チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

インドのミルクティー

2020年07月31日 04時00分10秒 | 思い出

曇、26度、94%

 暑いのに「熱いミルクティー」を作ります。小鍋に水を入れ紅茶の葉をたっぷり沸かしミルクをたっぷり入れて沸騰直前まで煮ます。そっとカップに濾し入れます。夏はお茶の色も薄く薫りも爽やかなセイロンの茶っ葉を、冬は深い香りのアッサムの茶っ葉を使います。

 初めてインドに行ったのは20年以上前のことです。主人の会社関係のお祝いの席に夫婦連名でご招待を受けました。ニューデリーを経由して北の「チャンディガ」に向かいました。「チャンディガ」は「コルビジュエ」が街全体の構想を作った街です。田舎ながらそこかしこに作られた街の美しさがあります。

 着いてすぐに相手の会社に挨拶に行きました。応接間のような広い部屋の通されました。主人は仕事の打ち合わせとかで私一人その部屋の残して別の場所へと出て行きました。いつものことです。しばらくすると下働きかと思われる若い男性がお茶とお皿に乗った物を運んで来ました。その後から会社の上役と思われる男性が4人ほど部屋に入って来ました。紹介されても名前を覚えるのですらままなりません。インドの方は長い長いお名前です。お茶は私一人だけ、一人の方が砂糖壺から角砂糖を3つ私のカップに入れてくれました。「飲んでください」というお接待でしょう。男性たちが見守る中、スプーンでかき回しました。静かな部屋の中で砂糖の「ジャリジャリ」と溶ける音が大きく響きます。ミルクティーは熱いのに膜が張っています。膜も一緒にスプーンで「ジャリジャリ」。口に入れると香りがよくその甘さとミルクの濃さでいっぺんに旅の疲れが消えました。美味しいミルクティーでした。一緒に出されたのは生のカシューナッツを揚げたものです。この組み合わせは最高のお接待だと後に知りました。塩も振っていないカシューネッツの揚げ物はナッツそのものの甘さを感じます。男性たちもカシューナッツには次々に手を伸ばして食べていました。

 どんな話をしたのか覚えていません。小1時間も女は私一人でした。思い返せば「日本人の女性」など珍しかったのかもしれません。主人が部屋の戻って来た時は「やれやれ」とホッとしたのを覚えています。

 夏物のスーツが汗ばむ季節でした。暑い中で飲む「熱いミルクティー」のおいしさそして疲れを取ることを知ったのはこの時です。その後幾度かインドを訪れました。寒い季節でももちろん「熱いミルクティー」です。このミルクティーにガーダモン、シナモン、ナツメグなどを入れれば「チャイ」の出来上がり。

 長かった梅雨が昨日明けました。お昼過ぎには34度、おやつの時に熱くて甘い「ミルクティー」を入れました。この香り、砂糖の溶ける「ジャリジャリ」はあの日の思い出につながります。

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小さな蓮華

2020年07月30日 04時00分02秒 | 身の回りのもの

晴、25度、92%

 30数年前香港に渡ったその夏のことです。夏休みほぼ毎日海に泳ぎに行きました。香港の日本人学校に編入して4ヶ月目の息子と一緒です。息子の友人たちはホームリーブや旅行で香港を離れていました。香港島の東のはずれにある海水浴場までトラムと2階立てバスを乗り継いで通いました。夏だけ人が集まる小さな村でした。海岸の監視員はアルバイトの大学生のようでした。あの夏は一度もお昼ご飯を家で取らなかったと記憶しています。海辺の村の夏だけお店を開ける小さな食べ物屋さんが数件、その中の1軒に通い詰めていました。主に麺を食べさせてくれるお店です。地元の人に混じって覚えたばかりの広東語で毎日違った麺を頼みました。

 香港に行かれた方はご存知だと思いますが、香港人の食事のマナーはあっと驚くものがあります。声高に話をしながら、肘をついて、骨などはテーブルクロスのそのまま吐き出す様子を初めて見た時は唖然としました。男性ばかりではありません。若い女性だって同じです。つまりこれが香港の食事のマナーなのです。そんなことにも少し慣れて来たばかりでした。

