福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

バリトンの今井俊輔氏のコンサート 不快なブラボー男

2019年05月31日 18時17分52秒 | 音楽談義
 本日、秋田市のアトリオンホールでバリトンの今井俊輔氏のコンサートが開催された。主催は秋田ゾンタクラブ。
 今井俊輔氏は東京芸術大学音楽学部声楽科を卒業。2014年から東京二期会による本公演、ローマ歌劇場などのほか公演に主役として出演。また毎週月曜日「BS日本こころの歌」フォレスタのメンバーとして出演している。東京二期会会員、日本演奏家協会員。

 ピアノは濱野基行氏。
 そのほかに秋田在住の2名のソプラノ歌手、井島佐恵子氏、後藤純子氏が共演、アリアを披露し、後半ではオペラの二重唱を共演した。

 演奏曲目は、
■ 山田耕筰 からたちの花 バラの花にをを込めて この道 
■ 中田義尚 ネムの花 サルビア ほか
■ 瀧廉太郎荒城の月
■ そのほかオペラ、カンツオーネなど。

 主催した秋田ゾンタクラブは、1919年に米国で設立され、今年記念すべぎ100同年を迎えた。現在世界で63力国30.000人の会員が活躍している。日本ゾンタクラブは1961年に設立され1.000人の会員。

 このコンサート自体は見事な出来で十二分に楽しめた。

 私にとっては半年ぶりの、久々のコンサートであった。
 アトリオンホールに対する不満などそれほどないが敢えていうなら、
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■ やや過剰な残響、
■ ホールを出てから外に出るまでの混雑する。危険でないか?
■ 傾斜が少なく部隊がよく見えないこともある 椅子の配置をずらせばいい。
■ 客席のイスが小さい。臨席と近すぎる、足のやり場に困る。
■ 特定の人、クループの人からの「ブラボー」コール。不快。
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 上記の不満はそれほど大きくはないが、最後の項目だけは私にとって小さくない。
 今回はそのために中座して帰途についた。

 私は演奏前に拍手をしないが、演奏直後も拍手をしない。静かに演奏者をねぎらう。遅れて、時には何度かのコールでやっと拍手である。

 ここ数年、何人かが後部座席から即座に「ブラボー」コールを、何度も何度も発する様になった。しかも、とても良い声!!! 、すごくでかい声!!!である。 私はこの「ブラボー」が不快である。発せられた瞬間、余韻も冷めて気分は一気に地獄に堕ちる。演奏家を讃えて拍手をしたり叫ぶのは自由であるが、やるなら演奏家の近く、もっとも前の席でやればいいのだ。

 私は、「ブラボー」コールが嫌で最近は演奏が終了すると即座に席を立ち、会場を離れる。いつも一番である。そのために後ろの通路脇の席に座る。私のささやかな防御である。

 私も老けたものである。従来それほど大きく感じなかった事象を大げさに感じるようになった。だから、最近はコンサート自体を避けている。
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本 三田一郎著「科学者はなぜ神を信じるのか」講談社2018(2)

2019年05月29日 05時40分46秒 | 書評
 本書では、物理学がどのように発展してきたか、その発展の上で宗教がどのような役割を担ってきたかについて説明している。

 筆者は「人間は神(の力)を持ち出さずに宇宙の起源を理解した。もはや神は必要がない」という発想こそが思考停止である」と述べる。このことこそ筆者の言いたいことの根幹だと思われる。
 更に、「すべてを説明する科学的法則を人間が解明しても、その法則を作ったのは誰か?という疑問には答えられない。だから、神の存在を意識すべきだ」という結論は、果たしてそうなのだろうか。疑問である。カトリック教会の聖職者である筆者の目でまとめているからそういう論旨になるのではないのか。

 また、本書の興味深い点は、物理についての豆知識が広く紹介されているところにもある。この本は、そのためにもとても有用と思える。 それぞれの科学者が語る神についての話は興味深い。

 物理学者と宗教といえば、いや、政治家路宗教についても、私は限界を覚える。
 「神をも恐れない姿勢」でマンハッタン計画に沿って大量破壊兵器である原子爆弾を作成したリーダーのロバート・オッペンハイマーを始めとして、ニールス・ボーア、エンリコ・フェルミ、ジョン・フォン・ノイマンなど著名な科学者、ハーバード大学やカリフォルニア大学など名門校の学生などが何を考えて計画を進めたのか、物理学の興味の前には、「神などの存在は忘れ去られていた」、としか言いようがない。

 「現代物理学の粋を集めた」を宇宙開発計画に自らの命をかけて搭乗した宇宙飛行士のかなりのメンバーが地球帰帰還後に「神の姿を見た・神を感じた・・」と述べているのも興味深い。どういう意味なのだろうか?

