前橋文学館の一階ロビーに不思議なまちの風景がつくられています。
今はもう見ることのできない、なんとなく昔見たような気がするまちの風景なんです。
1月26日から前橋文学館で始まった「おばあちゃんのほっこりごはん 野村たかあき展」の展示です。昨日は、文学館は休館日だったのですけれど、2日の「ほっこりばなしの打ち合わせを兼ねてのぞかせてもらってきました。
野村さんの絵本に出てくるまちの風景が、一階のロビーの壁一面に広がっていました。その前には、おかしな箱みたいのが二つと、自転車が一台…
こういう自転車を覚えている人はみんな年金受給者になってしまっているかな、少しは現役の人もいるかな…、なんです。街頭紙芝居のオッチャンが使っていた自転車、荷台に取り付けられている箱が紙芝居の箱なんです。
私の頃は5円だったかな、水あめを棒に絡めたのを買うと、それが木戸銭、紙芝居が見られるんです。小遣いなくて、あめ買えなくて、少し離れたところから見ようとしていると…
「あっちいきなな…」って紙芝居屋のオッチャンに注意されて、
「タダ見だ、タダ見だ、いけないんだぁ~」なんて、あめ持ってる子たちにはやされちゃって…
そのとなり、この四角い箱は今の紙芝居ができる前の紙芝居なんですね。紙芝居ってさ、日本生まれの、日本育ち、この国の固有文化なんです。
萩原朔太郎研究会の事務局長をしていた紙芝居研究家の石山幸弘(「幸吉」は私の記憶違いでした)さん(前橋市民です)の「紙芝居文化史」(萌文書林刊)によると、紙芝居の源流は「1803年(享和3)年3月、染物の上絵職人だったった亀谷の熊吉より、神楽坂の貸席『春日井』で『「写し絵』が初演された」とされています。板ガラスに絵具で絵を描いて、後から蝋燭の光を当て、描いた絵を映し出す、幻燈みたいなものだったようです。この「写し絵」が紙芝居の源流だそうです。
その後、明治時代に入って創案された「立絵紙芝居」なんだそうです。写真に写っているのは、その立絵紙芝居(たちえかみしばい)がこの写真です。野村たかあきさんが復元したものです。平面的な紙でつくった人や動物やさまざまなものが箱の中で動く、人形芝居のようなものだったみたいです。昭和の初めまで続いていたと、石山さんの本には書いてあります。
(お詫び)石山さんごめんなさい。ボケたつもりもないのですが、石山さんは「幸吉」でなく、正しい名前は「幸弘」です。訂正してお詫びします。
そして、これはもっと珍品、箱の蓋の裏に鏡が付いていて、人形やなんかを箱の底で動かして、鏡に映し出したものを見せる「立絵紙芝居」の一つなんです。これも野村さんが復元したものです。野村さんは、いろんなことする人なんです。
こういう変遷を経て、今の紙芝居、「平絵紙芝居(ひらえかみしばい)」が誕生したんです。
こういう展示、すごく珍しいです。滅多に見られません。
ぜひご覧いただきたいと思います。「野村たかあき展」はすごいのです。
三階の展示場です。野村たかあきワールドが拡がっています。「ばあちゃんの恵方巻き」の原画とともに、版木も展示されてます。この絵本は、墨一色の版画に筆で彩色して描かれています。
野村たかあきさんは、木彫作家、版画家、画家、絵本作家、紙芝居作家、紙芝居復元家、落語研究家、わがまま亭主、親父、そして爺さん、更に酒飲みなんです。
野村さんが書きものする部屋も復元されてます。
部屋の隅っこで猫が寝てます。「ばあちゃんのえんがわ」に出てきた猫ではないです。キキが、新潟県の柏崎まで会いに出かけたネコです。
というわけで、「ばあちゃんのほっこりごはん 野村たかあき展」のほんの一部をご覧に入れました。絵本の原画は会場でおたのしみください。
稽古場の玄関にネコヤナギが飾られてました。
昨日もユキ子さんは東京、私は、前橋赤十字病院の耳鼻咽喉科を受診しに出かけました。
待たされることもなく、とてもスムーズに診察できて、午前11時前に家に戻ってきました。病院の裏からは、ぼやけた赤城山が見えていました。
それから、有砂順子さんと「ほっこりばなし」の打ち合わせ兼ねて、文学館へ出かけたんです。
広瀬川です。交水堰から比刀根橋を眺めてます。冬枯れの風景です。
<どこ行って来たの?>、近所の顔見知り猫です。
「文学館まで…」
<誰かに会った?>
「うん。ネコとマナティー…」
<…………… …>
玄関先の水鉢に挿したネコヤナギが出迎えてくれました。いいね…
野菜を中心に摂食制限の付いた昨日の三食です。
朝食は、鮭のフレーク、豆腐の卵とじ、白米のご飯でした。
昼食は、卵とじうどん、うどんは石田製麺のひも川です。
夕食は、ローストポーク、温豆腐の鶏そぼろかけ、牛肉の煮たの少々、白米のご飯です。
<あんね、ユキ子さんもさ、冷蔵庫の扉に貼り紙したりして、協力してんです。昨日もお帰りは9時過ぎ、おヒゲは一人で先に食べてました。
ユキ子さんの夕食には、ちゃんと野菜もついてて…>
<野菜サラダとローストポークでしょ、カキ菜ときのこのの炒めものとアイリッシュシチューの残り物、野菜だけしか入ってないのね。でも、多すぎたみたい、「お肉とカキ菜の炒めもの、」¥明日のお昼に残しとくね」だって…>
野村たかあき展の展示、なかなか面白いのです。よかったです。
「おばあちゃんのほっこりごはん 野村たかあき展」が1月26日(土)から4月7日(日)まで、会場は、前橋文学館の3階オープンギャラリーで開催されます。2月2日13時半からは、「ほっこりばなし」、私も参加します。
祖母の初代若柳吉駒、そして伯母の吉啓、二代目吉駒と昭和12年から続けてまいりました美登利会を引き継がせていただきました。
二代目吉駒の遺志と教えをしっかり守って、一生懸命つとめてまいりますので、よろしくお引き立ていただきますようお願い申し上げます。
4月8日の第75回美登利会の舞台の様子はコチラでご覧になれます。
お稽古場は前橋市城東町四丁目です。詳しくはコチラをご覧ください。