福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

中国の大気汚染深刻化(2) わが国のPM2.5は欧州に比較して高い

2013年02月28日 11時23分24秒 | 政治・経済 国際関係
 中国政府は、大気汚染対策を進めつつあった。実際にはそれほど効果を上げているとは言い難い。それが今回のPM2.5として表れた。

 2006年の全国環境保護会議で温家宝首相は、(1)経済成長を重視するが、環境問題にも取り組む。 (2)環境保護と経済発展を同一歩調で進める。(3) 行政手段、法整備、公害対策手段、知識も輸入する、と言い、従来からの経済成長を前面に出した方針を改める方針を掲げた。また、昨年11月の共産党大会では新たに「エコ文明建設」が強調された。

 実際には、沿岸地区では対策はそれなりに進んだが、内陸部では殆ど進んでいない。
 しかしながら、環境に対する市民の意識はここ数年大きく変わりつつある。環境への影響を心配して、工場建設に反対する運動も各地で相次いでいる。運動の結果建設が中止になった例も出始めている。環境保全に対する市民運動に対して中央政府は寛容であるが、地方行政は懐疑的で抑制あるいは制圧をしている。その背景は地域の役人の既得権擁護と官民癒着がある、とされている。環境保全には地方行政の民主化が必要である。

 尖閣問題他のこともあり、反日運動も極度に高まったが最近は下火になった様である。実際に対日問題で実害を受けている国民は殆どいないのに大きな盛り上がりを持った。これに対して、各地で盛り上がりつつある環境保全の運動は、国土の1/4、国民の半数が被害を被っているし、自分たちにとっても子供達にとっても健康被害が問題になる。

 環境保全に対する要求は誰にとっても切実だし、イデオロギーも関係しない。これらの要求を通じて民主化の求めていけばいい。良い機会だと思う。

 それと、日本の優れた環境保全の技術を売り込む良い機会である。民間レベルで実績を上げていけば良い。アベノミクスにも力となろう。

 日本のPM2.5は欧州に比較して濃度が高いという。中国からの飛来だけでは理解できず国内での排出も関連していると考えられている。わが国の対策はPM2.5についても十分かと思っていたが、知らなかった。これを機会にわが国の大気汚染状況についても情報公開して欲しいものである。
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中国の大気汚染深刻化(1) 民主化運動につなげればいい

2013年02月27日 18時06分00秒 | 政治・経済 国際関係


 中国の大気汚染が深刻な問題となっている。
  1月12日に中国の基準の10倍、 日本の20倍に達する濃度のPM2.5が 、北京などを中心に中国本土の約1/4に広く覆われ、学校の休校、工場の休業、空港閉鎖などが相次ぎ 6億人が影響を受けたとされる。

 私は中国の大気汚染については知っていたが、物質としてのPM2.5について最近まで知らなかったが、中国では慢性的汚染になっている。1月中に北京市内で基準値以下になったのは僅かに4日間しかなかったという。

  原因として自動車や工場の排気、暖房用ボイラー、火力発電所、石炭を中心とする暖房が挙げられる。この日は風が無く、湿度が高かったと言う条件が加わったため著しく高濃度に浮遊したと思われている。 

 秋田にも毎年春先になると中国から黄砂が飛来する。このことからも分かるように、中国の環境問題は直接的にわが国に影響を持つ。だから、中国の原発問題も無関心ではいられない。

 ただ、PM2.5は直径が小さく拡散しやすいために日本でそれほど高濃度にはならないだろう。九州や山陰地方では距離的に影響を受けやすいことから住民に不安が広がっている。PM2.5は直径が 2.5μm以下の微粒子で、肺の奥深くまで入り込み、ぜんそく等の呼吸器疾患の引き金になる。現段階ではこれによって健康被害が生じるなどと言うことは考え難いが、N95レベルのマスクが売れているという。環境庁では近々PM2.5への警報発令、基準を超えた際の行動基準を提示する。

 中国政府は、大気汚染対策を進めつつあった。製造業からサービス業への転換の奨励、公害対策の技術振興策などであるが、今回の汚染で現状の対策はもはや限界を迎えていることが示された。

 具体的に項目として、中国では自動車の増加が見込まれていたが排気ガスの規制は緩かった点が挙げられる。規制強化の世論も高まり、ディーゼルの微粒子硫黄分の上限は現在150ppmであるが、2015年には50ppmに、更に2018年には国際基準の10ppmにする方針を打ち出している。

