晴れ、13度、86%
ホッケなどの北のお魚に出会ったのは、高校を出て東京に出てからのことです。昭和30年代、40年代今のように流通が発達していませんでした。冷凍技術も進歩しています。今では香港ですら、朝獲れの新鮮なお魚が夕方には食べられます。デパートに行けば全国のものが手に入るという時代ではありません。東京で出会ったホッケの開きや、ニシンの三五八漬けは目新しく美味しいものでした。福岡のお魚とは種類が違います。
昨年10月に初めて北海道に行きました。北海道の海産物には目を見張ります。毎食生のお魚をいただきました。そして、自分へのお土産に縞ホッケの開きを1枚買いました。ホッケの身のホロリと外れるところが好きです。大きな縞ホッケ、脂が乗って美味しかった。その後福岡で求めたホッケの開きにはがっかりでした。北海道の物産展ですら思うようなものが売られていません。
先日、北海道出身の香港の友人からホッケの開きが2枚送られて来ました。彼女のお母様の入院、手術の看病のため北海道に帰省なさっていました。心身ともにお忙しかっただろうのに私にまで贈り物です。「ホッケのお開きを送りましたよ。」とご連絡いただいてから到着までの2日間、どれほど待ち焦がれたことか。荷を解くと大きなホッケが2枚入っていました。主人にもと気を遣ってくださっています。いえいえ、この私が2枚とも食べてしまうつもりです。荷物がついたお礼を入れると、「ホッケの燻製にでもして召し上がってください。」とおっしゃいます。そうかあ、燻製という手もあったなあと考え込みます。まづ一枚普通に焼いていただきました。やはり美味しい。2枚目は冷凍庫に入れて、燻製にするかどうか悩んだ挙句、やっぱり普通に焼いて食べました。脂の乗り、塩加減、皮がパリパリと美味しいホッケでした。おごちそうさまです。
皆さんからの贈り物で美味しいものを頂戴します。ありがたいけれど口が肥えてしまって、スーパーのホッケの開きが食べれなくなりました。日本の北と南、美味しいものが違います。日本列島の南北の長さを感じます。