黒古一夫BLOG

文学と徒然なる日常を綴ったBLOG

ゼミ合宿の報告

2008-09-04 11:48:50 | 仕事
 1日から3日(昨日)まで2泊3日、恒例の学部ゼミを行ってきた。PC環境(インターネット)の整っていない茨城県と福島県との県境に近い平潟漁港の民宿での合宿、時間的な余裕もなかったが、3日間このブログを書くことができなかった。ゼミ合宿というのは、卒業論文を書くための準備で、論文の構成をゼミに提出し、それをみんなで検討するというもの。黒古ゼミの別名「地獄の合宿」、最近は「優しくなった」という評判だが、本当はどうか?なお、念のため書いておけば、批評は僕も含めて自腹である(僕など、合宿費のほかにコンパ代、車の燃料費などを含めると、2泊3日で3万円強使う。私立大学なら、その費用はみな大学から出るのだが、国立大学は悲しいかな出ない。
・9月1日:朝9時、研究室に集合。レポートを集め、7部のレポート集を作り、僕の車(7人乗り)で9時40分に出発。11時半に勿来・いわきインター(常磐高速道路)を降り、コンビニで購入した昼食を摂ったあと勿来の関跡を見学し民宿へ、2時から5時まで最初のゼミ生のレポート検討会、5時から7時まで2人目、夕食とお風呂(天然温泉)の後、2人目の残りを行い、12時まで3人目を行う。ゼミが終わってテレビニュースを見たら、「福田首相、辞任を表明」を繰り返し報じていた。「えっ、また、何で」と思わず絶句してしまったが、日本の「政治」が「壊体」しつつあることの証をまたもや見せられ、心穏やかならざるものを感じたが、このことについては、後で詳述したいと思う。
・2日:朝9時から4人目、昼を食べたあと「岡倉天心記念五浦美術館」(茨城県立)を見学。夏休みも終わり、8月31日まで「絵本原画展」が開かれた後の特別展が何もない時期ということもあって、僕ら以外の見学者はちらほら、こういう状態だから美術館や文学館、博物館の「民営化」が声高に叫ばれるのだな、と改めて実感したが、それにしても岡倉天心の他に横山大観、菱田春草らの原画を大量に持っているこの美術館、常設展示室にもっと大量の横山大観たちの「真筆」を展示しておけば、入館者たちは今よりさらに増加するのではないかと思うが、美術館などが陥っている現在の「危機」を担当者たちはどう考えているのか。彼らの危機感のなさが、文化の危機を招いているとしたら、考えなければならないことが多いのではないか。
・3日目:朝食の後,片づけをして、9時にゼミ生が行ったことのない「会津若松(鶴が城)」を目指して出発。高速に乗って1時間30分、野口英世記念館(生家跡)を眺めるつつ猪苗代湖の脇を走る一般道で会津若松(城)へ、この城が好きな僕は昨年を含めてこれまでに5,6回訪れているのだが、初めての学生たちは時間をかけて見学した。そのために予定が大幅に狂い(猪苗代湖を見学したことも含めて)、大学に帰ってきたのは6時半、5時から大学院のゼミを計画していたのに、院生を1時間半も待たせることになってしまった。それから10時まで、雑談を含めて研究の方法や今後の予定などについて質疑応答を行う。疲れた。夕食を摂った後、シャワーを浴びてバタン・キュー。考えてみれば、350キロを朝から一人で気を使いながら運転してきたのだから疲れるのも当たり前。もう一度言うが、本当に疲れた。
 以上、ゼミ合宿の報告。1週間後に「目次(論文構成案)」の修正案を提出、「OK」が出ればいいのだが、どうなるのやら。
さて、福田首相の「辞任劇」であるが、この突然の「無責任パフォーマンス」から3日目、郵政選挙での勝利でやりたい放題を行ってきた(3分の2条項を使って)自民党がついに行き着くところまで行き着いたという感じしか僕はしないのだが、「次期総裁選び」という狂想曲に酔いしれているマスコミ・ジャーナリズム、こんなことは所詮「コップの中の嵐」でしかないのに、どんな政治的なビジョンを持っているか(僕にはわからない)総裁候補と称する人たちの名前がマスコミに踊る、茶番劇だな、と思いつつ、どうやら今度の「自民党総裁」は、選挙管理内閣になりそうで、そうであればできるだけ早い時期の「解散・総選挙」が必要だと思ってきた僕としては、願ったとおりになり、よかったと思うしかない。
はてさて、どうなるか。観客としては、楽しみである。