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秋田の良いとこ、足らぬとこ2013(1)秋田県の人口、105万人台に

2013年02月26日 13時16分58秒 | 秋田の話題
 本日の魁新聞によると、本年1月1日の時点で県人口が106万人を割った。東北では最も少なく、全国では38番目にあたる。少ない方から、98万人の香川県に次いで<和歌山<山梨<佐賀<福井<徳島<高知<島根と続き、次が秋田県の105万人である。

 東北の中で最も少ないのは分かるが、秋田県よりも少ないのは殆どが関西・四国・九州地方である。秋田県だけが離れた地域にある。関西・四国・九州には地域的に共通した原因があると推定されるが、秋田県の場合は秋田県独自の問題があるためと思われる。

 島根県では知事を本部長とする「人口減少対策本部」を設置しているが、その後も人口は1.3万人減少したという。この様に、対策は困難である。

 秋田県の調査統計課の資料では1999年に120万人を切り、2009年6月に110万人を切った。だから10年間で10万人、年に1万人減少したことになる。130万人から120万人に減少するのに34年かかったことを考えれば急速な減少である。



 県は平成13年に「少子化対策局」を設置した。効果や、如何に?である。
 少子化は原因でなく、県勢の反映である。
 
 県人口の維持あるいは増加に必要なことは、若者を県内に止まらせる事しかない。年寄りに子を産め、死ぬなと言っても無理な話である。若者が出て行くのは秋田で暮らせない、生きていくすべが無いから、と言うことに尽きる。県では婚姻率、出生率を上げたいと言っているが、そんなこといくら言ってもダメで、まず、その年代の人が生きていける環境を作ること、それだけである。

 秋田県の企業誘致の動向はどうなっているのだろうか。最近のデータは分からない。

 目を隣の岩手県に移してみる。平成12年度の岩手県の企業誘致は32件で、それらの新規採用者は1330人と好調、と報じられた(岩手日報2013年2月19日)。1958年のバブル期の企業誘致は68社に上ったが、98年度は3社にとどまった。以降、徐々に誘致数が増えてきている状況にあって12年度はバブル後最高となったという。東日本大震災の復興で急に増えたわけではない。だから誘致されやすい何かがあるのだろう。12年度の誘致企業の内訳は製造業は10社、他はソフトウエア・通信関係・物流という。

 この両県の違いは何だろうか?新幹線網、自動車道路網の違いだろうか。ソフトウエア・通信関係が増えているので、恐らくは別の要因があるだろうと思う。

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TPPへの参加(7) 日米首脳会談で安倍首相前向きに、かつ強気になった

2013年02月25日 07時48分17秒 | 政治・経済 国際関係
 安倍首相がオバマ米大統領との首脳会談後、TPP交渉に加わる考えを事実上表明した。首相は選挙の公約として「聖域のない条件の場合にはTPPには参加しない」と表現していたが、本心は最初から参加の方向が明らかであった。

 首脳会談の結果、「交渉の余地がないわけではない」との微妙な表現の約束を取り付けた。安倍首相はたがが外れた様に動き始めている。確かに米国に歩調を合わせるとすれば、ゆっくり構えては居られない。TPPに関しては米国との調整では一つの山場を迎えたが、現実には反対を表明している政党もあり、与党の中にも反対者は少なくない。

 TPPは不思議な存在だと思う。
 オバマ政権は今年中にTPPの交渉を終えるつもりと表明している。そうであればもうとっくに条件等が決まってしかるべきであるが、その内容がさっぱり見えない。今回オバマは交渉の余地があると表明したが、如何に大国であるとは言え、後で参加した立場である。米国の一存でTPPの内容が変更出来るものなのか、不思議である。尤も、日本を入れなければ米国にとってTPPの目的は果たせない。

 TPPの流れを振り返れば、最初は環太平洋連携協定=TPPと言った大きな名前を冠するような協定ではなかった。2006年にシンガポール、ニュージーランド、ブルネイ、チリの間の小さな貿易連携として発足したのであるが、2009年にオバマがこれに参加する事を表明してから大きく様変わりした。
 何で突然こんな小規模な貿易協定に米国が乗り出してきたかというと、米国もアジア向けの貿易を通じて外貨を稼がなければならならない苦しい事情があることや、日本の参加を得て伸び盛りの中国を経済的に包囲するといった思惑があってのことと思われる。
 
