マキペディア(発行人・牧野紀之)

本当の百科事典を考える

浜松茶の未来

2011年02月16日 | ハ行
 静岡市の茶業界の様子が発表されました。ここをクリック

 浜松茶も同じだろうと推測します。我が家の周囲でも茶畑は減っています。これをどうしたらよいのでしょうか。

 多くの人は人口が減っているのだから仕方ないと言っています。本当にそうでしょうか。人口の少ない国でも、輸出によって産業を発展させている場合もあります。現に、今、日本茶は外国で人気が出ています。ここに1つの可能性があると思います。

 国内を見ると、ペットボトル茶の全盛です。多くの家庭で茶を淹れなくなっています。しかし、ペットボトルのお茶しか飲んだ事のない人でも、正しく淹れたお茶を飲むと、「ペットボトルのお茶と全然違う」と言うそうです。つまり、お茶の本当の味を経験してもらうことが大切だということです。

 又、鹿児島などのように平地で大規模な経営の所が伸びていると言われています。ですから、山の多い静岡県では太刀打ちできないと言う意見があります。しかし、先日は、テレビで「掛川の深蒸し茶が健康に好い」と言われて、掛川茶が品薄になったとかいう話も聞きました。つまり、品質を武器にすることで打開する可能性があると思います。

 思うに、お茶の本当の淹れ方と本当の味を知っている人は少ないのではないでしょうか。かく言う私にも余り自信はありません。これでは話にならないと思います。いくら「好いお茶」を作っても、それを正しく味わう事の出来ない人を相手にしていては、広まるはずがありません。

 ジャパネット高田とかいう通販の会社は「使い方を紹介する」ことで販売を伸ばしたと言われています。浜松茶も「使い方」つまり「飲み方」を教えたらどうでしょうか。これが大前提でしょう。

 静岡駅の南口を出てすぐの所に(スルガ銀行の入っている「水の森ビル」の3階に)O-CHAプラザ(以下、「お茶プラザ」と書く)という県と業界とで作った(?)宣伝の場があります。しかし閑古鳥が鳴いています。どうしてこういう状態を放置しておくのでしょうか。多くの人が来てくれるように工夫をするべきです。

 先日、そこでお茶の淹れ方の指導を受けました。考えた事を書きます。

 第1に、小さな湯呑なのに沢山の茶葉を使っていました。つまり、多くの家庭では茶葉の量が少なすぎるのでは、と考えました。しかし、そう云うと、「沢山使うと、高くつく」という反論が考えられます。しかし、仕方ないのです。ペットボトルのお茶では少量の茶葉を徹底的に絞りつくしている、という話を聞きます。それにそのお茶プラザでは多量の茶葉を使いましたが、3回淹れられました。いずれも美味しかったです。

 紅茶でも、日本人の淹れ方では茶葉が少なすぎると言われています。ですから、本当のお茶(や紅茶)を飲みたいなら、茶葉を必要量使うか、煎茶以外の茶を飲むかしかないと思います。

 実に、日本人の偏見(だと思います)は、「煎茶は高級で、番茶など他のお茶は低級だ」という考えだと思います。煎茶は低い温度で淹れますから、本来「午後のお茶」で、その他の場合は番茶やほうじ茶を飲むことを考えたらどうでしょうか。私は、生産者も勇気を持って、こういう提案を消費者にするべきだと思います。

 もちろん最後は消費者自身が決めることですが、その前提としての正しい経験をする場を増やしたらどうでしょうか。お茶プラザ(「一服亭」というネーミングはどうでしょうか)は1つしかなく、知られてもいません。浜松市内に数ヵ所、作るべきです。駅の「メイワン」の中にも1つ、市役所にも、ショッピングセンターの中にもあっていいと思います。喫茶店の営業妨害になるのではないか、といった議論は違うでしょう。レコードを放送で流したら、レコードが売れなくなるという考えと同じです。

 私見では、我々の作る「一服亭」では、煎茶だけでなく、ほうじ茶も番茶も紅茶もコーヒーも、本当の淹れ方を実習できるようにするべきです。コーヒーでも、生豆を自分で煎って(焙煎して)、自分でミルで粉にして、その場で淹れて見るなどということは、そう体験出来るものではありません。

 第2に、レストラン(特に和食屋さん)のお茶を本物にしてもらうように働きかけるべきだと思います。私は食通と言える程の人間ではありませんが、時々外食をするたびに、「料理は美味しいけれど、お茶とご飯とみそ汁がなあ」という感想を持つことがほとんどです。

 ご飯とみそ汁も大問題ですが、それはいずれ機会があったら論ずることにして、今は「レストランで出るお茶」を問題にしたいと思います。これこそ、「茶葉を沢山使うとコストがかかる」という考えで、ただ薄緑色のお湯を出しているように思える所が沢山あります。これくらいなら、茶色のお茶(これが本来のお茶の色)、つまり番茶かほうじ茶を美味しく淹れて出してくれた方が嬉しいです。

 この現状を変えて、「浜松のレストランではお茶が美味しい」と言われるようにしたいものです。

 この2つをやってから、輸出に本格的に取り組むのが順序だと思います。先にも触れましたように、外国ではお茶が飲まれるようになっています。ぜひ、「本当のお茶」が飲まれるようにするべきです。

 こういう努力を生産者と行政が一緒にやって行く中で、生産者は、これらを考慮して、自分はどの道を選ぶかを決めればいいと思います。

 仮立候補宣言後の第1の話題として、浜松茶の未来を考えてみました。皆さまの多くのコメントを期待しています。ぜひ建設的な意見をお願いします。

    参考

緑茶とは何か

浜松市長選への仮立候補宣言

牧野紀之の公約

コメント
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