戻ってきた26歳の春から49年間、一度もなかったことでした。

留守している間は、キキが代りを務めてくれましたけど、「顔出し」しかできなくなっているものですから、ほんと、申し訳ありませんでした。お許しください。

家を離れている間、ドイツ生まれの「連れ戻り人形」と野村たかあきさんが描いてくれた「猫又」になったキキが一緒してくれていました。
ドイツ生まれの「連れ戻り人形」は、まだ名前を付けてないのですが、吉駒伯母さんが東京のホテルで倒れて、東京女子医大と慶応大学病院で心臓病の治療を受けたとき、病院の付き添いに派遣した人形です。そして、しっかり、伯母さんを前橋に連れ戻してくれたんです。中央通商店街の黒田人形店のおかみさんの紹介で知り合った人形なんです。
それから、生前のキキは、歳をとったら「猫又」になれると信じていたようです。それで、野村たかあきさんにお願いして、猫又になった姿を描いてもらって、たいそう喜んでいました。
<ちょっと、ちょっと、そんな話よかさ…>

 

 <nanashiさんからさ、「……心配するわけです。どうしてとか。再開時には「なぜ」「どうして」とかいろいろお話するわけですよね。 そうじゃないと、気持ち悪いわね。ブログ拝見しているものとして……」、厳しいコメントが入っているじゃない、オヒゲ自分のことだとデレデレでダメなんで、代ってあたしが説明しますね…>

 <おヒゲはさ、1月の初めに病気の疑いがかけられました。見っけてくれたんは、朝日町の加藤外科内科医院の副院長さんでした。それでね、知り合いの方にその道の専門医を紹介してもらって、全身くまなく検査したんです。それが1月のこと…
それで、野村さんや有砂さんと文学館のお仕事した直後に、検査結果から二つの病気があることが確定したんです。2月の6日のことだったかな…
主治医のお医者さんは、検査結果に基づいてすぐに治療計画を作ってくれました。おヒゲもその計画を受け入れ、病気の治療が始まったんです>

 <治療計画はね、2月と3月にそれぞれ一回ずつ、2週間入院して、お医者さんの管理下でお薬による治療をするんですって。間を置いて2回なんです。
それで、4月はようすを見て、5月になったら前のと違う方法で治療をするっていう計画なんです。
こういう計画の一期目の治療のために、2月12日のお昼頃に入院してさ、昨日のお昼過ぎにお許しが出て帰って来たんです。こういうことなんです…>

 <お部屋全体が見まわせる高いところから見張ってたんだけど、おヒゲはさ、模範囚だったのよ。じゃない、じゃない、「模範患者」として努力してました。いつもと全然違うのね、良い子ぶりっ子してさ、笑顔で、明るく振る舞って…、スタッフの皆さんから一度も叱られることなく、逆にさ、褒められたりしちゃって、そいで、またへらへら、ハエ獲りの秘技まで披露しちゃってさ…
でも、「立派な健康状態」って主治医に褒めてもらえた身体のおかげで、お薬の副作用もとても少なくて、毎日ストレッチしたり、散歩したり、元気元気だったんです。それで、2週間の予定が繰り上がって、少し早めに連れ戻すことができたんです。
すごいでしょ、あたし名前も付けてもらってないのにちゃんと役目を果たしたんですよ…>

これは、見張り役をつとめたドイツ生まれの人形が見たまぎれもない事実です。
この先、しばらくの間、時々出てもらって病気の話をしてもらおうと考えています。まだ。薬の影響で「骨髄抑制」という反応が残っているらしいのです。「感染症に十分気をつけてください」と主治医に申し渡されての退院なんで、行動はだいぶ制約されそうです。しょうがないです。

入院した病院あたりから見ることのできる冬の夕日です。
妙義山の峰の間に日が沈んで行きます。右の峰は白雲山、左側が金鶏山だと思います。

病院の中は写真撮影が原則禁止されています。当然のことです。
そんなわけで、外に出て撮ることができた何枚かの写真のほかは、ご覧に入れることができません。お許しを。

 <ドイツ生まれの人形さんが言い忘れたことがあります。それは、おヒゲの症状に付けられた病気の名前です。
オヒゲに聞いたらさ、「ジジイのニキビだいね…」と言っていました。
「ヒトは誰でも病気になるんさ、猫もそうだろうに。だから、『病名』ってのは大した意味がねえやいね」とおヒゲは言うんです。
「そんなことよかさ、大人になって初めて、簡単におしまいに出来ない病気と付き合うことになって思うんだけど、病気を治すってことよか、病気とうまいこと折り合いつけて、一緒に暮らして行くことの方が大事だと思うのさ…」、なんて言っているんです>

