福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

イヌ・ネコはペットにあらず?(6) 飼い主の終活 ペツトたちへの配慮

2015年04月30日 19時10分44秒 | コラム、エッセイ

 イヌ•ネコとの同居は、ある人にとっては掛け替えのないものとなっている。たかがペットなどと言おうものなら切れる人もいる。イヌ•ネコは生活のパートナー、さらに家族の一員とまで称されるようになってきた。人それぞれでいいのだが、私はこの傾向を是とするものではない。

 飼い主の終活の一環として、自分亡きあとのペットのことを心配して、飼育・管理を信託銀行などに任せる「信託」の仕組みが注目されている。
 某新聞の記事によると、奈良県の自営業の女性(60)は昨年11月、4歳の飼いネコの世話を信託会社と契約した。ネコの余命を12年とし、約300万円を信託会社などに払った。女性は離婚し、子どもはいない。帰宅すると、すり寄ってくる猫に話しかけると生きがいを感じる。
 女性は喘息等の持病があり、自分にもしものことがあったら・・、と不安になる。ネコは子どもと同じかそれ以上、安くはないけれど、これで安心です、と答えている。
 相続専門の司法書士によると、孤独死への関心が高まった3年ほど前から、ペット、特にネコ関連の相談が増えているという。高齢者にとってイヌは世話しきれないからであろう。

 「信託」の制度は、ペヅトの平均寿命までのエサ代などを支払い、飼い主が死亡や入院した場合、愛大家や獣医師が世話をする。余命1年あたり数十万円準備する必要がある。ペット保険を扱う会社は、「ペットの信託サーピスヘの需要が高まっている。今後数年で3万~4万人の会員を集めたい」と話す。

 飼い主亡きあと動物を財産と見なし、その世話を条件に相続を上乗せする「負担付き相続」などの方法もある。

 内開府の2010年調査では、60代でペットを飼っているのは36.4%、70代以上は24.1%に上る。ネコを飼いたいと言う独居の高齢者はかなり多いと考えられる。しかし、ネコと自分の寿命を考えて諦めている、のが実態と考えられる。

 ペットの寿命はペットフードの改良などで延び、ペットフード協会の14年度調査では、イヌの平均寿命は14-17歳、ネコはそれより1-2年長いという。これだとやはり二の足を踏む高齢者は多いだろう。

 独居の高齢者が安心してペットを飼える仕組みをがあればいいのだが、信託するという方法はあまりにも高額すぎる。それに、このシステムは本当に信用できるのか?誰が責任を持ってくれるのか??私は現状では勧められない。

 私のオススメはノラネコを手なずけることである。私にとっては2-4台目のネコはノラ出身である。それでも十分に可愛い。ノラなら、飼い主亡き後も自活できると思われるから安心できる。
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イヌ・ネコはペットにあらず?(5) 飼い主の死亡で取り残されるペツトたち

2015年04月29日 03時20分46秒 | コラム、エッセイ
 ペットとの同居は、ある人にとっては掛け替えのないものとなっている。イヌ・ネコのレベルからペットへ、ペットからパートナーへ、さらに家族の一員とまで称されるようになってきた。

 数年前のことであるが、80歳代の女性が高熱、咳嗽を訴えて受診した。急性肺炎であった。それほど重症ではなかったが、高齢でもあり、常識的には入院加療の適応である。入院治療をしつこく勧めたが頑として聞き入れない。
 ネコと二人暮しなので入院できないと言う。高齢のネコですが、自分にとっては掛け替えのない娘です。弱ってきているからこれをおいて入院などできません・・・と力説する。
 私は患者の希望を入れて外来で治療することとした。カルテには院長あてに事情を記載し申し送った。一時的な診療応援だったのでその後の消息は知らない。その後どうなったのだろうか。

 昨年、某市で60歳前後の男性が死後約2ヵ月たって見つかった。身寄りのない孤独死であった。某市の福祉課から依頼を受けた遺品整理業者が住宅に入った。別の部屋の押し入れから痩せこけた5匹の猫が出てきた。風呂の浴槽にわずかに残った水で生き延びていたらしい。

 遺品整理業者によると、孤独死や一人暮らしの高齢者の死亡の場合、現場でペツトを見つけるのは珍しくない、という。

 環境省によると、12年度に動物保護センターなどに引き取られた犬と猫は約20万9千匹。引き取り条件を厳しくして10年間で殺処分数は6刳ほど滅ったものの、同年度は約16万1千匹が処分されている。この中には飼い主が亡くなって路用に迷った犬と猫がかなりいると思われる。

