私の家はミサワホームOⅡ型の49坪タイプの製品に改変を加えて53坪にしたプレハブ住宅である。築1979年だから築後45年になる。
当時耐震性など意識して購入したわけではないが、構造的に住宅全体の強度を支えるのは柱ではなく壁の木質パネルである。
私は印象としてはダンボール箱の強さを考えて、地震には強い構造なのではないかとの印象を受けていた。
住宅の旧耐震基準(1981年)は1950年-1981年5月31日までに建築確認を行った建物に適用され、新耐震基準(2000年)は旧耐震の基準を補強し、震度6強~7に達する程度の大規模地震に対して安全を確保するという規定で1981年以降の建築が適応となっている。
だから、私の家は旧耐震基準に沿っているはずである。
専門的なことはわからないが、
(1)1964年に起きたM7.5の新潟地震では、全半壊家屋約8,500棟という被害において、ミサワホーム建造物は本体は無傷という結果だった、という。これにより大蔵省関東財務局から「災害復興住宅」として承認されている。
(2)2011年3月11日。史上で未曾有の被害をもたらしたM9.0の東日本大震災では、震度6以上を記録した地域のミサワホームは12,000棟以上あり、津波・土地の隆起・液状化などによる建物被害は発生していたが、地震の揺れによる倒壊家屋は見られなかった・・・という。
これらのデータは私に大きな安心感をもたらしたが、あくまでも社内の調査報告であり、100%信じているわけではない。
今回のR6能登半島地震はM7.6で最大震度7であったが、新耐震基準後に新築・改築した住宅でも半数の木造家屋が全壊していたことが金沢大などの現地調査で分かった。調査した村田助教(地震防災工学)は「新基準を満たしていても、約3年間続いた群発地震でダメージが蓄積し、倒壊に至った可能性がある」としている。
現地調査は1月3日、特に被害が集中した珠洲市正院町の一部の木造家屋(約100棟)を対象に行われた。40棟ほどが居住不可能な「全壊」で、そのうち半数が新耐震基準導入後に新築、もしくは改築された住宅とみられた。原形をとどめていない「倒壊」も約10棟あった。
能登半島一帯では2020年12月から今回の地震までに、震度1以上の地震が500回以上発生。昨年5月には、最大震度6強の地震もあった。この間に耐震性が障害されていたのだろう。
住宅の耐震化は重要である。しかし、今回の倒壊住宅にみるように、開口部が広く、1Fに広い居間とか座敷があり、さらに二階建て、瓦葺の古い様式の住宅の耐震化は価格的にも難しいレベル、と思う。
家の中に耐震性の高い箱型の個室「耐震シェルター」を置くことで生存空間だけは確保する、という工夫は価格を考えれば一方法であろうが、大家族には向かない。