国土交通省は6月30日、トラックが旅客を乗せたり、タクシーや貸し切りバスが貨物を運んだりする「貨客混載」を、9月1日から解禁する方針を明らかにした。
人口減少が進む過疎地が主な対象で、住民の足を確保するとともに貨物配送の効率化が狙い。
利用者が多い朝夕は客を運び、利用者が少ない日中は貨物を運ぶ「掛け持ち」が可能となるため、これらの需要の減っている地域でも運輸業者が営業を続けていけるようになると同省は期待している。
貨客混載に使うトラックは、ワゴン車など旅客輸送に適したタイプを想定して
いる。
貨客混載をする場合、事業者は貨物と旅客の双方を運送する許可を得る必要がある。
貨客混載ができるのは、過疎法によって指定された地域の大半が対象となる見込みだが、同省は具体的な地域名を公表していない。
出発地か目的地が指定地域である必要がある。
一方、乗り合いバスに関しては、現状でも350キロ未満なら貨物を運べるが、9月以降は350キロ以上の貨物運送も認める。
地域の限定はない。
各地で行われていた実証実験の結果から、安全性に問題はないと判断した。
貨客混載を巡っては、規制改革推進会議が5月、規制緩和を盛り込んだ答申を出していた。