 夏も終わりに近づくと海水浴客の数も減って来ます。雨の降り出しそうな肌寒い日でした。いつもの麺屋さんはお客がほとんどいませんでした。お店の人とも顔馴染みになりました。向こうのテーブルで麺を食べてたのは20代の女性でした。泳ぎに来た様子ではありません。村の人だってのかもしれません。一人で静かに食べています。香港のこうした食べ物屋さんのテーブルには辛い「ラージャン」や酢などが置かれています。彼女はラージャンを「蓮華」にちょっとすくっては一口、また一口ゆっくりした食べぶりです。その「蓮華」にラージャンを取り分ける仕草がとても綺麗に見えました。

 中華圏では食事の時必ずお箸と「蓮華」が出て来ます。「蓮華」はスプーン代わりにスープを飲む、チャーハンを口に運ぶ、時にはナイフがわりに肉を骨から外したりととても便利です。日本ではおうどんを食べる時にもお丼に直接口をつけますが、香港での習慣からかつい「蓮華を貸してください。」と頼みます。中華のレンゲは大きさが豊富です。家で食事の時、辛子や甘味噌などをちょっと使いたい時、私は「手塩皿」の代わりに小さい「蓮華」を使います。 そうです、あの海辺の麺屋さんで見かけた女性の真似をこの数十年続けているのです。「蓮華」の綺麗な使い方を見せてくれた名前も知らない人です。

 帰国前の年の夏、久しぶりにその海岸に行ってみました。全く様変わり、賑やかな海水浴場になっていました。広い駐車場、立ち並ぶお店、救護所まで完備されていました。香港初めての夏通い詰めてから30年が経っていました。変わるのも当たり前です。変わらないのは海辺から見える水平線だけでした。

 

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牡蠣とポルチーニのパスタ

2020年07月29日 04時00分09秒 | 昨日のお昼ご飯

曇、26度、92%

 香港にいる時は一年中殻付きの生の牡蠣が手に入りました。北半球が旬でない時は南半球から入って来ます。日本では生牡蠣が手に入る時期はほんのわずかです。日本の牡蠣の美味しさは格別です。「牡蠣が食べたいなあ」と思います。日本の牡蠣は冷凍物が一年中売られています。冷凍庫にあまり大きくない牡蠣が半袋、乾物は「ポルチーニ」の乾燥したもの、それをあまり美味しくない「イカスミパスタ」と合わせてみることにしました。

 「ポルチーニ」はキノコです。香りが深いキノコでイタリア料理でよく使われます。しいたけ同様乾燥したものも売られています。 「ポルチーニ」日本でも自生地域があると聞きます。水で戻した「ポルチーニ」をバターで炒めます。戻し汁はこのキノコの強い匂い、旨味があります。色が気にならない料理ならこの戻し汁も使います。

 解凍した牡蠣は水気を拭って、ミルクを煮立てた中に落として大きさが一回り小さくなるまで火を入れます。火の入れ過ぎは禁物です。牡蠣だけを取り出して、残りのミルクの中に茹でたパスタを入れます。「イカスミパスタ」は茹で時間5分、硬めに茹でてこのミルクの中に入れました。牡蠣を引き上げた後のミルクは「牡蠣」の美味しさがいっぱい詰まっています。手早くミルク汁をパスタに絡め吸わせます。

 パスタを盛り、ミルク煮の牡蠣を乗せ、バターで炒めた「ポルチーニ」を振りかけます。 牡蠣の上に小さな姿のままの「ポルチーニ」がのっています。

 台所のものの整理、乾物の片付け、彩りの悪い一皿になりました。ミルクを吸った牡蠣はふっくらと甘味を増しています。バターで炒めた「ポルチーニ」は信じられないほどの甘さを感じます。イカ墨の練り込まれたパスタは、ボソボソして歯切れの悪いものでした。最後に吸わせた「牡蠣のミルク汁」がいい仕事をしてくれました。牡蠣の旨みを吸い上げた「イカスミパスタ」はパスタ本来の美味しさを発揮しています。

 明日で福岡地方は梅雨が明けるだろうと予報がありました。毎年長雨の時期には手持ちの乾物、スパイス、粉類の管理に頭を使います。簡単です、次から次にとお腹に入れるといいのです。あと少し使い上げたい乾物があります。さあ、どう調理しましょうか。

