福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

地球環境 プラスチックごみ(4)大・中・微小・極微小プラスチック 動物生物への害

2021年08月31日 01時47分19秒 | 時事問題 社会問題
 熱回収とは、焼却処分する際に発生する熱を再利用することをさす。焼却によって温室効果ガスの排出量が増える。廃プラスチックを循環させず、その上地球温暖化を助長する熱回収は地球環境を悪化させる。
 それに、本当に熱として回収できているのだろうか??私は不勉強にして、焼却場にそんな設備や装置があるか否かを知らない。

 さらに、プラスチックは焼却時だけでなく生産時にも温室効果ガスを発生させる。日本は使い捨てプラスチック大国で、レジ袋やペットボトルなどの「容器包装プラスチック」の廃棄量は国民一人あたりで見るとアメリカに次いで世界第2位。

 日本で今後、焼却処分に頼らずにプラスチックを適正に国内処理していくためには、「リユース」の徹底が必要。「リユース」できないものは「リサイクル」する。適切な国内処理体制を作っていくことが求められる。
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大・中・微小・極微小プラスチック 動物生物への害
 ■大きなサイズのプラごみは水中、地上の動物にまとわりついて行動を制限し、やがて彼らは死を迎える。
 ■中サイズのプラスチックゴミは水中、地上の動物たちが餌と間違えて誤摂取する。その結果、消化管の機能低下をきたし、やがて彼らは死を迎える。

 ■世界各地で研究者たちが生物の体内に取り込まれた直径5ミリ以下の微小なマイクロプラスチックに注目している。体内から微小プラスチックが見つかった水生生物は114種。今のところ、これらが特定の魚の個体数に影響を及ぼしているという科学的な証はない。

 だが、魚介類にとって微小マイクロプラスチックが有害であることは明らか。日光や風、波にさらされてプラスチックが細かく砕かれると、食べ物と見分けがつかなくなり、ブランクトンや二枚目、魚、そしてクジラにまで摂取される。微小マイクロプラスチックは消化管を塞ぎ、食欲を減退させて、発育不良や力の低下を招き、命を失う生物もいる。

 化学物質による影響もある。微小マイクロプラスチックの表面は、陸から海へ流出して浮遊している汚染物質が吸着する。
 魚介類由来のマイクロプラスチックが人間に影響を及ぼしているかどうかを調べるのは容易ではない。私たちが吸う空気、水道やペットボトルの水、さらには食べ物まで、ありとあらゆるものにプラスチックが関わっているから区別ができない。しかも、プラスチックの種類は多く、そこに使われている添加物も多岐にわたる。添加物のなかには、ホルモンの正常な働きを妨げる物質もある。

 マイクロプラスチックが人体に与える影響の研究は難しい。摂取実験などできない。食物連鎖の段階でその特性が変化する可能性もある。加工や調理がプラスチックの毒性にどんな影響を及ぼすか、そしてどの程度の汚染が人間にとって有害なのか、何もわかっていない。
 救いは、マイクロプラスチックの大半が魚の内臓にとどまり、人間が食べる筋肉組織へは移動しないとみられていること。

 ■プラスチックが、劣化して粉々になると、最終的には1ミリの1万分の1未満の大きさの超微小ナノプラスチックになる。そうなったら細胞膜を通り抜け、生体組織や臓器に侵入する可能性がある。

 今のところは食品中のナノプラスチックを特定する手立てがないため、人体への吸収が実際にあるかどうかについては何のデータもない。
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 廃プラスチックは適正な処理をしなければ、地球の、人間の首を絞めることになる。
 早急な対策を望みたい。 

私が心掛けていることは、我が家で出た廃プラ製品は分別を徹底し、リサイクルできるものはそのコースに乗せ、他は可燃ゴミとしてまとめて出す。決して自然の中に放置することはない。先月から宅配牛乳をプラスチック容器からガラス瓶に変更した。プラスチック容器はリユースせず廃棄されることが分かったからである。
 
 (プラスチック容器はリユースされると聞いていたが、確認したところ廃棄されていた。扱いは不便であるがガラス瓶にした)
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地球環境 プラスチックごみ(3) 日本の有効利用の統計はおかしい

2021年08月30日 17時46分25秒 | 時事問題 社会問題
 海へのプラスチックごみの流出を止めるためにとるべき道はあるのだろうか?
 何しろ、世界の海にはすでに合計15,000万トンのプラスチックがあり、さらに毎年100万トンが、新たに海に流入していると推定されている。

 しかも、プラスチックは製造過程でも、焼却処分の際にも炭酸ガスを排泄し地球温暖化の原因になっている。ゴミとして地球の美観を損ねているほか、温暖化にも関連していることは重大である。
 一刻も早くこの状況から抜け出るために、世界の全ての人が対策をとらねばならない。
 
