福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

企業不正2017(5) 「スバル」の不正(2) メーカー任せに問題

2017年11月09日 09時16分22秒 | 時事問題 社会問題
 国土交通省は、新車の最終検査について、自動車メーカーが認定した従業員が行うよう求めている。スバルの場合、正規の検査員に認定されていない4人に最終検査を行わせていた。
 スバルのリコールの対象は約40万台に上る。安全に関わることだけに、迅速に対応するとともに、ユーザーには丁寧に説明して理解を求める必要がある。
 スバルは業界の中では小さな方に属する。製品にも、ディーラーのサービスにもひたむきさが窺い知れた。個人的にはそこを評価してきた。スバル車を30年以上も使い続けてきたルーツの一つである。

 国交省は資格者の基準は設けておらず、メーカーに任せていた。各メーカーが勝手な基準を用いているとすれば、例え正規資格者が検査をしていたとしても信頼に足るものにはならない。三菱自動車で、燃費データ不正が行われたのは自社の測定データが用いられてきたからである。

 この様な重要な検査の資格者の認定などはメーカー任せにしてはダメだ、と思う。
 せめて、自動車業界の機関が共通の基準と資格者認定を行うべきである。今回の事件は他のメーカーには波及しないとのことであった。それは良いことと思ったが、今回の不祥事の背景には国交省の考えの甘さもある。
 組織には巨大化するとともに隠蔽体質が備わっていく。ましてや経済活動が旺盛な企業には不正と隠蔽が付きまとう。

 家ではよき夫、パパが組織の中では良心、倫理観を失っていく。何故だろう!!
 人間の弱さ、ずる賢さ、があると思う。複数の人間が集まれば責任感も曖昧になる。

 私は医学論文を読むときに疑いの目を持ってみる。特に、新薬や新治療法については、その関係者の論文は距離を置いてみる。

 いま、小中高でいじめ問題が多発し、自殺者も相次いでいる。学校や教育委員会はいじめはなかった、気がつかなかったと安易にコメントするが、人間の集団では大なり小なり必ずいじめが発生するものだ、との前提を持たねばならない。こんなことが教育関係者になんで浸透しないのか。私は不思議に思っている。いじめがない学校を作るのは無理だろう。いじめがあるとの前提で観察する方がいい。

 残念なことだが、組織には大なり小なり不正・隠蔽が付いて回る。企業不正は探して発見してから、発覚してからでは遅い。
 年に一度ずつ、過去にあった企業不正の項目をチェックする習慣を義務付け、公表すればいい、と思う。
 
 日本のものづくりの信頼度は高いとされてきた。いま、現場は一体どうなっているのか、と思う。失われつつある信頼を取り戻すために、掛け声だけではダメだ、思う。



コメント
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