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私の新しい生活習慣

2020年07月28日 04時00分01秒 | 日々のこと

曇、24度、84%

 コロナのパンデミックは世界中の人の生活をたった数ヶ月で変えたと思います。自宅にいながらにして仕事を続けられるのは今の時代のネットの力に違いありません。家から出ずとも会議をしたり、挙句は「飲み会」までネット上です。人との接触を避けることが第一の予防であれば仕方のないことです。

 私は2003年の「サーズ」以来、公共の乗り物に長く乗る時は「マスク」をしていました。長距離移動の飛行機は人種も様々です。隣席の人は選べませんので自ら予防して来ました。使い捨ての不織布の「マスク」はいつもストックがあり旅行用のバックには予備があちこちに入れてあります。「マスク」は自分から出る菌も周りからの菌も防いでくれると思います。「マスク」をすること自体日本人は抵抗がなかったと思います。

 「マスク」着用、手洗い敢行、人混みを避ける、私の場合大した問題もなく「新しい生活習慣」は日常になりました。ただふた月ほど前のある日から一変したことがあります。友人が手製の「マスク」を送ってくれた日からです。忙しい合間を縫って作られた布製のマスクは洗って繰り返し使うことができます。内側の布にも気を配ってかわいく作られています。この「マスク」を使うようになって、私の「生活習慣」が変わりました。

 「口紅」を付けなくなりました。考えてみれば19歳からこのかた赤い「口紅」を差さなかった日はありません。ファンデーションや日焼け止めは暑くて嫌いです。素顔に赤い「口紅」だけという時代が続きました。その私が「口紅」を付けなくなりました。布の可愛いマスクの内側を汚したくないという思いからです。「口紅」は洗っても色が残ります。

 「マスク」をするのは私の場合買い物に行った先の店内だけです。普段は自宅にいます。出かける時は車ですから「マスク」はしません。車を降りた途端に「マスク」着用。散歩時は人がいなければ「マスク」を外します。とっくに「口紅」は鏡の前から姿を消しています。

 鏡に向かうと明るさのない自分の顔に気付きます。どうしても「口紅」必要時は使い捨ての「マスク」で出かければいいことです。友人たちから送られて来たマスクが増えました。「夏用マスク」まであります。使い捨ては気安さがありますが、医療現場でもなければ繰り返し支える物が実用的です。

 コロナ騒ぎが始まって、私は自分のために「マスク」を買ったことがありません。友人たちの気持ちに守られている気がします。「さて、今日は、どのマスクにしようかな?」

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青レモンのチャツネ

2020年07月27日 04時00分05秒 | 庭仕事

大雨、25度、84%

 レモンの木に青い実がたくさん付いています。今年は数えきれないほどです。もちろん嬉しい!でもこんなにたくさんのレモンを持ち堪えるほどの立派な木ではありません。まだ4年の若木です。そこで、思い切って摘果することにしました。

 「レモンの摘果」を調べると葉25枚に対して1個の割合で残すのだと書かれています。いちいち葉の枚数を数えるわけにはいきません。適当に小ぶりなものにハサミを入れました。 青レモンの香りは熟れる前よりもはかなく爽やかです。さて何か作らなくては。

 トマトの茎の上の方が風で折れました。そこに付いていた青トマトも2房あります。 全部合わせて「チャツネ」を作ることにしました。「チャツネ」はインドカレーと共に食べる、箸休め、お漬物です。昔のカレーに赤い「福神漬け」が付いていたのはこの「チャツネ」が起源だと何かで読みました。とっても甘くちょっぴり辛い「チャツネ」はマンゴー、りんご、タマネギで作られるのが一般的です。

 ちょうど梅雨時のスパイスの整理も兼ねます。 「オールスパイス」「ガーダモン」「グローブ」を砕きます。 外殻を外した「ガーダモン」は潰さずとも甘い香りを発しています。大まかに粗く潰して、生姜、蜂蜜で炊きます。 お砂糖でもいいのですが、蜂蜜のほのかな甘さを選びました。火にかけたらある程度煮詰まるまで炊きます。家中レモンとスパイスの香りでいっぱいです。