 その後、オーストラアリア、ペルー、ベトナムなどが加わった。しかし、米国としては日本の参加がなければ意義はない。日米間の貿易だけでTPPの70-80%を占めるとさえ考えられているから、当然である。

 結果的に、TPPを主導しているのはオバマということになった。最初の4ヶ国の立場は無きが如くに小さくなった。

 2010年秋に当時の菅首相が、唐突にTPP交渉参加を表明した。農業団体をはじめとして国内の各分野から根強い反対意見がわき上がったが、このときの背景もオバマからの要求だったのであろう。その後、東日本大震災のために検討が棚上げになっていた。
 あれから2.5年、米国との深い同盟関係の構築を掲げた安倍総理にとってTPP交渉参加は経済面でも、防衛を含むリスク管理の面でも欠くことができない懸案である。

 安倍政権は、デフレと低成長からの脱却を最優先課題としている。そのためには国内の消費を高めるほかに、海外との連携を強め、経済を活性化させることが欠かせない。その意味では首相にとっても重要な選択肢であった。

 今後、どのように例外規定を主張していくか、日本の農業政策をどうしていくのか、与野党の意見をどう調整していくのか。首相の正念場は続く。
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TPPへの参加(6)安倍首相、日米首脳会談へ

2013年02月24日 15時17分00秒 | 政治・経済 国際関係

 安倍首相が日米首脳会談に出発した。
 恐らくオバマはTPPに関しては「聖域なきなら参加しない・・」と言う姿勢の首相に対して何らかの条件を呑む準備をして首相を迎えると思われる。何故ならば、日本抜きのTPPは輸出増加をもくろむ米国にとって実質的経済効果が生じず、魅力がないと思われるからである。一方、安倍首相にとってのTPP交渉参加問題はデフレ脱却、経済活性化のために必須の条件に挙げていると思われる。

 両者の利害は一致している。そのところがむしろ不安材料となる。果たして、両者に都合の良い貿易協定というのはあり得るのだろうか?あるとすればTPP参加の他の国が割を食らうのではないだろうか。

 TPPへの参加すればどういう影響が国内に生じるのだろうか。
 農水省はTPPによって農業収入が4.1兆円も減少する、とか、内閣府はTPP参加は国内の実質GDPを0.5%押し上げる、とか、経済産業省はTPPに不参加ならば10兆円に相当する経済損失が生じ、雇用も81万人減減少するだろう・・などの試算をだしている。
 わが国の国民生活、経済に大きな影響を与えうるTPP参加問題は、国の将来にとって大事な問題だというのに各省庁が勝手な試算している。これは何なんだ!!と思う。我々国民は、話がかみ合わない現状の試算を前にして何を信じたらいいのか分からない。

 ならば、と過去の自由化の話題を振り返ってみる。

 昭和35年に経済復興と共に建築ブームが生じ、木材は高騰して需要をまかないきれなくなった時、国は丸太材について輸入を自由化し関税をゼロにした。結果として経済復興は一層進んだが、日本の林業は致命的影響を受けた。外国産木材はコストの面で太刀打ち出来ず、木材の自給率は20%ほどにまで低下している。林業はすっかり衰退してしまった。植林され見事に成熟した日本の美林は放置され、劣化が始まっている。

 牛肉の自由化が行われたのは平成3年4月であった。当時、自由化によって国産牛生産農家は壊滅的影響を受けるだろうとまで予想されたが、国は米国のゴリ押しを受け入れざるを得なかった。しかし、現実はそうはならなかった。いま日本の各地でブランド牛肉が多数生産されている。牛肉の場合、輸入量が増えたが、その影響で国民は安くなった牛肉を日常的に食べられる様になったからである。日本人は安い肉から高級品まで受け入れ上手に使い分けていることで国内の畜産業は成長を続けている。

 上記のは両極端な話題と思われる。恐らく明日中に首脳会談の結果がもたらされると思われる。多分交渉参加の方向になると思われる。私は今のところTPP交渉参加について反対の意見を持っているが、よく分かっていないから、もある。ただ、交渉参加についてどう対応していくか、考えなければならないと思う。
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