マキペディア(発行人・牧野紀之)

本当の百科事典を考える

第30号、(福田総理の辞任表明)

2008年09月03日 | ニュース
     2008年09月02日   民主党参議院議員、藤本 祐司


 福田総理が09月01日、辞任を表明した。昨年も安倍前総理が09月12日に突然辞任した。その09月12日に臨時国会を召集すると決まった時、私は「何もそんな縁起の悪い日にしなくてもいいのに」と思った。その予感が的中した。

 「本日21時30分から総理の緊急記者会見が入りました」。某報道記者からこんなメールが私の携帯電話に入ったのが、20時半少し前。私は「辞任かな?」と思った。案の定だった。私は、政権を唐突に放棄するということはあってはならないとは思うが、決してありえないことではないと思っていた。したがって、正直言ってさほど驚きはしなかった。

 総理を批判することは簡単だし、新聞におおかたの批判の内容は載っている。それゆえ、ことさら私がここで批判することは、1日経った今となってはさほどのメッセージ性はないので控える。ただ、テレビを観ていて、気になったことがあるので少しだけコメントする。

 福田総理辞任表明についての街頭インタビュー。怒りを表す人や痛烈に批判する人のほか「もう少し頑張って欲しかった」とか「仕方がないんじゃないの」と答える方々も相当数いた。福田総理ばりのこの他人事のようなコメントは何だろうか。もちろん、突然マイクを向けられたので、とっさに答えが浮かばなかったという場合もあるだろう。

 しかし、日本のトップ・リーダーである内閣総理大臣が突然辞任を表明したにもかかわらず、他人事というのは、何かおかしい。自分の会社の社長が、前触れなく辞任したら「おいおい、何を考えているんだ」と怒るはずだ。それなのに、総理辞任は他人事というのは何故だろか。

 おそらく、「政治家なんてそんなものさ」と思っているからか、「福田さんには期待していなかったから、ま、いいんじゃない」という意味なのか。あるいは「総理なんて誰がやっても一緒だ」と思っているからだろうか。つまるところ、政治不信あるいは政治家不信が原因なのだろう。

 民主党の議員にも政治家不信を招くような行動があるかもしれないが、1年間に2人の総理が連続して突然責任放棄してしまう日本の政治を見れば、皆が政治に期待できないと考えるのも至極当然のことだ。こんなことが何度も続けば、国際的にも日本の政治の発言力はさらに弱まるだろうし、信頼は薄れる。

 自民党は派手に総裁選挙を実施するだろう。民主党の小沢代表の無投票での3選に対比させて、自民党こそ民主的だということをアピールするに違いない。北京五輪の開会式のような巧妙に意図された偽装総裁選を実施するであろう自民党。パフォーマンスすることが効果的であることをわかっていながらありのままの姿で挑む民主党。はたしてどちらが国民に対して正直か。2005年09月11日の小泉元総理による郵政解散総選挙、2007年09月12日の安倍前総理辞任、そして2008年09月01日の福田総理の辞任表明。「国民を馬鹿にするのもいい加減にしろ」と、皆もっと怒るべきだ。

 付記(牧野)

 これは藤本さんのブログからの転載です。本人の許可を得ています。
括弧内の題名は牧野、改行も一部は牧野のものです。

 藤本さんのHPは下記の通りです。

  http://www.fujimoto-yuji.org/
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