福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

ひやみこき病(2) 音楽会がおっくうになった

2017年11月18日 05時52分23秒 | 近況・報告
 「ひやみこき病」という病気があるとすれば、ここ数年前から私はそれに罹患してしまったらしい。勿論、正式な医学用語には無い病名である。「ひやみこき」というのは秋田弁で怠け者、めんどうくさがり者、と言う事。
 標準語では「おっくう」に相当するだろう。漢字では億劫と書く。「新明解国語辞典」には「手足や頭を働かせることがめんどうな様子」とある。気か向かない、めんどくさい、と言う事である。

 今月7日、私は午前中業務をズル休みした。
 ひやみこき病(1) ズル休み

 ズル休みの願望自体はかなり前からあったが、実行にうつしたのは今回が初めてである。その日は午後には飯川病院の勤務があるので時間的には大した休暇にはならなかった。しかし、こう言うズル休みの願望・発想を実行に移したことに、私にとっては大きな意義があった、と思う。一つのハードルを越えた。これからはもっと気軽にずる休みできるようになる、と思うとなんか楽しい。

 こう言う発想はいつからなのだろうか。
 私は、外来の業務は余り好まない。今も続けているが、患者と交わす会話が徐々に億劫になってきた、と言うこと。予約が混雑している日など逃げたくなるが、責任上実行不可能である。

 一番顕著な様変わりは大好きだった音楽関連の分野の変化だ、と思う。
 現役のときは、乏しい時間をやりくりして音楽関係のスケジュール、とくに各種の演奏会には積極的に出掛けていた。当時は、興味ある演奏会がある時は東京にまで出掛けていた。チケットを手に入れたときはその日を迎えるのがたのしみだった。

 今は時間的には余裕がある。しかしながら、かつて燃えたような、世界の一流歌劇場の引っ越し公演、オーケストラの演奏会の広告、予告をみてもチケットを入手する気にもならない。
 秋田の2-3の団体からはいまでも招待券などが送られて来る。前はほぼ皆勤していたが、今はあまり行く気にもならない。演奏会に行くなど大した努力も要さない。身支度をして、定刻に出かけて座っていればいいのに、である。

 出掛ける労力はイヤでない。むしろ、その機会を活かして歩く事ができる。
 何が私を音楽会から遠ざけたのか、と言うと人ごみの中に出かけていくこと自体が嫌なのだ、と気付いた。真面目に考えてもしょうがないのだが、人混みに出かけるのはもともと嫌だったが、それでも音楽会にはでかけていた。今は何の因果で、嫌な人混みの中に出かけていかねばならないのか??と言う疑問が生じてきたからである。

 私にとっては演奏会に出掛けることは一生続く趣味の一つだろうと思っていた。それを嫌うようになった。ただ救いは、私にとって大きな意義を占めていた演奏会を避けるようになって来たのは、音楽そのものに対する姿勢が変わったのではなく、単に人混みが嫌になっただけだった。
 音楽に対する興味に、考え方に大きな変化が無いことは、これは救いでもある。
コメント
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