 米国人は比較的気楽に「Oh, my God!」というが、どんな気持ちで言っているのか?果たして宗教心か?
 科学と直接関係無いが、政治家は「神について」何と思っているのだろうか。なんで殺戮などできるのか?それを黙って見過ごしている宗教家は何を考えているのか?

 私は、特定の宗教、例えばキリスト教と人間の関係についてはまだ分かっていない。集団催眠術にかかっているとしか思えない。オカルトとどこが違うのだろうか、とさえ思う。
 
 それを考えると日本の自然宗教観の方が、ずっと道徳的だとさえ思える。
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本 三田一郎著「科学者はなぜ神を信じるのか コペルニクスか らホーキングまで」講談社ブルーバックス新書2018(1)

2019年05月28日 08時14分05秒 | 未分類
 著者が講演した際、「先生は科学者なのに、科学の話に神を持ち出すのは卑怯では?」 ある高校生から投げかけられた質問が契機となってこの本が生まれた。著者の三田氏は1944年生まれ、私と同年代。著名な素粒子物理学者で名古屋大学理学部教授を努められ、同時にカトリック教会の聖職者でもある。

 私は生活上で宗教行事を利用しているが無宗教者と言っていい。しかし、自然宗教的な神羅万象を対象に宗教心はある。
 無宗教はキリスト教社会、イスラム教社会ではまず到底理解されない、社会からネグレクトされかねない。

 しかしながら、日本人の無宗教は真の無宗教ではない。
 自然宗教、神道、創唱宗教など日本人の宗教文化の中における位置付けはとても大きい。

 本書の構成を目次からたどる。
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第1章 神とはなにか、聖書とはなにか

第2章 天動説と地動説 ――コペルニクスの神

第3章 宇宙は第二の聖書である ――ガリレオの神
第4章 すべては方程式に ――ニュートンの神

第5章 光だけが絶対である ――アインシュタインの神
第6章 世界は一つに決まらない ――ボーア、ハイゼンベルク、ディラックらの神
第7章 「はじまり」なき宇宙を求めて ――ホーキングの神
終章 最後に言っておきたいこと ――私にとっての神
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 聖書が教える「天地創造」の物語は科学が発展した今、もはや覆されてたのではなかったのか?? しかし、重要な発見をした科学者の多く、例えば、コペルニクス、ガリレオ、ニュートン、アインシュタイン、ボーア、ディラック、ホーキングらは神への思いを熱く語り、神の存在を強く意識していた、という。歴史的な業績を残した科学者300人のうち、8-9割の人間が神を信じていたらしい、ということも紹介す流。

 物理学の仕組みや歴史を科学的に解明すればするほど、神の存在が限定化されていく。だが、多くの科学者は、新発見をするたびに「より神に近づけた」と考えていたことは極めて感慨深い。

 私にとってはあまり考えたことがないジャンルの書籍で、いたく興味が持てた。
 ただ著者はカトリック教会の聖職者でもあることから、論旨の展開に最初からバイアスがかかっている。自分は、科学分野の端くれに位置する立場であり、かつ、無神論者に近いと思っている。だから、この本のテーマには大いに興味を惹かれた。もし無神論者がこのテーマで書くとどのような内容になるのだろうか。

 筆者は科学と神との関係を歴史を追って丁寧に説明する。
 キリスト教の宗教史と科学の発展の歴史を絡め、神の領域が徐々に少なくなって来たものの、「神を信じる事は科学と矛盾しない」と、筆者はいう。
 「神の存在を信じるということは、宗教や教会を信じるということではなく、それらを超えたところでの神の存在を意識するということだ」、という筆者の考え方にも説得力がある。
 日本の無神論者の論理に近い説明、と私は感じとる。
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トランプ国賓来日(3) 皇室外交の様子

2019年05月27日 01時50分49秒 | 政治・経済 国際関係
 トランプ米大統領の国賓としての来日の三日目は皇室の歓迎行事、午後は首脳会談が組まれた。
 天皇・皇后両陛下が初の国賓を迎え、国際親善のスタートを切られた。

 今回のトランプ米大統領の訪日は従来の国賓以上に長時間NHKTVで流された。皇室外交がこれほど長時間にわたって中継されたことはなかったように思われる。安倍首相の演出?が見え隠れする。

 両陛下は留学など、豊富な海外経験のある初の天皇となる。通訳を介さずに大統領夫妻と接する両陛下の様子は新時代の世代交代の姿がうかがわれた。
 歓迎行事後の会見は通訳が同席したが 陛下はほとんどが英語で、皇后とメラニア夫人のやりとりは全て英語だつた、という。
 
 天皇は若い時代に2年間、英のオクスフォード大で学美、皇后は米ハーバード大卒で外交官の経験もある。天皇の政治関与が憲法で禁じられ何かと制約があるが、上皇ご夫妻とは一味違う国際親善の形が期待できるだろう。