 日本では年に850万トンの廃ブラスチックが発生している。
 日本のプラスチックの有効利用は約85%で、政府は世界の中でも処理が進んでいると言っている。しかし、この有効利用には、製品を有効に繰り返し何度も使う「リユース」の評価が含まれていない。また、資源として再利用する「リサイクル」以外の、「焼却処分」、「埋め立て処分」も有効利用に含んでいる。全然有効でないのだ。だからおかしい統計である。
 廃プラの有効利用の中心は「リユース」と「リサイクル」であるべき。

 このうち「外国に輸出」して処理を任せている79万トンについて、国は「リサイクル」という位置づけにカウントしている。

(出典:財務省「貿易統計」より)

 しかも、国は輸出した廃ブラスチックがどのように処理されているか確認を怠っている。リサイクル体制が整っていない途上国へのプラ輸出は、結果的に海への流出を助長してしまう可能性がある。自国で処理できない分を他の国へ輸出しそれでよしという姿勢は納得できない。

 「国内リサイクル」は134万トンで、廃プラ全体の16%に過ぎない。この16%に、海外輸出分(約9%)と熱回収処理されている 514万トン(約60%)を加えた数字が、政府が主張する「有効利用率85%」の数字のからくりである。

 プラスチックの焼却処分は化石燃料と同じ温暖化効果をもたらしている。
 いま温暖化が問題になり化石燃料の使用を控える傾向にあるが、それと同じくプラスチック製品の焼却処理を抑えなければならない。それには、生産抑制と使用抑制を同時に考えなければ片手落ちである。

 スーパーのレジ袋が生活上で有用なのは数時間に過ぎない。ストローに至っては数分でしかない。にもかかわらず、これらは半永久に地球環境を汚染し続ける。

 私はレジ袋の有料化、ストローの紙製品化などはなんと小さな取り組みだ。もっと有効な何かないのかと思っていたが、この時間的意義を考えれば意義は小さくない。
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地球環境 プラスチックごみ(2) 象牙の代替品として原油から安価につくられる

2021年08月29日 06時49分48秒 | 時事問題 社会問題
 軽くて壊れにくく、水を通さず、どんな形にも成形できるプラスチックは、画期的な素材として、人間社会に広く受け入れられた。
 原油から灯油やガソリン、軽油などを精製する過程で出る副産物から作られるため、安価に生産できることも、プラスチック利用拡大を後
押ししてきたといえる。

 しかし、いったん自然界に流出すると、軽さと耐久性が仇となり、広く拡散して残り続け、特に海の生きものたちに多大な被害を与えている。さらには、私たち人間も、飲食や呼吸を通じて、微細なプラスチックを日々、体に取り込んでいることがわかってきた。

 プラスチック製品に触れることなく一日を終えることはほぼない、といえるほど、身の回りにあふれるプラスチックと、今後どのように付き合っていけばよいのか。

 象牙の代替品としてプラスチックが開発されたのは、1860~70年代のアメリカ。当時、高価になっていた象牙の代替品として、セルロイドが発明されたのを嚆矢とする。生産が増大したのは、第二次大戦後の1950年代、その後、生産量は増加の一途をたどっている。
 2016年の1年間に、新しい素材から生産されたプラスチックの量は3億9,600万トンで、1950年の生産と比べると実に200倍以上に増えている。

 生産が拡大するのと並行して、廃棄される量も急増。
 そして今、大きな問題となっているのが、適正に処理されないで、自然界へ放出される大量のプラスチックである。

 プラスチックは本来、適切に処理できる範囲で生産、使用されるのが理想である。しかし、それを大幅に上回って生産された結果、大量のプラスチックごみが発生。それが空き地や川などへ捨てられたり、うめ立て処理されている。
 廃棄されたプラスチックの約3分の1が適正に処理されていない。そして、風で飛ばされたり、川や水路を経て海に運ばれる。そして、海の生物たちが、プラスチックを摂取したり、プラスチックに自由を奪われて餓死するなどの被害を受けている。

 漁業を介して発生するプラスチックごみもある。これは、ロープ,漁網などで、ほとんどにプラスチックが使用されている。作業中に切れたり、時には意図的に廃棄されている場合もある。海のプラスチック全体の1割上を占めるとされている。

 さらに問題なのは半永久に消滅しない5mm以下の「マイクロプラスチック」である。プラスチックごみが紫外線や波で破砕されて発生する場合と、プラスチック製品そのものから生じるものがある。「マイクロプラスチック」を摂取した場合の影響は未知であるが、直接の害、有害化学物質を吸着する性質があるために、その影響が懸念されている。
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地球環境 プラスチックごみ(1) 最新の研究結果

2021年08月28日 18時03分06秒 | 時事問題 社会問題
 地球をダメにするのは何も原水爆だけではない。温暖化による環境の変化も今や全世界で気候変装、海水面の上昇などで具現化しており、無視できない。さらに、人間が廃棄するゴミも地球環境を汚染している。
 これら全ては人間のエゴと欲望に由来している。
 COVID-19の蔓延でも同じことである。

