福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

あおり運転(1) 2017年の事件以降社会問題化した

2019年08月31日 06時33分51秒 | 時事問題 社会問題
 車間距離を極端に縮めたり、幅寄せをしたりするあおり運転による事故やトラブルが後を絶たない。

 2017年6月神奈川県大井町の東名高速道路で夫婦が死亡したあおり運転事故を受けて、警察庁は18年1月、悪質で危険な運転には徹底した捜査をするよう各都道府県警に指示した。暴行罪の適用も視野に各地の警察は道交法などの法令を駆使して摘発に力を入れている。
 接近や並走を執拗に繰り返した場合、暴行罪が適用された事例もある。
 
 あおり運転に絞った摘発件数の統計はないが、2018年1-10月に全国の警察が道交法違反の車間距離不保持で摘発した件数は10873件超と2017年同期のデータに比し倍増した。このうち9865件が高速道路上で生じている。

 「前の車が遅くて腹が立った」。昨年5月愛媛県警が書類送検した30代の男はあおり運転の動機をこう語った。また、「バイクに追い越されて腹が立った」として追いかけ、あおり、時速90Kmで故意に接触して転倒させ死亡させた例、この例は事故に至るまでの状況が加害者のドライブレコーダーに記録され、あおりの証拠となった。

 本年8月10日午前6時頃茨城県守谷市の常磐自動車道上り線で、あおり運転をした後、前方の車を無理やり停車させ男性会社員を殴りけがを負わせた事件が発生した。
 新聞によると「降りてこいや」、「殺すぞ・・・」なと怒鳴りつけ、運転席の窓から拳で男性の顔面を複数回殴打し顔などにけがを負わせた、という。被害者のドライブレコーダーにはあおり運転を受けている様子が記録されていた。
 7月23日静岡市と愛知県岡崎市でも同じ車からあおり運転された、などの119番通報があり、茨城、静岡、愛知の3県警が連携し捜査を進めていた。8月16日全国に指名手配され、8月20日に大阪市東住吉区で逮捕された。その際、容疑者をかくまった同乗者も逮捕された。
 容疑者が乗っていた車は7月21日に横浜市内のディーラーから代車として3日間貸し出されたBMBで、20日間も返さず、この間2000Km走行しており、事件翌日の8月11日に代理人が返却してきたという。

 このあおり運転事件は、数々の特異な点がありマスコミでも大きく取り上げられ、NHKラジオニュースでも連日のごとく、呆れるほど頻回に報道された。逮捕後に判明した奇異な点も少なくない。
 単純かつ幼稚な、しかしながら重大な事件であった。
 被害にあったドライバーの状況はあまり報じられていないが、それほどの外傷はなかったように思われる。心に負った傷はとてつもなく大きいだろう。
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本 松本清張 「黒い空」 1996年 角川文庫(2) カラスと歴史が織りなす世界

2019年08月30日 18時38分04秒 | 未分類
 この作品の雰囲気を作っているのはハシブトカラスの大群である。ハシブトカラスに覆われた「黒い空」が不気味。カラスの描写、特に中盤の無数のカラスが舞うシーンの禍々しさの表現はとても素晴らしい。この場面だけでも読む値がある。カラスが嫌いでない私も何度か読み返した。

 清張氏の作品は手口やトリックもすばらしいが、それよりもその背景に視点を置いた作風という印象があり、芯の通った女性像の描写と、対照的に一見何か”が欠落している欠陥男性像を描く。本作では見ていてイライラするほど鈍い婿養子と聡明な事業家の妻が描かれる。事業をめぐっての両者の立場も鮮明で面白い。妻を殺した後、秘書である共謀者と殺害を隠蔽するシーンは緊迫感がある。その中で重要な役目を果たすのは死臭。「殺害は簡単、遺体処理は困難」そのもの。それにカラスである。

 イントロも長く、結論も長く、歴史の話はあまり知識のない私にはちょっと退屈で読むのが苦しかった。長い歴史解説を除けば、長編としては読み応えがあった。河越夜戦についての記述部分は把握するまでに時間を要したが、慣れると一気に終わった。

 川越は直接的な舞台ではない。象徴的にはかなり重要だけれど、上杉家の歴史と上手に絡み合わせて用いられている。氏は執筆時74歳と私と同年代で書き上げている。よくこんな詳細な史実を組み合わせて一本の作品に仕上げられるものだ、と関心する。

 事件自体に、何代にもわたる上杉家同士の確執、室町時代の関東管領である扇谷と山内上杉家の因縁が背景となっている、らしい。400年前の一家一族の怨念を持ち続ける執念はすごい。ここまで復讐の気持ちが強いとは驚きである。戦国時代の敗将の末裔が現代に復讐を果たそうとするというトリックも、途中で登場する郷土史愛好家の推理によってうまく説明が付いている。