 動物愛護相談センターが12年度に飼い主から引き取ったのは550匹で、そのうち、飼い主の死亡が22%、入院など18%であった。センターの担当者は、自分の死後のペットの処理方法を紹介するパンフレットをつくることを検討しているという。

 高齢者の終活が話題になっている。私も所持品を処理し始めかなり進んでいる。我が家のネコのことは今のところは家族がいるから心配はしないで良さそうだ。
 ペットと暮らす高齢の、独居の方々の心情は察して余りある。

 私は小学生のことまで病弱で死を意識しながら過ごしていた。当時、飼っていたネコには自分一人では旅立つのは寂しいから一緒に、と話しかけていた。ある時に「にゃん」と返事があり、私は同意したと解釈した。一層愛おしく思ったが、私とネコとの懐かしい思い出である。
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放送法とは

2015年04月28日 05時22分13秒 | 時事問題 社会問題
 この一ヶ月ほど政権与党とメディアの間で、放送法をめぐる奇妙なもめ事が起きている。
 この件については、新聞やTVで頻回に報じられている。
 私もこの記事が出てから放送法についていろいろ調べてみた。私が得た結論は、この重要な問題に対しメディア側の対応がおとなし過ぎるのではないかということである。

 ことの発端は、去る3月27日、民放のニュース番組で某コメンテーターが「(自分の発言をめぐって)官房長官をはじめ官邸からものすごいバッシングを受けました。今回が最後の出演です」と発言した。
 これを問題視した自民党の情報通信戦略調査会長が4月17日、民放専務と、やらせ疑感ありとされたNHK副会長を党本部に呼び事情聴取した、というもの。
 その際、情報通信戦略調査会長は「このような事実と反する発言が続くようなら、第三者機関の放送倫理・番組向上機構(BPO)に申し立てることも検討する」と告げ、「さらに事実を曲げた放送がなされるなら、法律に基づいて放送停止も考える」とも言ったとされている。
 確かに、その頃NHKの代表的番組の一つであるクローズアップ現代に於いてやらせがあったと指摘されてた。

 このやり取りの報道を読み、与党の方々、情報通信戦略調査会長も放送法を取り違えているのではないか、と思う。

 第二次世界大戦中の軍部によるメディア規制のことが想定されてくる。大本営発表とされて流されたニュースはことごとく国民を欺く内容であった。こんなことがないように、政治とメディアが特立して報道できるように、と作られたのが放送法である。与党では逆に考えているらしく、放送法の名のもとで放送内容を政治的にコントロールできると考えているらしい。

 放送を聴いて、放送法だ、BPOだと、権力側がいきり立つのは何故だろうか。弱みはないか?
 一方、党本部に出掛けて釈明するメディア側にも問題がある。拒否すべきだったし、会長から告げられた内容を承服できない、と拒否すべきであった。その上で、第三者の参加を得て事実関係を調査すればいい。また、発言のあった報道番組で反論の機会を提供し、情報通信戦略調査会の意見を提示し、反論させればいい。

 この問題は、放送の歴史から見ても無視できないとても大きな問題だと思う。にもかかわらず、メディア側の対応は信じ難いほどである。
 メディア側から申し出て公開の討論の場を作っても良い、とさえ思う。
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統一地方選2015(2):対若年者政策が少なく、若者の関心を惹けなかった??

2015年04月27日 18時05分58秒 | 時事問題 社会問題
 地方選挙が終了した。4月12日には前半選挙が行われ、秋田県議43人の新顔が揃った。

 秋田選挙区で時折耳にした選挙カーは相変わらず候補者名の連呼だけが目立った。
 各候補の主張は私は新聞紙上からしか得られなかったが、各候補の主張が横並びで選べなかった。私は各候補者が県議としてどれくらいの資質や力量があるのか、把握できないまま投票所に向かった。 

 4月26日の後半では大館市長・市議、上小阿仁村長・村議、それに、秋田市議の5選挙の投開票が行われた。

 最も注目されたのが大館市長選で、全国最多の7選を目指した現職(66)を抑え、新人(47)が当選した。大館市は人口減が進み市内は空洞化、商店街はシャッター街になっている。前市長は過去の選挙で3回は無投票で支持基盤は磐石であったが、市の衰退をず見てきた大館市民はあえて変革を望んだと思う。新市長の手腕は如何ばかりだろうか。