 環境中には毎年数百万トンの使用済みプラスチック類が放棄されている。

 このプラスチックを誤って食べた野生生物が、世界で少なくとも約1500種以上に上る。このような研究結果をブラジルなどのチームが今年7月2日付米学術誌「サイエンス電子版」に発表した。

 それは以下のデータからなる。
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 ■汚染が自立つ、海の生き物だけでなく、河川などの淡水域や陸上の多くの種でも確認される。深刻な状況という。
 ■チームは、毎年数百万トンのプラスチックが環境中に出て蓄積していると指摘し、生産と使用を大幅に減らし、廃棄物管理と回収に投資することが必要、と訴えた。
 ■1980年~本年5月に報告された、野生生物のプラスチック摂取例を集約した。
 ■魚類は932種、鳥類は291種、哺乳類でも94種の報告があった。無脊椎動物などを含め計1565種で摂取が判明した。
 ■生息域の分類別では、海の生き物が1288種、淡水域が224種、陸域が53種だった。
 ■哺乳類ではクジラやアザラシの仲間が摂取しているほか、オーストラリアでジュゴン2頭の体内からプラスチック製の釣り糸が見つかった。インドではアジアゾウのふんにプラ製の袋の破片が合まれていた。ノルウェーのホッキョクグマのふんにもプラスチックがあった。
 ■日本の事例として、国の天然記念物コウノトリがのみ込んで死んだケースが挙げられた。兵庫県立コウノトリの郷公園によると、この個体は、餌の摂取や消化吸収ができずできず衰弱死したとみられる。
 ■プラごみは、生き物が餌と間違えてのみ込むほか、食物連鎖を通じて音積する。摂取により、栄養が取れなくなったり、含まれる有害な化学物質が悪影響を及ぼしたりすることが懸念される。
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 これだけの問題でなく、見た目も悪い。観光地などでもゴミの中で最も目立つのは色とりどりに彩色されたプラスチックごみである。
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本 原田マハ著 さいはての彼女(2) 角川文庫 2013

2021年08月27日 16時15分09秒 | 書評
 「さいはての彼女」は4つの短編からなる。第一話、第四話はバイクのハーレーにまつわる物語である。
 原田氏がハーレー?? アート小説でややとっつきにくい作家と感じていたが、この作品を読めば原田氏の別の魅力に気づく。

 私は意外な感じを持ってこの作品を読み始めた。
 あらすじは、25歳で起業した敏腕若手女性社長、猛烈に頑張ったおかげで会社は順調に成長した。年下の男と気が合い恋愛関係の陥り、フェラーリを買い与え、クルーザーさえ、と思っていたが、美人で癒し系の平凡なOLに奪われた。最後のひと言は「僕は君が怖い」。高額な物品はなんの役にも立たなかった。

 痛みから逃れようと一層必死になった。走れば走るほど空回りする。秘書や側近スタッフに当たり散らした。夏のボーナスを機に、何人かの重要なスタッフが辞表を出しにきた。その中に秘書もいた。

 沖縄で優雅なバカンスを取る予定であったが、空港に送ってくれた秘書は約束の時間になんと30分も遅れた。チケット確認もできずに搭乗口に並んだが、何故か女満別行きの飛行機であった。100%ひとまかせにしてきたから完全に自業自得であった。

 「!?」、の連続であったが、旅先でのハーレー乗りの少女との出逢いが、こわばった主人公の心をほぐしていく。この旅は主人公のワンマン振りに問題を感じていた秘書が、人生のあり方を考え直すよう、退職前に最後の仕事として仕組んだ旅。丁寧に罠が仕組まれていた。

 この10年、BMB6シリーズ以外に乗ったことはない主人公であったが、レンタカー会社に予約されていたのはボロの軽自動車であった。当初は動かし方も分からなかった。

 以下、ハーレーにまつわるエピソードは続くがこの短編集の第一話の主題はいわゆる「ハラスメント」。調子に乗って、鼻息荒くがむしゃらに働く中年女性は、がんばっているけど、気をつけないと「ヤバい女」になっている、ということ。

 人は何度でも立ち上がれる。再生をテーマにした、珠玉の短篇集。
 旅をテーマにした短編集で4作収録されている。

 ハーレーで一直線の道を駆け抜けているような読後感。爽やかに読めた。最初と最後の短編が繋がっていた。この構成も面白い。

 今までの価値観が揺らいでしまうような、時は誰でもある。そんな時、知らない土地に行って、知らない価値観を持っている人々に会うことに意味があるだろう。新たな希望を見いだして、また立ち上がる。前向きな気持ちにしてもらえることもあろう。
 仕事に疲れた女が旅に出てそこで色々な出会いをして、様々な経験を積んでいくいい話が詰まった短編集。

 読んでいる間にハーレーに乗りたくなって困った。
 
 (私の1991年製のハーレーFLSTOF1430cc。乗り心地に独特の味があった。 2012年売却し、東日本大震災の義援金として岩手県に寄付された)
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