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黒古一夫BLOG

文学と徒然なる日常を綴ったBLOG

「劇場型」は、もう結構。

2008-09-10 09:47:11 | 近況
 ここ何日か「盗作」問題に関する僕の発言(感想)を軸とする応酬に振り回されて、果ては「大学教師を辞めろ」とまで言われ、これが「ネット社会」の現実か、と今更ながら考えさせられている間に、世の中はあの郵政選挙を行った小泉政治を思い出させるほどに、「劇場型政治」が花開いてしまったという感がある。
 そこで、前にも書いたことだが、僕にどうしても解せないのは(現象としては理解できるが)、福田自公民内閣には支持率を20パーセント程度しか与えなかった「国民」が、福田首相が退陣表明しただけで倍近い支持率を与え、あまつさえ自民党総裁候補が5人に絞られた時点(6・7日)の世論調査で、自民党の支持率が40パーセントを超えた、ということである。安倍政権末期、福田政権と、自公民内閣に「NO」を突き付けていた国民が、まだそれぞれの候補が「公約・マニフェスト」の類を出していないにもかかわらず、「先物買い」なのか、自民党に高い支持率を示す。
 どうなっているのか、と思うのは、僕だけではないだろう。1年以内に全て解決しますと安倍・福田の両首相が公約した「消えた年金」問題が解決したわけではないし、自衛隊の海外派遣問題(アフガン・イラク特措法、つまり自衛隊の米軍支援問題=集団的自衛権の問題)も未解決、あれほど騒いだ「道路特定財源=暫定税率」の一般財源化の問題はどうしたのか、「天下り」問題、「消費税」問題、何一つ解決していない現実、国民は次期自民党総裁に「期待」して高い支持率を与えたのかも知れないが、戦後63年、霞ヶ関と癒着した自民党政権(公明党が何故連立を組んでいるのか、僕には今でもよく理解できない)では、どんな総裁が選ばれても多寡が知れているのではないか。
 マスコミ報道によれば、総裁選の「勢い」に乗って総選挙に突入し、そして総選挙に「勝利」誌、自公民政権を存続させるという。もしこれが本当ならば、これほど国民を「愚弄」する話はない。関西弁に「なめたらあかんでよー」というのがあるそうだが、国民を愚弄したら(バカにしたら)手酷いしっぺ返しを喰らうのは必定。しかし、混迷・混乱する今日、国民が「ヒーロー(英雄)」を待望しているのも事実であるから、どんな総選挙結果が出るかわからないが、ともかれ、繰り返し言っているように、早急に衆議院を解散して総選挙を行い、国民の審判を仰ぐべきである。その結果を見て、僕らはもう一度判断すればいいのではないか、と思う。郵政選挙(劇場型政治)の「甘い結果よ、再び!」とばかりに夢見て、誰か(黒幕?)が総裁選の「絵図」を画いているのだろうが、果たして描いた絵図通りになるだろうか。国民はそんなに「バカ」ではないと思うのだが。
 僕は、冷静に、劇場型政治に惑わされることなく、また「しらける」こと無く、自分の主体性をかけて国民の義務を果たすとき、自ずから答えは出てくるのではないか、と相変わらず「夢見て」いるのであるが、果たしてどうなるか。やっぱり、「政治」というのは面白い(だけど、僕のブログにコメントを寄せてきた「ネット小僧たち」は、そんなこと露ほども思わないのだろうな、と思うと愕然とするのも、事実)。