 秋田県議選の投票率は56.12%で、前回2011年の61.18%を下回り、過去最低を更新した。秋田市議選の投票率は47.61%で、過去最低だった前回2011年の50.40%をさらに下回った。

 秋田市議選の投票率は県議選よりは10%も低かった。
 
 低投票率の原因については多様だろうが、私は選挙方法にも問題があると思っている。

 秋田県議の場合は43人を選んだが、県内を14の選挙区に分けている。秋田選挙区は定員12人に対して17人が立候補した。これだと選択肢が狭くて候補者を選びやすい。
 秋田市議選は定員39議席を1選挙区として選んだ。立候補者は47人と多く、私はポスターを見ても、新聞記事を見ても個々の候補者の主張を知ることは困難であった。ポスターの面積を顔写真が占めていて主張は少ない。選挙は顔でなく政策である。
 支持候補を持っている有権者は投票に行く確率は大きいが、そうでない有権者は候補者を選びようがないために投票意欲は乏しくなる。こんな選挙方法では投票率改善は期待できない。さらに、新人が入り込む確率は低くなる。

 選挙カーについても問題がある。走行中は候補者名の連呼だけしかできない決まりになっている。こんなの意味がない。メディアをもっと利用してはどうか。

 秋田県も市も衰退が著しい。活性化は若者に対する政策を全面に押し出さなければならない。秋田市はエイジフレンドリーシティ構想などあげて高齢者対策にこだわっているが、私は高齢者対策はひとまず脇に置いて、地域活性化のために対若者対策中心にシフトすべきと考える。

 それに、候補者は若い有権者に注目されるような政策を掲げたのか?? 私の目にはそうは見えなかった。

 こんな選挙では低投票率は改善しない。低い投票率の中で票を集めて当選したとしてもその議席の意義は小さい。
 改善案として、50%以下の投票率だった場合は無効選挙として再選挙にする、その上で、全投票数の20%以上を得られなかった候補者は落選とし、補欠選挙を行う・・などはどうだろうか。
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イヌ・ネコはペットにあらず?(4) 仲よかった3匹の子猫、一匹が冬を越せなかった

2015年04月26日 04時56分24秒 | コラム、エッセイ
 我が家には何か知らないがネコが集まってくる。
 昨年春、栄養状態の悪い雌のトラネコが庭に出没。家人は見兼ねて時折餌などやっていた。一時不明になっていたが、9月頃3匹の子ネコを伴って戻って来た。子猫は順調に成長した。

 不思議な現象があった。3匹の子ネコが共同して母親を拒否した。
 母ネコを威嚇し、母はその剣幕に恐れをなしたのか最近は全くみる機会はない。母ネコと青年期の子ネコの世代間の確執か。

 11月、子ネコたちが勝手口で互いに身体を密着させ寒さに震えていた。見かねて風雨雪、寒冷を防ぐために防寒シェルターを作った。

 新年になっても、子ネコが3匹家の周りをたむろしていた。仲たがいせずに寄り添って生きている。
 2月下旬頃、そのうちの一匹、トラ猫のクリ坊が元気が無くなって食欲も減退してきた。呼吸系に問題を抱えているようで、時折咳をしていた。他の元気な2匹は、これも私の目では驚くべき行動であったが、弱ってきたクリ坊にぴったり寄り添って体を温めているようであったし、時々顔や体をなめていた。立派な介護行為であった。

 私はクリ坊は冬を越せないだろうと予測していた。そのうち、クリ坊が見えなくなった。


(元気であった頃のクリ坊。仲の良かった三兄弟。並ぶ場所もほぼ決まっていた)

 4月11日、その日の午後は晴れて暖かくなった。春を迎えるためにガレージの2Fを掃除した。私はずっとクリ坊がここで死んでいる可能性が高いと読んでいたが、やはりそうであった。家具の隙間にクリ坊の遺骸があった。いつ死んだかわからないが、気温のせいなのだろう、腐乱状態にはなかった。前例にならって庭先に葬った。これで私のネコに関する懸案事項の一つが解決した。

 私は最近のペット事情は行き過ぎているように思っている。
 私はネコとは距離を置いて付き合っているつもりである。私と共に生きている生命体として慈しみ、最小限の世話をしているだけである。この兄弟ネコの行動にも感心し、学ぶことも少なくない。
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