アッパレじゃ!

大好物は舞台観劇♪ようござんすか?ようござんすね。”私見”バリバリ入りますっ!ネタばれアリアリ~。

曾根崎心中

2005年09月13日 | 歌舞伎

1999年4月 歌舞伎座 二代目中村鴈治郎十七回忌追善狂言
2005年9月 歌舞伎チャンネル

曾根崎心中(そねざきしんじゅう) 作:近松門左衛門


手代の徳兵衛は、遊女のお初と恋仲。
徳兵衛がお店のお金を、友人に貸してしまった為に、
二人は心中への道を選ぶ事となる…。

もう鴈治郎演りたい放題とはこの事!!
鴈治郎のお初はホントに快活!
先月の三月大阪松竹座『仮名手本忠臣蔵』のおかるも活発だった。
一力茶屋の場面で梯子から降りる時、
下から数段目の所からポーンと飛び降りたんだよッ。
こんな事、歌舞伎座で玉三郎は演らなかったよねぇ。

このお初も、徳兵衛(鴈治郎の長男・翫雀)と、
外で会った時の嬉しがりようったら、あ~た。
茶目っ気たっぷりに飛び跳ねるし、もうカワイイったらありゃしない!
あんなに尻のでかいポチャッとした女形いないもんね。
健康そうで凄くパワフル!!

心中に行く時も、徳兵衛の手を引っ張って走り去って行くんだよ~!!
唸りましたね~。おもろいキャラやわぁ~。
女が先を行くなんて、歌舞伎界では前代未聞!?

勿論、見せ場である、徳兵衛のほっぺたに自らの足をつけて、
心中を誓うシーンでは、笑いを取りながらも、しんみりさせたよ。

昔の扇雀ブームがどれ程のものか知らないけれど、
今よりずっと若かった現:鴈治郎と、父である二代目鴈治郎のカップルは、
見た目も若くて綺麗だったんだろうなぁ。
S28年の二人の写真が筋書きに載ってましたが、やっぱり綺麗だった。

翫雀の徳兵衛は手掛けて長い(二代目鴈治郎の代役をして以来)わけで、
年相応に演ってるな(って言っても、徳兵衛は20歳でお初は19歳なんだけど)って感じ。
これから歳を重ねると良い味出してくるんだろうね。
でも他の人でも観てみたい。
“他の人”と言えば、翫雀はお初を演ってみたいそうですが
「父が許さないだろう」と言っとりました…。

鴈治郎を観て思った。
私にとっての団十郎の様に、何度も何度も色々な役を観て
初めて好きになれるんだぁ…。

『二代目中村鴈治郎十七回忌追善公演』なのに、客の入りがさっぱりでね…。
新聞のチケットプレゼントで外れたんだけど、
代わりにって「割引ご優待」が来たの。それが、1等席が半額だよ!!半額!!
こんな物が手に入るんなら、事前に3階席購入するんじゃなかったよぉ。
よっぽど売れてないんだなぁって悲しくなったし…。
日曜なのに空いていた…。拍手も今イチなかったし…。
あっても成駒屋により、競演してる播磨屋への方が断然!多かった。

大阪の追善興行の盛り上がりとは比較にもならない、この冷たさ…。
これが地域差というものか…。
大向こうも少なかったし…。何度も言うけど、日曜よ!日曜―ッ。

でも客席では、
「秀太郎ファンになった子が周りにいるよ」なんて喋ってる女性がいたり。
ロビーでは、
母親が「どっちの写真の方が良い?」って、
娘と鴈治郎の生写真(ブロマイド)を選んでたり…。
結局母親は、娘の返事を待たずに「どっちも買っちゃおう。こんなに買っちゃった~」と喜んでおりました。
こんな場面を見れたのが救いかなぁ。

四代目坂田藤十郎襲名披露(2006年1月歌舞伎座)
お初!演ります!見るっきゃないっす!

その時歴史が動いた ~曽根崎心中~

☆あくまでも主観で書いたものです。特に他意はありませんので平に容赦下さい。