 多分、初の公式行事として天皇陛下は十二分に準備なされたのであろう。日米の親善の歴史を中心に丁寧に挨拶された。従来の天皇の挨拶よりは長かった気がする。トランプ米大統領の挨拶も同様であった。 

 国賓で迎えるか否か、は外務省が関係機関と協議し政府が閣議で決めるという。対象は外国の元首、国王や大統領で、天皇をはじめ皇室の最高ランクのもてなしを受け、皇居宮殿での歓迎行事や会見、宮中晩餐会も開かれる。
 国賓に次ぐのは公賓、公式実務訪問賓客のランクもある。
 国賓や賓客をもてなすのは国事行為ではないが、象徴天皇という地位に基づく公的行事とされている。

 本日、天皇ご夫妻は皇居宮殿の車寄せで大統領を迎えられ、離日の際には宿泊先のホテルに出向いてお別れのご挨拶されると言う。丁寧な歓迎ぶりであった。

 TV映像を見る限り皇后の表情もよく、私は安心した。これを機会に今後の経過が期待される。

 午後の迎賓館での首脳会談は小人数で行われ、米中、日中の貿易問題を中心に結構ホットなやり取りがあったと伝えられた。8月以降、トランプ米大統領が豹変しないことを期待するが、今回の国賓来日で日本側が抱え込んだ荷物は小さくない。
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トランプ国賓来日(2) ゴルフ、国技館、居酒屋・・ ほぼ観光旅行?

2019年05月26日 06時53分08秒 | 政治・経済 国際関係
 2017年1月にトランプ米政権が誕生して以来の安倍と大統領の蜜月ふりは世界中のどの指導者と比肩出来ないほど突出しているように見える。ドイツのメルケル首相は安倍総理にトランプ大統領の付き合い方についてノウハウを尋ねたそうだ。
 安倍総理はなんと答えたか明らかになっていないが、『愛犬の気持ちになって・・・』とでも答えたのだろうか。有名なジョークがある。米国人の愛犬家が日本のドックショーを見学した際、「素晴らしい。ところで米国の犬はいないのですか?」と問うたら、会の主催者は首相官邸に連れて行った、という。

 トランプの心のうちはなかなか読めない。だから、安倍首相の努力ぶりは評価すべきだろう。トランプが選挙で勝利し、まだオバマが在任しているうちにトランプの私邸を訪問して親交を温め始めた。この首相の行動はトランプの心に小さな楔を打ち込む価値はあっただろうと思う。

 天皇の代替わりの機運に大統領を国賓として招いたことは、日米両首脳の親密ぶりをこれ以上ない形で示すこととなつた。私はもう一度、安倍首相の努力は認めたい。
 
 だけど、何かが違うのではないかと、違和感を覚えざるを得ない。
 トランプは安倍首相が期待するほど日本に対して関心があるとは思えない。必ずしも日本に理解があるわけではない。そのことは就任直後のトランプの発言を見れば分かる。日本に対して、日米同盟の意義についてもほとんど知識はなかったように思われる。いちばんの関心は貿易不均衡である。

 安部首相がここまでトランプ大統領を必要こする背景には、中国が台頭し、朝鮮半島外交も袋小路の現状にあつては おのずと米国に頼らざるを得ない。米国との同盟維持に日本の防衛面での生命線だから、という認識であろう。
 日米同盟についてもいろいろな考え方がある。アメリカへの追従から離れて・・という意見もある。しかし、国政を預かる首相としては無責任な意見は吐けない。自助策を高めていく一方で、少しでも確実な、確固とした関係を追求せざるを得ない。

 安部首相はそうした日本外交の限界を踏まえた対米外交を見事に演じていると言えよう。

 ここまで徹底してトランプ大統領にすり寄っているのは、トランプは基本的にビジネスマンであり頑強に米国第一を掲げるから、明日のトランプの行動は予劇不能だから、対米外交の真価は大統領の日本に関する関心を如何に維持できるか、で試されるといえる。対中貿易問題を見てもトランプ大統領は実にクールである。

 トランプ大統領は、日本の総選挙までは具体的な成果を求めないという意向を示した。明らかに安倍首相への選挙協力である。実質、3ケ月ほどの先送りに過ぎないが安倍首相にとっては大きな借りとなった。 

 まあ、ゴルフではそう問題にならないだろうが、相撲協会にとっては多数のSPを受け入れ、座席を用意し、短時間ながら主役の座を奪われてしまった。優勝が前日決まっていてよかった。トランプ大統領の表情は決して楽しげではなかったのが気になる。
 居酒屋、都の中心部で接待するのはどう考えても迷惑だった、としか評価できない。

 トランプ大統領の国賓としての招待は巨額の経費が動いた、と思われる。

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