  火にかけたのであの綺麗な緑色が褪めてしまいました。このまましばらく置くとぐっと味が落ち着くと思います。蓋をする前に一切れ味見を。ほろ苦く爽やかな「青レモンのチャツネ」です。甘さを控えています。カレーのお供より冷たいウォッカに浮かべて飲みたいなあ、と頭の中で思い描きます。

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新しいハーネスとリード

2020年07月26日 04時00分15秒 | ここ

曇、25度、84%

 政府の給付金10万円はとっくに私の口座に振り込まれています。家族分ですから20万円。使う予定もありませんが、一応主人に入金の報告をしました。急に何を思ったのか「そのお金でココに新しいハーネスとリードを買ってあげてください。オレンジ色のをね。」そういえばココさん、3年間同じハーネスです。モモさんには小さかったハーネスを使って来ました。モモさんの時以来、我が家のハーネスはオレンジ色と決まっています。そこで翌日、近くのホームセンターやペット洋品売り場を回りました。どこにも思うようなハーネスが見つかりません。そういう時は、「プチン」とします。

 ネット上での問題はサイズです。何分にも首回りが太いパグ、体の長さの割合に胴回りだって太い。たまたまパグがモデルになっている写真が目に留まります。8キロのパグがモデルです。「これこれ。」運良くオレンジ色も在庫あり。そこで「プチン」

 昨日届きました。メッシュタイプの「ネオンカラーオレンジ」です。首が入るか?胴体にベルトが回るか?留め具は一つです。ココさんにぴったしサイズ。

「如何でしょう?」

夕方のお散歩は雨の後で涼しい風が吹いていたので、公園へ。子供達も遊んでいましたから、木陰の草の上で一休み。たまたま、目の前が水場でした。私が手を洗うために水を流しました。そしたら、ココさんしめしめとばかり、水場の流しに入りました。涼しいところを見つけるのは得意です。 「どや?」

 遊具で遊びたいのでしょうが、子供達が優先です。

 虫網でトンボを追いかけていた姉弟がココさんのところにやって来ました。恐る恐る手を出します。ココさん、子供達には寛大です。 「よかったね、ココさん。」犬や人との接触があったお散歩は充実感があります。涼しいので子供達も遅くまで遊んでいます。「今日は遊具は使えないね、帰ろうか。」

 今日からまた暑さが戻るのでしばらく公園行きは取りやめです。支給金10万円のほんの一部で新しいココさんのハーネスとリードを買いました。「お父さんにありがとうだね。」

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ヤマトイモのパンケーキ

2020年07月25日 04時00分07秒 | 昨日のお昼ご飯

曇、24度、86%

 「ヤマトイモ」を頂戴しました。扇型かなと思って箱を開けると「長芋」と同じような「ヤマトイモ」が入っていました。 「長芋」の類は主人の好物です。香港に帰る前日の買い物には必ず付いて来ます。持ち帰る食料品を選ぶためです。そして野菜コーナーで必ず私に聞くことが一つ。「真奈、長芋とヤマトイモとどう違うの?」私の答えはいつも決まっています。「お高いのがヤマトイモ、お安いのが長芋よ。」それ以上主人は聞きません。

 そのお高い「ヤマトイモ」を私が買うのは「薯蕷饅頭」を作る時だけです。そう考えると「ヤマトイモ」は粘りが強く、加熱すると膨張剤の役目を果たすのだと気付きます。昨日のお昼ご飯、早速すり鉢で当たりました。粘り気が強いので力が必要です。当たりながら、このまま食べようか?「磯辺揚げ」にしようか?考えましたが、この長梅雨で湿っぽくなり始めるスパイスを使うことにしました。

 パウダー状のスパイスは梅雨を越すと変色したり固まったり、肝心の香りが落ちてしまいます。特に唐辛子系のスパイスは赤い色が褪めて香りも辛味もなくなります。「パプリカ」は辛味はありませんが色落ちが心配です。甘い香りも飛んでしまいます。お次に心配なのが「ナツメグ」です。そこでこの2つをすりおろした「ヤマトイモ」に入れて小さなパンケーキを作ることにしました。 粉は一切使わずに「ヤマトイモ」のすりおろしだけです。スプーンですくって、小ぶりなパンケーキを焼きます。思った通り、全体的にほんわりと膨らみました。

