高知県メタンハイドレート開発研究会

土佐湾沖の海底にあるメタンハイドレートを掘り出す国家プロジェクトを、高知県に誘致する開発研究会を立ち上げました

鈴木朝夫理事長の年頭のご挨拶を紹介します

2012-01-01 | 事務局からのお知らせ

昨年暮れに開催した高知県メタンハイドレート開発研究会の役員会で、鈴木先生に年頭のご挨拶をお願いしておりましたので、ご紹介させて戴きます。

新化石燃料は再生可能エネルギーの補完

            高知県メタンハイドレート開発研究会(理事長 鈴木朝夫)

  県民の皆様、関心をお持ちの皆様、研究会構成員の皆様、「明けましてお目出度うございます。」新しい年が皆様方にとって明るく実り多き年であることを、心からお祈り申し上げます。昨年、「海の日」に発足したこの研究会も2年目を迎えようとしております。

 昨年の特筆すべき出来事は、何と言っても、東日本大震災です。未曾有の地震とそれに伴う津波という自然災害、そして技術の過信と見込みの甘さによる人的事故の重なり合った原子力発電の災害でした。これらは今も続いているどころか、難問が続出しています。
 地球環境問題、エネルギー問題も人類が作りだした大問題です。二酸化炭素の排出を抑える切り札の筈の原発が、放射能汚染を引き起こしてしまったのです。放射能の飛散だけではなく、時間経過と共に、除洗に伴う廃棄と自然の濃縮作用が表面化して来ました。

  原子力発電の信頼性は極端に低下し、能動的な安全性は当てにはならず、リスクが高いことを我々を知ったのです。フェールセーフ(受動安全性、手を離せば安全側に動くこと)ではないことを悟ってしまったのです。そこで浮上してきたのが再生可能エネルギーです。
 太陽光発電、風力発電、地熱発電、小水力発電、バイオマス発電などが候補です。エネルギー自給率や安全保障は良いのですが、発電と消費の釣り合いの問題、電力の系統安定が問題です。そこで、スマートグリッドの導入が必要になってきます。
 発電量と消費量の調整のために機器のオン・オフを行い、さらに電力料金の変動と組み合わせる仕組みです。電力の自動的オークション制度と見なしても良いでしょう。二次電池によるエネルギー貯蔵に加えて、火力発電・水力発電の有効利用が必要になるのです。
 ほとんどが輸入に頼る化石燃料の最大の欠点は、地球温暖化と言うよりも、安全保障としての課題です。産出国の政治的・軍事的状況によって価格は乱高下します。輸入額はGDPの4%に達しています。他の問題点は石油ピークを過ぎていると考えられることです。

 そこで登場するのがメタンハイドレートです。この化石燃料は、手の届く日本の直ぐ其処に、土佐湾の海底に眠っているのです。安定的な確保可能な化石燃料の火力発電は、ダム式水力発電と並んで、エネルギーの安全保障にもなり得ると考えられます。
 この会は、メタンハイドレートを中心に、他の海底資源にも関心を向けて、技術開発・基礎研究、インフラ整備に対する、高知県、高知県企業、高知県民の熟度を上げていくことを目的として発足いたしました。県民全員で勉強していきましょう。

  先の幹事会で確認したことがあります。今後の会の展開方向は幅広いテーマについて活動するとしました。メタンハイドレートに限定するのではなく、より広い範囲を包括出来るようにしていくことが得策と考えています。県民を揚げて理解を深めましょう。

 講演会だけではなく、講習会、実習・見学など形式にとらわれない活動を広く勧めていきす。皆様のお知恵を発揮して下さい。情報の共有の仕組みの構築として、ネット交流とオフ会の組み合わせを考えましょう。預託を受けた基金の有効な活用を検討しましょう。

 県内外を問わず、活動している他の団体との協働を積極的に進めましょう。国際戦略部会、技術開発部会などの未設置の部会の立ち上げを早めるための支援・協力を行っていきましょう。国家プロジェクトと連携を密にしていくことが必要です。
 本会の名称も広く考え直したいと思って居ます。どのような名称が望ましいか知恵を下さい。今年が発展につながる年であることを祈念いたします。

 

 



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