福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

生活習慣病(2)肥満、コレステロールは実害が乏しいが重視され、喫煙の害は明らかなのに軽視

2010年05月22日 10時02分25秒 | 医療、医学
 2年前にメタボリック症候群を前面に出した健診が始まった。その目的は生活習慣の改善を図り,国民を健康にさせ、疾病の予防にあてようということでこれはまったく正しい行き方である。糖尿病、高血圧、高脂血症などの高罹患率はもはや個人の問題でないレベルだから国が乗り出すことも正しい。

 ただ、メタボリック症候群の病因論については考えなければならにこともありそうである。確かに私どもが与えられているデータでは腹囲+高血圧+高脂血症+糖尿病の合併では心循環器系の疾病の発症率は該当項目がゼロの人の30倍とされている。

 第一、腹囲の評価はこれで良いのだろうか、ということである。腹囲は着衣のままでも自己申告でも良い。85cmが一つの判断基準であるが、身長、体重は考慮不要、というのでこんな緩い基準で良いのだろうか?はなはだ疑問である。この点に関しては,健康診断の際には身長、体重は必ず測定するのだから、むしろBMI等の数値を利用してはどうなのだろうか,と思う。腹囲を基にした疫学調査がなされるくらいならBMIを拠り所にした調査があってしかるべきである。

 更に大きな問題が残っている。
 わが国における複数の疫学調査の中で、肥満、高コレステロール血症は働き盛りの日本人男性の全死亡を増やす因子として作用していないことが明らかになっている。メタボ論議の中でこの点はどう評価するのだろうか?メタボ論議は最も根本的なところで何かが抜け落ちている,と思う。

 それ以上に重要なのは、喫煙は高血圧と並んで日本人の最大の死亡原因と評価されているにもかかわらず、メタボ健診ではほとんど無視されていることである。疫学的調査では40-79歳男性死亡の24%が喫煙に関連し、高血圧の11%、高血糖の3%を大きく上回っている事が判明している。日本人中年男性の最大の早死因子であることは間違いない。そのような喫煙を放置してがん問題や健康問題を語って本当に意味があるのだろうか。疑問である。
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1 コメント

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こんにちは (新見健一)
2010-05-27 17:47:39
こんにちは。

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