 松本清張の作品は私の好みである。特に、本作のような女性がらみは好みである。しかしながら、時代背景の説明などはあまりにもクドく、粘着性であり、これが氏の特徴と思っていても、読み進めるのに困難さを感じることもある。

 今回、終活を通じて松本清張を再発掘している。まだまだ読みたい作品が私の電子書棚に並んでいる。次に何を読み返そうか?時間との小競り合いが続く。
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本 松本清張 「黒い空」 1996年 角川文庫(1) カラスと歴史が織りなす世界

2019年08月29日 17時28分15秒 | 書評
 社会派ミステリー、歴史小説、ノンフィクションなど幅広い分野で活躍した作家の松本清張氏は今年生誕110年を迎える。
 氏の作品は私はかなり好んできた。受験勉強から解放され、新潟大学の学生寮で貪るように読んだ記憶がある。多分、今まで100冊以上は読んだ、と思う。氏の作品は単に面白かったというよりは作品を通じて昭和史の勉強、政治の勉強、時代の世相の理解にもつながったと思っている。

 その中でも、GHQ占領下の日本で起きた怪事件を取り上げた「日本の黒い霧」、大正末期の陸軍機密費問題から二・二六事件までの背景を探った「昭和史発掘」といった作品は大きく役立った。

 氏はそれまで誰も手の着けなかった分野に挑んだ、といえよう。
 事件や事故をめぐる秘密だけでなく、社会から排除されこ人たちにも光を当てようとした。私の読書歴は氏の作品の初期から中期で止まっているが、その後も氏の作品の手法の流れをくむルポやドキュメンタリーを好んできた。

 今私は終活中で蔵書を次々に処分している。捨てるに忍びない書籍は自炊して電子化して保存している。先月から氏のシリーズに手をつけ始めたが、惜しくて捨てられない。ほとんど全部を電子化してiPadに入れ、時間を見ては読んでいる。
 最近、再読中なのは「日本の黒い霧(1960年)」、「昭和史発掘(1972年) 」、「点と線(1958年)」、「神と野獣の日々(1963年)」北朝鮮2017(6) ミサイル5発東京に向かっている!!!  書評:松本清張「神と野獣の日々」(1) 昭和38年 角川文庫、・・・・である。

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 今回読切ったのは「黒い空(1988年)」作、1996年角川文庫化された。何冊かある「黒いシリーズ」の一冊。

 作品の筋書きは単純である。

 辣腕事業家の山内女史が始めた八王子郊外の結婚式場「観麗会館」は大繁盛だった。しかし、その会館の上空を不吉なカラスの群れが飛び交い、徐々に評判に陰りが生じてくる。経営をまかされていた婿養子である夫はある日、口論から激情して妻を殺してしまう。死体を会館の名所である「岩壁」に埋め込む。名実ともに経営の代表者となった社長の門出を祝う式場が奇しくも山内女史の墓場となり、その上空を不吉なカラスが飛び交い、新たな事件が発生する。

 この作品の題名の背景になっているのは、ハシブトカラスの大群である。私もカラスに興味があって勉強中であるが、氏の筆にかかるとその生態が見事に浮き上がってくる。
 歴史と上手に絡み合わせているところも捨てがたい。
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#KuToo運動に思う(3) 私のハイヒール(?)体験

2019年08月28日 08時48分59秒 | コラム、エッセイ
 ハイヒールは一般に、かかとが7cm以上の婦人靴を指す・・と言われている。
 1600年代、フランスで町の汚物を踏むまない様に工夫された靴だという。そのような目的があるのなら納得できるが、現代において「ハイヒール」は最も非生理的な履き物と言い得るのではないだろうか。

 これは女心を知らない私の個人的感想であるが、見た目だけからの感想ではない。私は疑似体験がある。
 
 2003年10月、私はテニスをしていて右側のアキレス腱を切った。痛みは殆どなく、立てた。ソロソロとならどうにか歩けた。体験して見てわかったのであるが、症状は教科書に書いてあるのとちょっと違っていた。

 救急外来で整形外科医の診断は「完全離断、明日手術」であった。局麻で縫合術を受けたが、術後はアキレス腱に負荷をかけない様に右足関節を過伸展した状態でギプス固定された。ギプスは長靴型で膝下から指先まで覆うタイプで、縫合したアキレス腱に負荷がかからない様に10cmほどの高さのヒールがついていた。ヒールは5mmほどの薄い板を接着した構造で、経過によって一枚ずつ剥ぎ、徐々にフラットになるように工夫されていた。術後、松葉杖を用いて歩行できたが、右はハイヒール、左はスニーカーを履いた状況であった。約2ケ月経て徐々にヒールの高さは減じられ歩き易くなったが、この間ヒールの高さと右足の機能について観察・考察できた。

