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本好きholyの覚え書き的日常のあれこれ

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19年目のholyのブログをそのまま残します。 同じ時は二度とやって来ない。これからも毎日を「一期一会」の心で過ごします♪

真藤 順丈 著 『宝島』

2019-02-13 | 本の紹介
今日から3日間、3年生は卒業試験です。
卒業式は3月1日、旅立ちの日まであとわずかとなりました。

第9回山田風太郎賞&160回直木賞受賞の真藤順丈 著 『宝島』(講談社)読了しました。
546ページにわたる大長編でした。

舞台は沖縄、戦後1952年から1972年本土返還までの20年の物語です。
戦争中は、日本で唯一の地上戦となった沖縄戦で、
住民たちの犠牲者は20万人以上とも言われ、沖縄県人の4人にひとりが犠牲となりました。
戦後は長い間米軍統治におかれ、アメリカ軍の基地まで置かれ今なおそのままです。

作品では3人の若者が激動の時代に対峙し、熱く行動する姿が生き生きと描かれます。
終戦時に子どもであった彼らは、成長の過程で沖縄の様々な問題にぶつかります。
実際に起きた米軍闘機小学校墜落、米軍車両死亡交通事故無罪判決、米兵による暴行事件、
毒ガスでの住民被害、県民の怒りが爆発したコザ暴動、本土返還後も残ることになった米軍基地。
この時期を生きてきた沖縄の人々の怒り、挑戦、諦め、勇気、が心に刺さる作品でした。

本校の2年生全員が修学旅行で沖縄へ行き、民泊し、
皆「おじいおばあ」の優しさに涙して帰ってきます。
数々の悲劇を乗り越え、今なお基地の残る沖縄の方の、強さと優しさを感じるそうです。
是非、本校の多くの生徒に読んでもらいたい作品です。

沖縄へは2回行ったことがありますが、豊かな自然と古くからの伝統文化、戦争の悲劇、
そして強くて温かな心を持った人々が住む日本に稀有な「宝島」です。
基地問題をうやむやにしてはいけません!
もし東京に基地があったらどうですか?同じく原発があったらどうですか?