 <入院前に、事情をちゃんと話さなくてはいけない人に会ったオヒゲは、その方から「頑張ってください、頑張って治して、前のように元気に活躍してください!」って激励されて困っていたんです。おヒゲにとって、これって無理な話としてしか受け止められなかったみたいです。
病気が治るかどうかは病気になった人の意志で決まるわけではない、医師の知見と技術は絶対に必要ですけど、それだって万能ではない、治らないこともある、治ることもある。おヒゲは当たり前のことを受け入れたんです。
「頑張りません、頑張らないで、のんびり、デレデレやってこうと思ってます。ヒトは、どのみち、病から逃れられないですよね。時間はたっぷりありますから、折り合いのつく暮らし方を考えながらやって行くことにしてますよ…」って、笑いながら話したのですが、真剣に心配してくれているお相手さんは、困った顔をしていました…>

というわけで、私の病名は『ジジイのニキビ』ということでお許しください。
蛇足ですけど、「あんただと、『ババアのフキデモン』だいね」と女性の友人に言ったらさ、プイと横向かれちゃいました。「病名」は相手を見て付けないといけないみたいです。

 

ということで、戻ってきちゃいました。また、2週間ぐらい間をおいてから、病院に入って二期目の治療をしてもらいます。それまでは、毎日、記事を書きます。
家の前に、この家を建てる前から暮らしていたツバキの木があるんです。出かけたときはまだ咲いてなかったのですが、一つ、二つ…、花が咲き始めてました。

二週間の入院期間とその前の検査が続いた間、私の病に取り組みながら、私に病と向き合うことを教え続けてくれた主治医をはじめとする医師の皆さん、外来と病棟の看護師、看護助手、清掃員、事務員などの皆さん、それから放射線技師、検査技師、薬剤師、栄養士、歯科衛生士、ソーシャルケースワーカー、たくさんの医療スタッフの皆さん、ありがとうございました。こんなにいっぱいの皆さんの世話になるのって初めてです。感謝です。ありがとう、また、世話かけます、お見限りなきょうお願いします。

 

  玄関の水鉢のネコヤナギも元気してました。
シャワー浴びて、着替えして、洗濯して、病院から持ち帰ったものを片づけてから、JAファーマーズへ買い出しに行きました。いろいろ買い込んじゃいました。

  ユキ子さんは、昨日も東京の稽古場へ出かけてました。夕方から業界の関係者と会って夕食して帰るって連絡があったんで、簡単な独り飯を作りました。
左は、湯葉とトマトとレタスのサラダ、レバニラ炒め、右はソバです。汁は牛肉、シイタケ、うろ抜きネギをたっぷり入れた温かい汁にしました。しっかり昆布とかつお節で出汁とって、薫り高い汁に仕立てたんです。麺食いの夜になりました。

「あら、ご家族のお迎えないのですか?」、退院を見送ってくれた看護師さんに言われちゃいました。
「連れ合いは、仕事でお忙しなんです、今日も東京へ出かけていて…」
「独りで、お帰りなんですね…」、看護師さんちだって忙しいでしょう、ちゃんと亭主を仕込んでおいた方がいいですよ、とでも言えばよかったのかな…、同情されっぱなしにしちゃっていけなかったみたいです。
元気な「病人」には、退院時の出迎えは無用です!

 キキはよくやってくれました。ブログをまかせた都合で、写真も持たずに、「猫又」の方を連れてったんです。お疲れさまでした。

それなりにしつこい病気みたいです。
でも、あんじゃあないです。なんとかなると思っています。
よく話し合って、付き合い方を工夫して、仲良しして暮らします。

この先も何度か、病気と向き合うことに専念しなくちゃいけなくなりそうです。そんな時は、ブログはお休みをさせていただきます。お許しください。

 

 直派若柳流の若柳糸駒ことユキ子でございます。
祖母の初代若柳吉駒、そして伯母の吉啓、二代目吉駒と昭和12年から続けてまいりました美登利会を引き継ぎまして二年目を迎えました。
本年の美登利会は4月7日(日)に昌賢学園前橋ホール(前橋市民文化会館)大ホールで、二代目吉駒の三回忌追善舞踊会として開催いたします。
二代目吉駒の遺志と教えをしっかり守って、一生懸命つとめてまいりますので、よろしくお引き立ていただきますようお願い申し上げます。

4月8日の第75回美登利会の舞台の様子はコチラでご覧になれます。
お稽古場は前橋市城東町四丁目です。詳しくはコチラをご覧ください

 

 「おばあちゃんのほっこりごはん 野村たかあき展」が1月26日(土)から4月7日(日)まで、会場は、前橋文学館の3階オープンギャラリーで開催されています。