 通常の歩行はかかとから床面につくのであるが、ハイヒールではかかとと爪先を同時に接地させる必要がある。そのためにふくらはぎの主な筋肉である腓腹筋は常に収縮した状態になる。そのことでふくらはぎがよりほっそり、足の形がよく見えることになる。
 また、「がに股」、「猫背」は似合わない。だから、目線が下らないように背筋をぴんと維持し、一本のベルトの上をなぞる様に歩かなければならない。

 こんな状態での歩行は異常であって、つまずきやすいし、骨格、筋に対して無理な緊張・負担をがかかり、長期に及ぶと骨盤が歪んだり、外反母趾、下肢の浮腫、腰痛、肩こり、などその影響は全身に及ぶ。

 かかとを高くすると靴の中で足が前方に滑り、体重が極端に爪先方向にかかる。更に、靴が足の形を無視してつま先に向かって絞られている。だから、足指の自由がなく指の付け根で体重を支える事になる。長期間の着用は筋力のバランスと指間の靱帯を弛緩させ、足の骨格を歪ませてしまう。爪先保護用のクッションやバンド、前滑り防止の中敷きなども用いられている。
 そこまでして・・と、私はハイヒール女性に尊敬の念を抱く。

 #KuToo運動には関心がある。もちろん多様な価値観があって然るべきだが、靴を含め締め付けない服装、全てにゆるゆるを好む私には、女性の体の締め付けは理解しがたい世界である。#KuToo運動を通じて「やはりそうなのか・・」と女性の一部の考え方、悩みを知ってホッとした。
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#KuToo運動に思う(2) 女性の素足は美しいか

2019年08月27日 13時55分01秒 | コラム、エッセイ
 #KuToo運動は2019年初頭から話題になった。靴嫌いの私は、今更ながら溜飲が下がる思いで見ているが、この運動に対しては必ずしも賛同だけではないようである。多様であって然るべきだが、辛くない方もいるらしい。私から見てよくわからない。

 私自身は身体を締め付けるような服装やアイテムは決定的に嫌いである。だから普段はだらしない格好に見えるようだ。 
 靴下と靴、ズボンのベルト、首を絞めるワイシャツ、ネクタイは決定的に嫌い。腕時計も持たない。現役の時には社会的立場とTPOを考えて仕方なく着用していた。

 靴下は違和感があって履いていると気分が悪くなる。働く意欲がしぼんで行く。外来や事務処理の時はひんやりした床に触れる素足の感触がとても良い。だから、今でも外来などではスリッパも脱いで素足で過ごす。
 
 靴はもっと辛い。ほとんど履かない。日常はスリッパ生活である。
 別に荒れ地を歩くわけでもないのに何で人は靴を履かねばならぬのか、と思う。
 そんなことを言っても始まらない。社会の習慣、常識的姿だからだからやむを得ない。でも、私はできるだけそれに反してきた。靴は臨時的に最小限履くだけ。私は70年以上生きてきたが、今まで革靴なるものを2足しか買っていない。必要がなかったからである。

 靴がいかに私にとって不自然な履物であるかは靴擦れや歩行時の窮屈さが示している。頭痛も生じる。履き続けなければならない状況の時は見えないところでは脱いでいる。

 靴売り場に行くと、新品の靴は機能性よりファッション性が優先されていることがよく分かる。紳士靴もそうであるが、特に女性の靴は、これが「人間の女性が、足に!!!、履くものか?」、などと思うものばかりで、芸術的造形で、美しささえ感じる。

 靴の形と女性の足の形に大きな差を感じ取るから、こんなのを履くことは拷問なのではないか?と私はかなり前から思ってきた。昔、軍隊では配給された靴に文句を言うことは許されず「靴に足を合わせろ」などと言われたものらしい。この辺のことは大岡昇平作「靴」に詳しい。同じことが今でも通用するようだ。靴も足に適応して行くにはかなり変形を余儀なくされるから、丈夫でなければなるまい。足も同じ。双方が耐えて凌ぎ合いを繰り返している。何か不思議な世界である。
 こんなのを履いて、女性は具合悪くならないのだろうか?と心配になる。

 私は靴に関しては自分も辛いだけに、特に女性の靴文化に対してはこころ穏やかにはいれない。望むなら解放してあげたい。だから、#KuToo運動には関心がある。2012年頃にも同じ様なことを考えていた。馬子にも衣装とは(3)靴(1) 苦痛より美しさの探究
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