 お昼ご飯のつもりですので、 ソースにはバジルで作った「ジェノバソース」を添えました。「パプリカ」と「ナツメグ」の香りと「ジェノバソース」の「松の実」「オリーブオイル」の香りが口の中で一体になります。パクパク。

 少しパンケーキが残りました。そこで  「ラベリージャム」の残りを出して来ました。これも早く食べ切ってしまわないと。一つの「ヤマトイモ」のパンケーキでご飯と食後のおやつまで。まだ2本残っている「ヤマトイモ」、粘りが強いばかりか「長芋」の味がしっかりとします。梅雨の食品総ざらえと一緒にお次は何を作りましょう?「おごちそうさま。」

 

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サザエの壺焼き エスカルゴ風

2020年07月24日 04時08分05秒 | 料理

大雨、25度、88% 雷

 サザエは主人の実家の思い出につながります。サザエが網の上で焼かれ始めると磯の香りが漂います。クツクツと煮えるとじんわりおいしいサザエの汁が出てきます。みんなのお皿に乗ったサザエ、主人の家族は皆見事にサザエをするりと殻から出します。もたもたしているのは私一人、挙句にサザエの尻尾の内蔵部分は殻に残ったままです。緑色の内蔵部分は嫌いな方も多いでしょうが、この苦味が一番おいしいとも言われます。

 自分一人のためにサザエを焼くのは贅沢に思えていました。緑の内蔵が食べたいとサザエを7つ買いました。生きているうちに調理します。普通のつぼ焼きは殻にお醤油とお酒を入れて焼きます。買った時からこのサザエを「エスカルゴ」のようにして食べるつもりでいました。お醤油の代わりに「エスカルゴバター」を落として蒸し焼きにします。

 「エスカルゴ」はカタツムリのお料理です。自分で注文することはありません。お集まりの料理に「エスカルゴ」が出てきたらそっと主人に食べてもらいます。カタツムリは私の幼馴染です。食べることなどできません。「エスカルゴバター」は「ガーリックバター」にパセリが刻み込まれています。生憎、我が家のパセリはこの長雨で黄色く変色して使い物になりません。パセリ抜きの「ガーリックバター」をサザエに落としました。鉄鍋に並べて蓋をして焼きます。まだ生きていますから焼いている間は蓋を取りません。可哀想に思います。それでも食べたい。

 焼ける間、磯の香りと「ガーリックバター」の香ばしい香りが台所いっぱいです。魚介類の火の入れ方には注意します。十分に火が通ってそれでいた硬くならないように時間の塩梅です。そっと蓋を取るとサザエの殻にスープが浮いてきています。出来上がり。

 熱いので気を付けてお皿に取り、まずはスープをすすります。内蔵の苦味がバターでまろやかに臭みもニンニクが消してくれています。貝のスープは身よりもご馳走です。お醤油とお酒より美味しい。次に太い竹箸を差し込んでくるりと回しながらサザエを取り出しました。昔は下手だったのにきれいに千切れずにサザエが出すことが出来ました。 お尻から一口でガブリ。海のものは塩をせずとも塩味がします。自然な塩気にバターが絡みます。一気に7つ、お腹に入れました。

 きれいに洗ったサザエの殻は雨の中花壇の淵に並んでいます。こんなトゲトゲの貝を食べようと思った人はよほどお腹が空いていたのでしょうね。

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焼き蕎麦

2020年07月23日 04時00分09秒 | 昨日のお昼ご飯

小雨、26度、92%

 梅雨を越すと乾物が傷むことがあります。私の場合、毎日パンを焼くので粉類のストックがたくさんです。今年のように長く雨が多いと管理に気を配りできるだけ早め早めに使い上げるようにします。

 ずいぶん前に買った乾麺の蕎麦があります。半分食べた後、封を切った蕎麦がそのままになっています。実はこの蕎麦、美味しい蕎麦ではありませんでした。蕎麦の風味がとか、そば粉の割合がとか言う前のまずさです。歯にまとわり付く様なねっとりした蕎麦です。まだ半分残っています。麺が悪くなる前にお腹に収めようと思います。茹でてお出汁で食べるのはこりごり、さてどうやって食べようか?

