R.I.P鳥山明

2024-03-10 09:01:44 | Weblog

漫画が好きだった。

もう、子供の頃なんてそればっかり・・・・だった気がする。

手塚治の「ブラックジャック」とか。

江口寿史の「すすめ!パイレーツ」とかも大好きだったし永井豪も好きだったな「デビルマン」とか。

山上たつひこの「がきデカ」で大笑いしてたし。

妹が「りぼん」を良く買っていたので少女漫画も密かに読んでいて、陸奥A子がいちばん良かった。

大島弓子の「綿の国星」は後に知って、衝撃を受けた。

大友克洋の「童夢」もすごかったし、

後年だが、松本大洋の「鉄コン筋クリート」にも多大な影響を受けた。

でもいちばん好きだったのは鴨川つばめの「マカロニほうれん荘」だった。

コドモ道郎は勉強も出来なくて、運動も苦手で、人付き合いも苦手で、

でも絵だけは上手くて、

だから一人で絵ばかり描いていた。

漫画家になりたいな、と薄ぼんやりと思ったりもした。

漫画を、描いてみたことも何度かある。

しかし、絵は描けても「話」を創作する才能はなかった。

本も、浴びるほど読んでいたのに。

だからいつも、2~3ページ描いて行き詰まり、終わった。

僕が確か中学一年生の時に少年ジャンプで鳥山明がデヴューした。

「Dr・スランプ」が始まる以前、読み切りの漫画が2作品くらいあったのを覚えている。

すごかった。

絵の上手さが尋常でないし、何より「お洒落」だった。

一切、泥臭くないのだ。洗練された絵、題材。

学校で、絵の好きだった友達数人と「すごい」と盛り上がった。

当然だが、今のようなメジャーな存在ではない。ジャンプ自体はメジャーだったが、

今現在よりもだいぶ地味だったはず。

そして「Dr・スランプ」が始まって、とてもとても好きになった。

TVアニメとしての「Dr・スランプ」には始めっから興味がなかった。

絵が劣化しているし・・・・・、それでは何の意味もないのだ。

そしていつしか「Dr・スランプ」も終わり、

「ドラゴンボール」がジャンプで始まったのも見た。

どうしても気になってしまうので、読んでいた。

その頃の僕はもうコドモではなくて、

デザイン専門学校に行ったりして、絵で生きて行こうとぼんやりと思ってはいた。

でも

中学校の時に弾き始めたギターのおかげで、交友関係を含めたいろんなことが活性化してきて、

自分にできることが絵だけではないかもしれない・・と思い始めてもいた。

高校を卒業してすぐに、いっしょにバンドをやっていたヴォーカルの

佐治くんが漫画でメジャー誌にデヴューした。

彼も、子供の頃から絵を描いたり、漫画を描いたりしていたのだ。

出会った頃の彼はいわゆる「ヤンキー」タイプの不良だったので、

後でそれを知って、随分驚いたものだった。仲間じゃん・・・って思った。

佐治くんは漫画家デヴーしたものの、同時期にバンドが忙しくなりすぎて、

漫画連載の方はあまり長く続けなかった。

勿体ないが・・・どちらかを取らねばならなかったのだ。

僕もデザイン学校を中退して、バイトしながらバンドをやる、という生活になった。

さて、そんなこともあり僕には漫画というものの存在が身近で、

どうしても鳥山明の現在が気になってしまい、

「ドラゴンボール」はリアルタイムで喫茶店とかでずっと読んでいた。

「フリーザ」編がシリアスすぎて面白くなかったが、「セルゲーム」編でまた

面白くなった。鳥山明が、もう連載を辞めたがってるのはもはや、誰もが知っていた。

ヤケクソみたいな「魔人ブウ」編が脱力的に面白くて、好きだった。

これも、テレビアニメ版には一切、興味を持たなかった。

漫画、というのはひとつの芸術形態なのだ。アニメは、同タイトルの別物だ。

漫画は、お洒落で、かっこよくて、粋で、素晴らしいものだ。

今でも僕はそう思っているけど、

「ドラゴンボール」が終わってからもう、ジャンプを買ったり、、

喫茶店で読んだりすることも無くなった。

今では漫画も一切、読まない生活をしている。

でも

鳥山明のジャンプ誌上でのデヴューを覚えているのは自分としては、誇りだ。

彼の功績は大きい。

歴史に「もし」はない・・・のだが、

もし彼がジャンプではなくチャンピオンか何かの他誌でデヴューしていたら、

こんな風な存在ではなく、もっと趣味的な作家になってたような気がするし、

本人もその方が幸せだったのではないか?とついつい思ってしまう。

ああ、でもなあ。

鴨川つばめ も、江口寿史も、どうもノイローゼ気味になってしまったみたいだし、

漫画家は不幸せな職業なのかもしれない。

 

今度こそゆっくりお休みください。

 

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする