福田の雑記帖

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人口減問題を考える2017(1) わが国の人口問題の推移(1)

2017年11月21日 18時03分51秒 | 時事問題 社会問題
 国の人口が減少することは、文化・文明の進化がもたらす自然の姿である。さらに日本の場合、少子・高齢・人口減の三点セットで諸外国よりも深刻な問題なのに、そう深刻には考えられていない。
 
 国が出生率の目標値をあげたとしても「産む産まないを決めるのは個々人に任されるべきで政府が口を出すべき問題ではない」、という考えは近年では国際的にも定着した考えである。
 だから、こんな数値をあげても影響を受ける人はいない。参考になろうが、効果はない。

 出生率の目標値をあげることよりも、何で出生率が低下したのか、を考えなければ解決しない。

 私は、人口減は文明の自然の流れであり、流れに逆らうことはできない、と思う。例え、ドラスティックな環境整備をして、女性を保護し、妊婦、子育てを支援し、教育費を補助したとしても、解決しない問題だと思う。ましてや、今の日本はそんな対策はできない。だから、わが国はもはや人口増加は希み得ない。人口7000万人時代に見合う社会を構築する方がいい、と考えて来た。

 ただ、これは間違っていた、と思う。
 
 何で人は子供を産むのか?何で産まなくなったのか?人口問題はそこから考えなければならない。

 わが国の人口問題の推移を思いつくまま挙げてみる。
――――――――――――――――――-
▪️人類は生物としての繁殖能・種の保存能のもと、新生児多死を多産で乗り越え存続してきた。

▪️社会化と共に、種族・部族の維持繁栄のため多産傾向強まる。農耕文化の発展とともにマンパワーの必要度高まる。

▪️蓄財が始まり、貧富差が生じた。直系の血筋を重視する家族、家の概念が生じた。上層階級は血筋重視、下層階級は労働力としてマンパワーが必要となった。

▪️明治以降は富国強兵策を掲げ、国家の意図的な出産・育児・教育政策が画策され、人口が急激に増加した。農業生産力の増大、工業化による経済発展と国民の所得水準の向上と生活の安定、公衆衛生水準の向上等で、人口は増加の一途となった。

▪️国は、人口問題を抱え、将来は経済的に窮乏していくと考え、外に食料、エネルギーを求める大東亜共栄圏構想を打ち立てた。

▪️戦後、従来の価値観の否定と民主化があった。第一次ベビーブーム、朝鮮特需で急速に経済復興。

▪️ベビーブームによって生まれた子どもは10歳程度でも労働力となり家庭を支えた。中学卒業後は田舎から都会の工業地帯に大量就職した。日本経済を支え、仕送り等で田舎を潤した。この頃は子供が多い家庭ほど親にとって見返りがあった。子供一人あたりの養育期間は15年間程度と短かった。
コメント
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