 麺に変わりはありません。そこで軽く茹でて炒めることにしました。冷蔵庫にあるもので作る普通のお昼ご飯です。味付けは塩味でもよかったのですが「豆豉」を使いました。煮た黒大豆を発酵させた「豆豉」です。 香港から小袋に入った「豆豉」をたくさん持ち帰っています。中華料理では豚や魚の蒸し物によく使われます。まろやかな奥の深い旨みが出るのが特徴です。「豆豉」も梅雨時期に虫が付きやすい食べ物です。これも使い切りましょう。

 たっぷりの油で炒めます。キャベツ、玉ねぎ、豚肉にお蕎麦、味付けは「豆豉」のみ。簡単な一品です。「豆豉」の味を損ねないように胡椒は使わずに最後に「山椒の実」を振りかけました。蕎麦を炒めて食べるのは初めてです。 蕎麦と思わなければパスタです。油をたっぷりとまとった美味しくない「蕎麦」は別物のように変身し蕎麦の香りまでします。「おいしい。」油のおかげで歯にくっ付くような粘りも感じません。「豆豉」が控えめなうまさを添えてくれます。そして「山椒の実」がピリッと味を引き締めます。

 美味しくない食べ物を少しでも美味しく、残り物は長く置かない。初めて炒めた「蕎麦」でした。「やきそば」ならぬ「焼き蕎麦」でした。おいしい「蕎麦」ならやはりおいしいお出汁でするっと食べるのが一番です。使い上げたい乾物がまだまだあります。暑い夏がもう直ぐ目の前、それまでにストックを使ってしまいましょう。

 

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九州産生乳使用牛乳

2020年07月22日 04時00分26秒 | 日々のこと

曇、26度、92%

 私の冷蔵庫に牛乳は不可欠です。日本に戻って来てどの牛乳にするか迷いました。種類が実に豊富です。コヒー、紅茶にも使います。牛乳の味一つで香りやまろやかさ、コクに差が出て来ます。大量消費しますのでお値段が馬鹿高いものはごめんです。一年ほど前から「九州産生乳使用牛乳」を飲んでいます。どこのスーパーにもある商品ではありませんがお値段も高くありません。

 牛乳がどのようにして作られているのか「メグ」のような全国ブランドでも地域ごとに工場があるようです。その地域地域の牛乳を使用しているのかは疑問です。早朝に牛乳を運ぶタンク車をよく見かけます。他県ナンバーのものばかりです。昨年主人が東京に住まった時も牛乳のことが気になりました。遠くは北海道からも牛乳は運ばれていました。

 「九州産生乳使用牛乳」がこの2週間、お店から姿を消しました。ちょうど九州に豪雨が発生して以来です。豪雨で冠水、浸水被害が出た九州中部には小さな農場が点在しています。牧畜家の人が避難なさっていれば乳は絞れません。地元のニュースで牛舎が浸水した様子を見ました。牛たちは囲いの中で座り込んでいます。避難先から戻り牛を見た牧畜家の人は「やせ細って。」と言葉を詰まらせていました。乳など出る体力がなくなった牛たちでした。牛よりまずは人命の安全が第一です。牛舎にも泥が流れ込んでいました。

 スーパーの「九州産生乳使用牛乳」の棚はぽっかりと空いたままでした。葉物野菜の値段も上がって来ました。農家も被害が出ています。復旧作業の様子も毎日伝えられます。たくさんの農家、漁業を営む人たちが今回の豪雨で痛手を受けています。この3、4年連続被害が出ている地域もあると聞きます。

 昨日スーパーの棚に並んでいるのを見つけました、「九州産生乳使用牛乳」。浸水した牧場の様子が頭をかすめます。この牛乳、九州各県の生乳を熊本の森永の工場で作ているのだそうです。この工場の付近も今回の被害があった地域です。

 この豪雨「令和2年7月豪雨」と名付けられたそうです。死者も出ました。今だ行方不明の方もいます。気温がぐんぐん上がりコロナも危惧される中、復旧作業に当たられる人たちのご苦労を思います。毎年どこかで起こる自然災害を私は小さな台所から危惧するばかりです。この夏これ以上の災害が出ませんように。

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