福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

原爆投下71年(4) トルーマン大統領の苦悩と世論操作(2) 

2016年08月18日 02時23分19秒 | 政治・経済 国際関係
▼長崎への投下の翌日8月10日、全閣僚を集めその後の原爆投下を全て禁止した。この決断は評価できる。朝鮮戦争に原爆使用を、と主張したマッカーサーの突然の解任にもつながっている、と思う。原爆をさらに使用することなど自分としてはもはや考えられなかった、のだろう。
▼トルーマンはその後原爆投下を正当化する工作を開始した。ラジオ放送を通じて、「多くの若い命を救うために原爆を投下した」、と国民に説明した。現在までこのことが原爆投下の大義とされて通用している。私はこの後付けの理論武装は自身とアメリカを擁護するため、であったと思っている。
▼後日、トルーマンが被爆者と面会したことがあったが、その時も「日本人の命を救うために投下した」と述べた。面会時間は数分であった。
▼その後、トルーマンは多くを語らずに死去した。大統領として、軍の最高責任者として退任後も絶大な人気を誇っていたが、だからこそ、自らを恥じ、深く感じるところがあったのであろう。トルーマンの人間性の一部が示されている、と思う。

 このNHKスペシャル「決断なき原爆投下」で示された新事実は私にとっても衝撃的であった。軍の最高責任者トルーマンについて、優柔不断であったその人間性も含めて全てネガティブに考えていた。
 今回のドキュメンタリーは広島・長崎の原爆投下が、無知、誤解、軍民間の軋轢、軍の陰謀、・・・の結果であった。こんな過程で決断され、多数の命が奪われたのか、と考えるだけでも辛い。
 なんであれ、最高責任者であったトルーマンの責任は逃れられない。

 アメリカでは原爆投下について再評価が進んでいる、という。今後、さらに新事実が明らかになっていくだろう。それを期待している。同時に、わが国の立場からの再評価も進めていかなければならない。

 私はもっと歴史を、資料を深く学ばなければならない、と思った。
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