黒古一夫BLOG

文学と徒然なる日常を綴ったBLOG

民主主義の危機(5)――本当に危機を実感しました。

2017-06-17 05:38:49 | 仕事
 この1ヶ月余りの、国会での攻防や安倍内閣の振る舞いを見ていて実感したのは、僕たち日本人がアジア太平洋戦争に敗北することで獲得したで「平和と民主主義」が本当に危機的状況に追い込まれているな、ということであった。にある、
 遅ればせながら、いま僕は黒川創の最新長編『岩場の上から』(新潮社刊)を少しずつ読み進めているのだが、この「戦後100年」(現在から30年後)の「完全に国民の自由や基本的人権が失われた監視社会=ファッシズム国家」の姿を描いたディストピア(反ユートピア)小説の世界と、今安倍晋三ファシスト首相(自公政権)が推し進めようとしている「政治」(の結果)が重なるような気がして、背筋が寒くなるような思いを何度もせざるを得なかった。
 そのことを誰もが分かる形で露呈した昨日(6月15日)の参議院での集中審議、安倍首相はじめ関係閣僚や関係閣僚が、口を揃えて「反省」の言葉を発したが、野党からの「事実」に基づいた彼らの答弁を聞いていると、どうでも「加計学園問題」を今国会で「終わりにして」(封じて)、後は改憲へまっしぐらで突き進もうとする意図が見え見えで、余りこれは言いたくないのだが、トランプ大統領の「ロシア疑惑」(他の政策も含み)を正々堂々と追求している議会やマスコミが示している「民主主義」精神と比べて、何ともやり切れない思いを強くした
 どう見たって獣医学部の新設に関して、安倍首相以下の蓮中が首相自ら「腹心の友」と言っている人物が理事長をしている加計学園に「便宜を図った」ことを必死で隠蔽しようとしているとしか思えない今回の出来事、集中審議における「口裏合わせ」の答弁を聞いていて、僕としては怒り心頭に達したが、それと同時に「平成の治安維持法」である「共謀罪」が強行採決で通ってしまったことを考え合わせ、僕らの未来がどうなるのか、憂鬱にならざるを得なかった。
 それにしても、何度でも言うが、そんな安倍内閣に「50%」前後の支持率を与えている「目先の利益」しか考えず、「百年の大計」を生き方に反映させない国民(日本人)に、もどかしい思いを禁じ得ない。

 今、先の黒川創の長編を読み進めながら、昨年の2月になくなった「団塊の世代」を代表する作家津島佑子の「3・11フクシマ」後に書かれた二つの長編『ヤマネコ・ドーム』(講談社刊)と『ジャッカ・ドフニ――海の記憶の物語』(集英社刊)や短編集『半減期を祝って』(講談社刊)、エッセイ集『夢の歌から』(インスクリプト刊)などを読み、次の本『原発文学史・論』(仮題)の一章にすべく書き進めているのだが、「未来」を見据えながら「生命」の有り様を考え続けてきた津島佑子の精神(思想)に思いを馳せると、昨日国会で繰り広げられた論議の「姑息さ」「矮小さ」に呆れざるを得なかった。現実の酷薄さ、と言ってしまえばそれまでだが、どうしてもともっと「長い射程」で物事を考えられないのか、つくづく自分の「無力さ」を感じざるを得なかった。
 「嫌な時代」だが、何とかしなければ、と痛感した一日であった。
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